Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第177回

やむを得ず税を滞納した中小企業に対する金融機関の融資判断弾力化に関する質問主意書

参議院 第177回 第117号承知していない ×1検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
2011年3月10日
内閣転送 2011年3月14日
答弁書受領日
2011年3月25日
提出から15日
答弁の項目数
8
質問 2,015字/答弁 1,916字

質問本文

近年、景気の回復が進まない中で、中小企業の資金繰りもいまだ厳しいままである。特に、やむを得ず税金を滞納しなければならなくなった企業については、金融機関から融資を受けることが非常に困難となり、苦境に陥っているとの報道等もしばしば見受けられる。例えば、平成二十二年十二月二日付けの毎日新聞では、材料価格の高騰で資金繰りが悪化し、消費税を滞納した企業が、銀行からの新規融資を止められている等の事例が報じられている。

国税庁の統計によれば、消費税の整理中の滞納件数(その年度の新規発生滞納及び前年度からの繰り越された滞納のうち、滞納整理が済んでいないもの)については、平成十九年度で約百三十六万二千件、平成二十年度で約百四十万二千件、平成二十一年度で約百四十四万五千件と把握している。国税の滞納に占める消費税の滞納の割合は高い状況にあり、改善の兆しが見えない。この多くは、平成十九年夏ごろからのサブプライム住宅ローン危機、平成二十年九月のリーマンショックに端を発する世界金融危機等により、苦境に陥っている中小企業等がやむを得ず滞納しているものではないかと推察される。こうした企業に対する金融機関の融資判断について、可能な限り弾力化する必要があるのではないかと考える。

そこで、以下質問する。

一 平成十九年度から平成二十一年度の消費税の滞納状況を見ると、整理中の滞納税額は減っている一方で、整理中の滞納件数が増えている。これは故意の巨額な税の滞納というより、やむを得ず小額な税の滞納をしている者が増えているとも考えられるが、政府はどう認識しているのか。

二 国税庁の調べによると、平成二十一年度における国税滞納者数が約九十二万五千人であるのに対して、国税通則法第四十六条に基づく納税の猶予を受けた人数は、三百十二人にとどまっている。一方、国税徴収法第百五十一条に基づく換価の猶予を受けた人数は、約十九万八千人となっている。

1 国税滞納者数に比較して、納税の猶予を受けた人数が非常に少ないのではないかと思われるが、その理由は何か。

2 換価の猶予は、納税の猶予とは異なり、滞納処分手続が既に進行していることを前提としている。納税者の立場に立った場合、換価の猶予を受けることにより、納税の猶予の許可を受けた場合と比較して、金融機関に対する信用が低下し、融資等が受けにくくなるのではないかと懸念する。換価の猶予を受けた企業に対する金融機関の融資の実態について、政府はどのように把握しているのか。

3 納税の猶予や、換価の猶予の許可を受けて分割納付を行っている場合には、単に滞納しているものではないことから、少なくとも、これらの場合は、金融機関では返済見込みがあるものとして融資を継続すべきものと考えるが、政府の見解如何。

4 納税の猶予及び換価の猶予は、国税通則法第四十六条、国税徴収法第百五十一条に基づき、原則一年以内の期間認められており、やむを得ない場合は、さらに一年間(二年を超えない)延長できることになっている。

この制度についても、納税の猶予を積極的に活用するように改めるとともに、進まない景気回復、中小企業金融との関連を踏まえ、さらなる期間の延長や運用面での弾力的な措置を講じていく必要があるのではないかと考えるが、政府の見解如何。

三 日本政策金融公庫の中小企業等向け貸付の中には、小規模事業者経営改善資金融資(マル経)やセーフティネット貸付のように、消費税を除いた所得税・事業税等の義務納税額をすべて完納していることや一年以内に完納する目途があれば融資の対象となる等の要件をあげているものもある。中小企業が厳しい状況に置かれている現状に鑑み、例えば経済情勢が好転するまでの間のみ、このような完納要件を一時的に緩和するなど柔軟に対応することも一つの方策として考えられるが、政府の見解如何。

四 中小企業経営者の方から、消費税を滞納しているために、政府系金融機関から融資を受けられなかったという声をしばしば聴いている。平成二十一年五月二十六日の衆議院財務金融委員会では、日本政策金融公庫の安居総裁が、「税金だとかあるいは公共料金だけでどうこうということはございません」と答弁しているが、各現場ではその答弁のとおりに実行されていないのではないか。単に税金の滞納という事実だけで判断せず、必要な資金を融通することが政府系金融機関の役割ではないかと考えるが、政府の見解如何。

五 民間金融機関については、貸倒れの発生が収益減少や自己資本比率低下につながることから、税金の滞納を厳しく見ていることが推察される。例えば、かつて東京税理士会が緊急要望を行った「税金滞納分を納付するための融資に付ける信用保証の枠を設ける」などの方策により、民間金融機関が融資に応じやすくする仕組みをつくるべきではないかと考えるが、政府の見解如何。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねについては、納税者が消費税を滞納する要因は、景気の状況や納税者個々の事業の状態等、様々な事情によると考えられる。

二の1について

国税は、その納付の期限内に自主的に納付されるべきものであり、期限内に納付されない場合には、原則として滞納処分が執行されることとなる。しかしながら、納税者の実情によっては、滞納処分を執行することが妥当でない場合があるため、納税者個々の実情に即して国税の徴収を緩和し、弾力的な扱いをすることを目的として、納税の猶予(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第四十六条第二項及び第三項並びに租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第六十六条の四の二第一項及び第六十八条の八十八の二第一項の規定による納税の猶予をいう。以下同じ。)、換価の猶予(国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第百五十一条の規定による換価の猶予をいう。以下同じ。)等の猶予制度が設けられているところである。国税庁としては、納税の猶予、換価の猶予等の猶予制度の適用に当たっては、個

々の納税者について、法令に定められた要件に該当するか否かを調査した上で適正に処理しているところである。

なお、国税庁においては、平成二十一年七月から平成二十二年六月までの一年間において、納税の猶予を三百十二回、換価の猶予等を十九万八千四百六十七回行うなど、法令の規定に基づき、納税者個々の実情に即して、これらの猶予制度を適正に適用しているところである。

二の2について

金融庁においては、お尋ねの換価の猶予を受けた企業に限定した融資の実態は把握していないが、事業資金の貸付けに係る債務を有する中小企業者から、当該債務の弁済に支障を生じる等により当該債務の弁済に係る負担の軽減の申込みが金融機関にあった場合には、中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(平成二十一年法律第九十六号。以下「中小企業金融円滑化法」という。)第八条第一項に基づき、中小企業者の債務の弁済に係る負担の軽減に資する措置等について、当該金融機関から定期的に報告を受けているところである。

二の3について

納税の猶予、換価の猶予等の猶予制度の適用を受けて分割納付を行っている者に対し、金融機関が融資を継続すべきかどうかについては、金融機関の個別の経営判断に係る事項であると考えるが、金融機関は、中小企業金融円滑化法等に基づき、中小企業者に対する金融の円滑化に努めることとされている。

二の4について

国税庁としては、納税の猶予、換価の猶予等の猶予制度の適用に当たっては、個々の納税者について、法令に定められた要件に該当するか否かを調査した上で適正に処理しているところである。

また、納税の猶予のうち国税通則法第四十六条第二項及び第三項の規定による猶予又は換価の猶予を行った場合において、猶予をした期間内にその猶予をした金額を納付することができないやむを得ない理由があると認めるときは、法令で定められた範囲内でその期間の延長を行っているところであり、引き続き、法令の規定に基づき、納税者個々の実情に即して適切に対応してまいりたい。

三について

株式会社日本政策金融公庫(以下「公庫」という。)の小規模事業者経営改善資金融資(マル経)制度は、納期限の到来している所得税、事業税等を全て完納していること等の要件を満たしていることを前提として、経営改善に資する資金の融資を行うため、金利引下げ等の措置を講じているものである。御指摘のような柔軟な対応をすることが妥当かどうかは、このような制度の趣旨を踏まえ、検討してまいりたい。また、公庫のセーフティネット貸付制度は、税金の完納を貸付けの要件とはしておらず、公庫は、中小企業者等に対し、柔軟な対応等に努めていると承知している。

四について

政府としては、公庫等の政府系金融機関に対しては、貸出審査に際して、形式的な事象のみで判断することのないよう求めているところであり、これを踏まえ、公庫等は、中小企業者等に対し、丁寧な対応等に努めていると承知しており、引き続き、徹底してまいりたい。

五について

税金を滞納している中小企業者に対し、金融機関が融資を行うかどうかについては、金融機関の個別の経営判断に係る事項であると考えるが、金融機関は中小企業金融円滑化法等に基づき、中小企業者に対する金融の円滑化に努めることとされており、政府としては、金融機関に対する要請等を通じて、適切に対応している。なお、信用保証協会等に対しては、審査に際して、形式的な事象のみで判断することのないよう求めているところである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2018年6月8日 落合 貴之(立憲民主党・市民クラブ) 答弁 2018年6月19日
提出 1952年11月24日 春日一幸 答弁 1952年12月2日
衆議院 第15回 第10号
提出 2011年12月7日 橘 慶一郎(自由民主党・無所属の会) 答弁 2011年12月16日
衆議院 第179回 第116号
提出 2012年11月2日 浜田 昌良 答弁 2012年11月13日
参議院 第181回 第17号承知していない ×6
提出 2015年9月25日 牧山 ひろえ 答弁 2015年10月6日
参議院 第189回 第338号
提出 2008年2月18日 藤末健三 答弁 2008年2月26日
参議院 第169回 第37号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる