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尖閣諸島の一部国有化に伴う各種影響等に関する質問主意書

参議院 第181回 第42号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2012年11月13日
内閣転送 2012年11月16日
答弁書受領日
2012年11月22日
提出から9日
答弁の項目数
4
質問 1,309字/答弁 1,217字

質問本文

本年九月、日本政府が尖閣諸島の一部を国有化したことを受け、中国や台湾当局は、我が国に対する報復措置を含め反発を強めており、経済や民間交流などの文化の分野にも影響が出ている。日本政府は、海上保安庁巡視船による尖閣諸島付近の領海警備強化や日本の領有権主張に関する広報体制の強化等で対抗しているが、尖閣諸島問題は、「多方面化」、「長期化」の様相を見せている。

右の点を踏まえ、以下質問する。

一 十一月上旬、ラオスで開催されたASEMの会議にて、野田総理大臣と中国の楊外相との間で尖閣諸島の領有権に関する議論の応酬があった。しかしながら、これについて外務省は、十一月八日の自民党外交部会にて、「特定の国」が「独自の主張」をしたと表現している。中国を「特定の国」とし、その領有権主張を「独自の主張」と曖昧な表現にするのは、日本政府としての公式見解か、明らかにされたい。また、この二者間の議論の応酬について、一国の首相と外相という対等でない立場の者同士が、国家主権に関わる事項について議論したことになり、あたかも日本政府の首相の格が低いかのような印象を内外に与え、実際、マレーシアなどではその旨の報道がなされていると聞く。野田総理大臣による反論は、そのタイミングや手法等において大きな課題を残したと思うが、政府の見解如何。

二 尖閣諸島の一部国有化に伴う周辺国との摩擦は、外交だけでなく、経済や文化の分野にも及んでいる。一例を挙げると、日中航空路線における乗客の予約キャンセル、日系商品に対する不買運動、日系企業への発注案件のキャンセル、日系企業との取引停止措置等があり、国際協力銀行の奥田碩総裁は「日本製品の中国での生産や販売は半減以下になっている」と述べている。このような日中間の経済摩擦について、影響が大きいと政府が判断するものを明らかにされたい。また、これらの影響を示す各種経済指標の動きについて、日本政府の評価を明らかにされたい。さらに、それらの評価に応じた具体的な対策について、日本政府の方針如何。

三 尖閣諸島の一部国有化に伴う周辺国の反発や各事業への影響は、多方面化かつ長期化の傾向を見せていると考えるが、政府の見解如何。

四 外務省は、これらの経済分野への影響、政府や地方公共団体等の各種事業への影響等について掌握できていないものが多い。全体像が見通せなければ、それに対する有効な策が打てないと考える。対策のための担当部署は各省庁にまたがっており、多方面に及ぶ情報を長期的に掌握・分析するには不向きであると思われる。ついては、北方領土問題を担当する北方対策室同様、内閣府に尖閣諸島問題の担当部署を設置し、省庁横断的かつ総合的に事態・影響を掌握・分析評価し、短期・中長期的な対策を講ずるべきと考えるが、政府の見解如何。

五 同様に、政府は、竹島について専門部署を設置し、総合的に対処するための体制強化の検討を表明しているが、その進捗状況について明らかにされたい。また、北方対策室、竹島対策室、尖閣対策室設置に加え、それらを総合的に連絡調整する総括機能を内閣府に設置すべきと考えるが、政府の見解如何。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の「特定の国」及び「独自の主張」との表現については、アジア欧州会合(ASEM)における議論の内容が非公開であることを踏まえたものである。同会合における野田佳彦内閣総理大臣の対応は適切であり、「大きな課題を残した」との御指摘は当たらないと考えている。

二について

尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配している。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない。また、政府による尖閣諸島の魚釣島、北小島及び南小島(以下「尖閣三島」という。)の取得については、我が国の土地の所有権の移転であり、他の国や地域との間で何ら問題を惹起すべきものではないと考えている。尖閣三島を取得した本年九月十一日以降、日中間で生じた御指摘のような事例は、政府としても把握しているところであるが、お尋ねの「影響が大きい」か否かの判断については、単純に比較できないものであり、一概にお答えすることは困難である。

お尋ねの「各種経済指標の動き」については、我が国経済及び中国を含む海外経済全体の動向を勘案する必要があり、尖閣諸島をめぐる事態との因果関係は必ずしも明らかではないが、例えば、同月の我が国の対中輸出は、対前年同月比で約一割四分減少したと承知している。

我が国として、尖閣諸島をめぐる事態が、経済分野を含む日中関係の大局に影響を与えることは望んでおらず、政府としては、中国側に対して、このような我が国の考え方を累次説明し、適切に対応するよう働きかけているところである。

三及び四について

二についてで述べたとおり、今般の尖閣三島の取得については、他の国や地域との間で問題を惹起すべきものではなく、官民の様々なレベルの交流事業等において、尖閣諸島に関する中国独自の主張に基づく言動により、中国側出席者が参加を取りやめるなどの影響が生じていることは遺憾であると考えている。

また、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は存在しないが、政府としては、尖閣諸島をめぐる事態については、これが日中関係の大局に影響を与えることがないよう、中国との間で、様々なレベルで様々な態様により意思疎通を維持し、又は強化しているところであり、お尋ねのような「担当部署」を内閣府に設置する考えはない。

五について

竹島問題に対応するための政府の体制強化の一環として、内閣官房に「竹島問題対策準備チーム」を設けたところであり、現在、同チームにおいて、国民世論の啓発及び国内における調査のための準備を進めている。更なる体制の強化については、今後、関係省庁間で協議を行い、検討を進めていく考えである。

領土問題は、我が国の主権に関わる極めて重要な問題であり、御指摘の体制整備の面を含め、我が国の立場を確保し、主張していく上で、より有効な方策を不断に検討していく考えである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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