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いわゆる「脱法ハーブ」についての早急な規制強化に関する質問主意書
参議院 第180回 第121号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2承知していない ×2個別の事案 ×2
質問本文
近年、お香やハーブとして販売されたものを吸引することによる事故が多発しており、本年四月二十四日付け毎日新聞によれば、今年に入って東京都内で少なくとも七十七人が体調不良を訴えて病院に搬送されたほか、二月には名古屋市で二十四歳の男性が、また、四月には横浜市で二十六歳の男性が急死している。
このようないわゆる「脱法ハーブ」など、覚醒剤・大麻に化学構造を似せて作られた物質が添加され、多幸感を得ることを目的として若年者の間で乱用が拡大し始めている脱法ドラッグの販売実態について、厚生労働省が調査したところ、本年三月末時点で、二十九都道府県で三百八十九業者が存在することが明らかとなった。
「脱法ハーブ」は禁止薬物の「ゲートウェイ」とも言われており、このような状況を放置することは、若年者の健全な育成を阻害するのみならず、暴力団などの新たな資金源ともされており、看過できるものではない。
東京都が平成十七年に「東京都薬物の濫用防止に関する条例」(以下「脱法ドラッグ条例」という。)を制定したことを受けて、厚生労働省は平成十八年に薬事法を改正し、興奮、抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害を発生するおそれがあるものであって、麻薬取締法等で規制されていないものを指定薬物として規制する仕組みが導入されている。しかしながら、近年の「脱法ハーブ」をめぐる状況から、早急に更なる規制強化を求める声が国民の間に拡がっている。
そこで、以下のとおり質問する。
一 現在、六十八の指定薬物が指定されているが、近年、化学構造を少し変化させて法規制をすり抜ける事案が出てきていることに鑑み、一定の官能基があるものなどを早急に包括指定することが必要とされているが、政府におけるその検討状況及び実施の見通しを明らかにされたい。
二 指定薬物に対しては、現在では、麻薬取締官による取締りの対象外とされており、また、その疑いがある物品を発見した場合に収去ができる法整備がなされていない。薬事法の改正により、このような法整備を早急に行う必要があるが、厚生労働省は他の改正内容と併せて薬事法改正を準備しており、本年三月七日、小宮山厚生労働大臣は衆議院厚生労働委員会において、現在の通常国会で薬事法改正は困難との答弁を行った。「脱法ドラッグ」に関しては一日も早い法整備が必要であることに国民の合意があることは明らかであることから、薬事法の当該部分のみに関する改正を行うことが急務であると考えるが、野田内閣として改正案を今国会に提出する方針があるか、明らかにされたい。
三 東京都の脱法ドラッグ条例においては、知事指定薬物の製造、販売、広告のみならず、みだりに使用することを禁止しているのに対し、薬事法においては、製造、輸入、販売、広告等は禁止されているものの、その使用は禁止されていない。一方、現在報道されている脱法ハーブの使用者はどう見ても故意犯と見受けられるところ、供給側の規制が「いたちごっこ」とならないためにも、なんらかの使用規制を行うべきと考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。
四 東京を始め、多くの地域で「脱法ハーブ」の吸引により病院に搬送された例が報告されているが、その場合の治療は健康保険法又は国民健康保険法の適用となるのか。これらの法律の支給制限の対象となる「自己の故意の犯罪行為」及び「著しい不行跡」の適用の実態を明らかされたい。特に、健康保険法のコンメンタールによれば、故意の犯罪行為には条例を含むとされているが、東京都の脱法ドラッグ条例違反で健康を害した場合には、健康保険法及び国民健康保険法の支給制限の対象となるという理解で良いか。総じて、故意による「脱法ハーブ」の吸引などへの健康保険法及び国民健康保険法の支給制限の適用の可否について明らかにされたい。
五 厚生年金保険法及び国民年金法の支給制限にも、「故意に保険事故を生じさせた者」、「自己の故意の犯罪による事故」などが挙げられているが、「脱法ハーブ」を故意に吸引したことにより障害が生じたり死亡した場合には支給制限に該当するのか。また、当該「故意の犯罪」の対象とするには、どの程度の罰則が必要か。さらに、刑罰が伴わなかったものに、「故意の犯罪」として支給制限が行われた例があるか、政府の把握している範囲で明らかにされたい。
六 若年者においては、興味本位や余りにも軽い気持ちで「脱法ハーブ」に手を染める者も少なくない。政府として、薬物教育の徹底を含め未然防止策についてどのように考えているのか、野田内閣の方針を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘のような事案があることを踏まえ、政府としては、指定薬物(薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第十四項に規定する指定薬物をいう。以下同じ。)に係る同法の規制の実効性を高める必要があると考えている。このため、指定薬物の指定をより迅速に行うよう努めるとともに、化学構造が類似している特定の物質群を包括的に指定する方法について、現在、専門家の意見を聴きながら検討している。今後、その検討結果を踏まえて、適切に対応したいと考えている。
二について
薬事法等の見直しについては、平成二十四年一月二十四日に厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会が取りまとめた報告書である「薬事法等制度改正についてのとりまとめ」(以下「報告書」という。)で、指定薬物の取締りの強化に関する事項のほか、医薬品、医療機器等の市販後安全対策の充実強化に関する事項等についても提言された。政府としては、指定薬物の取締りの強化に関する事項を含む報告書で提言された全ての事項が喫緊の課題であると認識している。今後、報告書を踏まえ、可能な限り早期に所要の法律案を国会に提出したいと考えている。
三について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、例えば、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)で使用規制が行われている麻薬と同種の濫用のおそれ又は有害作用がある物であることがいまだ確認されていない指定薬物について、薬事法で麻薬と同様の使用規制を行うことについては、有害性の程度に応じて行っている各種の薬物に対する規制との均衡や、製造、輸入、販売、広告等の禁止に加えて使用規制も行うことによる効果等を勘案して、慎重に検討すべきと考えている。
なお、「いたちごっこ」との御指摘については、一についてで述べたとおり、化学構造が類似している特定の物質群を包括的に指定する方法について検討している。今後、その検討結果を踏まえ、適切に対応したいと考えている。
四について
健康保険法(大正十一年法律第七十号)第百十六条及び国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第六十条では、被保険者等が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に疾病にかかったときは、当該疾病に係る療養の給付等は行わないとされており、この場合、犯罪行為とは、刑法(明治四十年法律第四十五号)により処罰される行為のほか、条例を含む同法以外の法令の規定に違反し処罰されるべき行為をいう。また、健康保険法第百十七条及び国民健康保険法第六十一条では、被保険者が、著しい不行跡により疾病にかかったときは、当該疾病に係る療養の給付等の全部又は一部を行わないことができるとされている。
お尋ねの「脱法ドラッグ条例違反で健康を害した場合」がどのような状況を指すのか必ずしも明らかではないが、被保険者等が「脱法ハーブ」の吸引により故意に疾病にかかったときに該当する場合や、「脱法ハーブ」の吸引が条例の規定に違反し処罰されるべき自己の故意の犯罪行為に該当する場合は、療養の給付等は行われない。また、「脱法ハーブ」の吸引により健康を害した場合が、著しい不行跡により疾病にかかったときに該当する場合は、保険者は、個別具体的な事案に応じて、療養の給付等の全部又は一部を行わないことができる。
また、お尋ねの「自己の故意の犯罪行為」や「著しい不行跡」を理由として療養の給付等が制限された件数等については、把握していない。
五について
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第七十三条及び国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第六十九条では、被保険者等が、故意に障害を生じさせたときは、当該障害を支給事由とする給付は行わないとされている。一方、被保険者等が、故意に死亡を生じさせたときは、当該死亡を支給事由とする給付は制限されていない。また、厚生年金保険法第七十三条の二及び国民年金法第七十条では、被保険者等が自己の故意の犯罪行為により障害又は死亡を生じさせたときは、当該障害又は死亡を支給事由とする給付の全部又は一部を行わないことができるとされている。この場合、故意の犯罪行為に該当するか否かは、当該犯罪行為に適用される罰則の程度によって決まるものではないため、お尋ねの「どの程度の罰則が必要か」について、お答えすることは困難である。
お尋ねの被保険者等が「脱法ハーブ」の吸引により故意に障害を生じさせたときに該当する場合は、給付は行われない。また、「脱法ハーブ」の吸引が自己の故意の犯罪行為に該当する場合は、厚生労働大臣は、個別具体的な事案に応じて、給付の全部又は一部を行わないことができる。
また、お尋ねの「刑罰が伴わなかったものに、「故意の犯罪」として支給制限が行われた例」については、把握していない。
六について
薬物乱用の未然防止対策については、「第三次薬物乱用防止五か年戦略」(平成二十年八月二十二日薬物乱用対策推進本部決定)の目標一に「青少年による薬物乱用の根絶及び薬物乱用を拒絶する規範意識の向上」を掲げ、関係府省の連携の下、学校等における薬物乱用防止のための指導・教育の充実強化や有職・無職少年に対する啓発の強化等の対策に取り組んでいる。
御指摘の「脱法ハーブ」についても、その有害性について広報啓発を行うなど、乱用の未然防止に向けた取組を更に進めていく必要があると認識している。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2承知していない ×2個別の事案 ×2
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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