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ヨーネ病対策に関する質問主意書

参議院 第180回 第39号お答えすることは困難 ×2

提出者
参議院
提出日
2012年2月22日
内閣転送 2012年2月27日
答弁書受領日
2012年3月2日
提出から9日
答弁の項目数
5
質問 1,567字/答弁 1,337字

質問本文

現在、多くの産業獣医師から、ヨーネ病の検査の公定法であるELISAについて、非特異反応が多く、検査キットとしては問題があるとの声がある。

それを裏付けるように、新潟県中央家畜保健衛生所が出した「ヨーネ病ELISA非特異反応が認められた酪農場で分離された抗酸菌」との報告でも、新潟県の酪農場においてELISAによる抗体検査で十七頭のヨーネ病患畜を摘発したが、すべての患畜について菌培養検査や遺伝子検査を行った結果、ヨーネ菌の存在が認められなかったことが指摘されている。また、下越家畜保健所が出した「ヨーネ病抗体非特異反応が疑われた農場における防疫対応」との報告においては、「平成二十年度診断予防技術向上対策事業でもエライザのみが陽性となる個体が五パーセント程度認められており」として、「免疫学的検査法だけでヨーネ病と診断する現行の診断基準を再検討する必要がある」としている。

このように、各地の家畜保健衛生所からもELISAの非特異反応が五パーセントにも及ぶことが指摘され、診断基準の再検討が要請されているのである。

現在、ELISAで陽性とされ、殺処分される乳牛等は、評価額の四分の三しか補償されていない。その殺処分される乳牛の五パーセントが、患畜でないということになれば、その家畜所有者は、評価額の四分の一について損失を被ることになるのである。さらに、「ヨーネ病防疫対策要領」によりヨーネ病発生農家(カテゴリー二農場)と判定されることにより、家畜の販売や移動に著しい支障を来すことになるだけではなく、農場の評価も著しく低下し、直接的・間接的な経済損失額は巨額になることが想定される。家畜所有者に何の落ち度もないにもかかわらず、損失を被ることは許されない事態であり、こうした事態は正されなければならない。

ついては、以下質問する。

一 これだけの非特異反応があるELISAだけに依存した検査法を改め、菌培養検査を併存させるべきである。そして、ELISAで陽性になっても菌培養検査で陰性になった場合は、評価額の補償は、全額にすべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。また、これらの対応が出来ない場合、その理由を明らかにされたい。

二 市販ELISAキットの非特異陽性反応について、政府はいつからその事実を承知していたのか。また、政府は、承知した時点で、現行のELISAキットの添付使用説明書にその旨の「注意書き」を追加するようメーカーに対する指導を行ったり、実際に診断キットを使用する家畜保健衛生所等に対する擬陽性の可能性に関する注意勧告や通達を行ったのか。

三 家畜所有者が所有する乳牛等が患畜でないにもかかわらず、検査法の不備により殺処分された場合の損失について、政府は擬陽性により殺処分された頭数を把握しているのか。また、政府は、補償する義務がないと考えているのか。もし補償する義務がないと考える場合、その根拠を明らかにされたい。さらに、政府が、補償する義務があるとする場合、どのような補償方法を検討しているのか、明らかにされたい。

四 農林水産省に設置されたヨーネ病検査に関する技術検討会では、「新たな検査法が導入されるまでの間、エライザ検査の結果に基づく、ヨーネ菌感染の有無の判定については慎重に行う必要がある。」としているが、今後の具体的な対応について示されたい。

五 日本における家畜伝染病の中で、ヨーネ病の発生件数は、群を抜いて高いものになっている。そのような中で、前述の指摘にあるような問題を有するELISAによる検査を放置し、二〇〇七年秋以降、菌培養検査を事実上実施できない状況を作り出してきた政府の責任は極めて重大である。その責任について、政府はどのように受け止めているのか、明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号。以下「法」という。)第五条第一項の規定による命令により実施されるヨーネ病の検査の方法については、家畜伝染病予防法施行規則(昭和二十六年農林省令第三十五号)別表第一(以下「別表」という。)において、エライザ法による検査(以下「エライザ検査」という。)とともに、お尋ねの菌培養検査を含む細菌検査を規定している。

ヨーネ病の検査により患畜と一旦判定された家畜については、同病のまん延を防止するため、都道府県知事に対し、法第十七条第一項の規定に基づき当該家畜の所有者等にこれを殺すべき旨を命ずるよう指導しており、改めて細菌検査その他の検査を行うことは想定していない。

なお、同条の規定により家畜が殺された場合には、国は、法第五十八条第一項の規定に基づき、法第十七条の命令があった時における当該家畜の評価額の五分の四を手当金として家畜の所有者に対して支払っている。

二について

一般的に、エライザ検査を含む抗体検査の特性として、疾病にかかっていない家畜であっても陽性を示す可能性があることは、周知の事実であると承知しており、都道府県に対し、エライザ検査を用いてヨーネ病の患畜であるか否かを判定するに当たっては、複数回の検査を行うなど、正確な診断に努めるよう指導しているところである。

三について

一般的に、抗体検査の特性として、疾病にかかっていない家畜であっても陽性を示す可能性があるものと認識しているが、個別の家畜について、陽性を示した家畜が実際には疾病にかかっていなかったか否かを検証することは困難であることから、お尋ねの頭数について把握することは、困難であると考えている。

また、一についてで述べたとおり、法第十七条の規定により家畜が殺された場合には、国は、法第五十八条第一項の規定に基づき、手当金を当該家畜の所有者に対して支払っている。

四について

本年一月二十五日に農林水産省が開催したヨーネ病検査に関する技術検討会において、新たな科学的知見に基づき、エライザ検査については、ヨーネ菌以外の抗酸菌が原因となって陽性反応を示す可能性が否定できない旨の見解が示されたところであり、農林水産省としては、直ちに当該見解を都道府県等に対し周知したところである。

さらに、「ヨーネ病の検査におけるエライザ検査の非特異反応への対応について」(平成二十四年二月一日付け二三消安第五一〇五号農林水産省消費・安全局長通知)を発出し、都道府県に対し、今後、専門家、都道府県等の意見を聴いた上で、別表等を見直すことを明らかにするとともに、別表等が見直されるまでの間のヨーネ病の検査に関しては、過去三年以内に、細菌検査又は遺伝子検査の結果、陽性となった家畜がいなかった農場については、エライザ検査を用いてヨーネ病の患畜であるか否かを判定する場合には、遺伝子検査を併せ行い、その結果が陽性であったときに患畜と判定するよう指導したところである。

五について

農林水産省においては、ヨーネ病の検査が的確に実施されるよう、科学的知見に基づき必要な措置を講じてきたところであり、今後も、最新の科学的知見に基づき必要な措置を適切に講じていく考えである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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