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大麻由来成分「CBD」の違法な流通実態に関する質問主意書

参議院 第211回 第82号

提出者
参議院
提出日
2023年5月24日
内閣転送 2023年5月29日
答弁書受領日
2023年6月2日
提出から9日
答弁の項目数
2
質問 1,117字/答弁 810字

質問本文

この数年間、「カンナビジオール」(以下「CBD」という。)という主に大麻草に含まれる成分の原料及びその製品が日本へ輸入されている。CBDには、リラックス効果、睡眠改善効果、肌の抗炎症効果が期待されており、既に米国では、CBD製品の市場が三千億円規模にまで成長している。そうした中、我が国においても、本年中にCBD市場が四百八十億円程度の規模にまで成長することが見込まれている。

このように国際的にCBD製品の市場が拡大する中、日本の大麻取締法では、大麻由来のCBD製品及び原料は、大麻草の「成熟した茎と種」から抽出されなければならないとされている。「成熟した茎と種」以外の大麻草の葉、花穂、樹脂、未成熟した茎、枝、根から抽出されたものは、「大麻」に該当することから禁止されているのである。

しかし、CBDを大麻草の「成熟した茎と種」からのみ抽出することは、植物の特性及び現在の製造技術からも現実には不可能である。米国の麻薬取締局(U.S. DRUG ENFORCEMENT ADMINISTRATION)と司法省(U.S. DEPARTMENT OF JUSTICE)も、「大麻草の茎と種子からCBDを含む抽出物を製造するのは現実的ではない」ことを公式見解の中で明らかにしている。また、米国の麻産業協会(US HEMP INDUSTRY ASSOCIATION)の責任者も、「米国で製造される九十九%のCBDは大麻草の茎と種ではなく、葉、花穂から抽出されてる」と述べている。

そして、日本へ輸入されている大麻由来のCBD製品は、大麻取締法に違反しながらも、輸入に必要な「茎と種の証明書」を偽造することで流通している状況が放置されてしまっているのである。当然のことながら、輸入者から先の商流である取引先や販売者、最終消費者は、大麻取締法に違反する製品を、その自覚なく販売、所持及び購入している事態となっている。

そこで以下質問する。

一 植物の特性や経済的合理性の観点から成熟した茎と種からCBDを製造することは困難だと考えるが、政府は、成熟した茎と種からCBDを抽出し、その原料や製品を製造することが可能だと考えているのか。

二 もし可能だと考える場合、どういったデータを基に製造可能と判断しているのか。

三 大麻樹脂などを含む規制部位の付着や製造上のコンタミネーション(混入)についてどのような方法で監視しているのか。

四 多くの専門家が述べているように、CBD原料及びその製品が茎と種のみから抽出できないとの情報が正しいのであれば、政府は国民を大麻取締法違反から守るための対策を採るべきだと考えるが、政府の見解如何。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一から三までについて

平成二十九年度厚生労働行政推進調査事業費補助金による「大麻の成分に関する文献調査」において、大麻草の茎及び種子においてもカンナビジオール(以下「CBD」という。)が含まれている旨の科学的データが示されており、政府としては、大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)第一条ただし書に規定する大麻草の成熟した茎及びその種子からCBDを抽出し、CBDを含有する製品(以下「CBD製品」という。)を製造することは可能と認識している。

また、厚生労働省においては、CBD製品の輸入に際して、輸入しようとする者から、当該CBD製品に含有されるCBDが大麻草の成熟した茎又はその種子から抽出され、及び製造されていることを示す証明書及び写真並びに同法により規制されている部位に多く含まれる有害な成分であるテトラヒドロカンナビノール(以下「THC」という。)を含有していないことを証明する検査結果が記載された成分分析書の提供を求めるとともに、国内の市場に流通するCBD製品を定期的に買い上げ、CBD製品にTHCが混入していないかを検査し、THCの混入が確認された場合は、当該CBD製品の回収等を販売業者等に対して依頼するなど、必要な対策を講じているところである。

四について

一から三までについてで述べたとおり、大麻草の成熟した茎及びその種子からCBDを抽出し、CBD製品を製造することは可能であるため、政府としては、御指摘の「CBD原料及びその製品が茎と種のみから抽出できないとの情報」が正しいとは考えていない。

なお、厚生労働省においては、一から三までについてで述べた対策を適切に講ずるとともに、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会大麻規制検討小委員会において令和四年九月二十九日に取りまとめられた「議論のとりまとめ」を踏まえ、大麻取締法の改正について、規制の在り方の見直しも含め、検討を進めているところである。

参議院の原文

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