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地方衛生研究所の地方独立行政法人化に関する質問主意書

参議院 第183回 第127号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2013年6月17日
内閣転送 2013年6月19日
答弁書受領日
2013年6月25日
提出から8日
答弁の項目数
7
質問 2,007字/答弁 2,109字

質問本文

地方衛生研究所は、地域保健対策の効果的な推進、公衆衛生の増進を図るための科学的、技術的中核であり、保健所と一体となって健康危機管理を担っている。現在、大阪府及び大阪市において、地方衛生研究所の統合、地方独立行政法人化が進められているが、地方衛生研究所の地方独立行政法人化については、健康危機管理等の観点から疑問の声がある。こうした観点から、以下質問する。

一 地方独立行政法人法は、地方独立行政法人の対象業務について「地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないもの」と定めているが、地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要性の有無については誰が判断するのか。また、その判断基準を具体的に示されたい。

二 平成九年十二月の行政改革会議最終報告では、独立行政法人の対象業務外となる「国が自ら主体となって直接実施しなければならない事務・事業」として、「公権力の行使に当たる事務・事業」及び「重大な危機管理に直結し、直接国の責任において実施することが必要な事務・事業」を掲げるとともに、試験研究業務のうち「直接行政活動に携わるなど特別な業務に当たるもの及び政策研究機関」を独立行政法人の対象業務から除いている。地方独立行政法人の対象業務についても、同様に解すべきと考えるがどうか。

三 国立感染症研究所が独立行政法人化されず、国立で運営されている理由は何か。国立感染症研究所の業務は、前記二に掲げた事由に該当し、国が自ら主体となって直接に実施する必要があるからではないのか。そうであれば、地方衛生研究所の業務も、同様に、地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要がある業務と解すべきではないか。

四 感染症や食中毒などの健康危機事例が発生した場合、地方公共団体は、地方衛生研究所が行った試験検査等に基づき、公衆衛生上必要な公権力を行使する。すなわち、地方衛生研究所の業務は、危機管理に直結し、かつ公権力行使の基盤として地方公共団体の公権力行使と不可分のものであることから、独立行政法人の業務にはなじまないと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 平成二十四年七月三十一日厚生労働省告示第四六四号により、「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」に地方衛生研究所の機能強化が盛り込まれ、地方衛生研究所を設置する地方公共団体は、地域における科学的かつ技術的に中核となる機関として地方衛生研究所の機能の一層の充実強化を図ることとされた。地方衛生研究所の独立行政法人化は、この趣旨に反するのではないか。

六 平成十八年度厚生労働科学研究「地方衛生研究所のあり方および機能強化に関する研究」の研究成果である「健康危機管理のための地方衛生研究所のあり方(提言)」において、地方衛生研究所の業務は、住民の重大な「健康危機管理」に関わる業務であるので、直接行政の責任において実施すべき業務であり、独立行政法人化にはなじまない旨の提言がなされているが、政府はこれをどう評価しているか。

七 地方衛生研究所は、保健所と一体となって、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という。)」の積極的疫学調査を行っており、これは法定受託事務とされている。国が本来果たすべき役割に係る事務であって、国においてその適正な処理を特に確保する必要がある法定受託事務を地方独立行政法人が行うことを妥当と考えるか。また、仮に独立行政法人が法定受託事務を行う場合、国として事務の適正な処理をどのように確保するのか。

八 現在、地方のサーベイランス事業を実質的に担っているのは地方衛生研究所であるが、地方衛生研究所が独立行政法人化された場合、公務員から民間に職員の身分が移行することにより、感染症法の積極的疫学調査に直接関与することができなくなるなど、健康危機管理対策に支障が生じる懸念はないか。また、特定地方独立行政法人(いわゆる公務員型)と地方独立行政法人(いわゆる一般型)とで、疫学調査等への関与の度合いはどのように異なるのか。

九 食品衛生法第二十九条は、都道府県及び保健所設置市等に食品衛生検査施設の設置を義務付けている。地方衛生研究所以外に食品衛生検査施設がない場合、地方衛生研究所を独立行政法人化することは同条違反になるのではないか。厚生労働省は、平成二十四年八月二十二日、大阪府及び大阪市からの疑義照会に対し、独立行政法人を食品衛生法第二十九条に規定する食品衛生検査施設と解して差し支えない旨回答しているが、その根拠は何か。また、平成十八年一月二十日付け通知で、「地方独立行政法人は、地方公共団体とは独立した法人格を有するもの」であり、地方独立行政法人は、法第二十九条において設置が義務付けられている食品衛生検査施設になることはできないとしていたこととの整合性をどう考えるのか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

地方公共団体は、地方独立行政法人を設立しようとするときは、その議会の議決を経て業務の範囲等を規定する定款を定め、総務大臣又は都道府県知事の認可を受けなければならないとされており、お尋ねの「判断」については、地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項その他関係する法令の規定に照らして、まずは、地方独立行政法人を設立しようとする地方公共団体が行い、その上で、認可の申請を受けた総務大臣又は都道府県知事が行うものである。

二について

地方独立行政法人に行わせようとする事務及び事業が、地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないものであるかどうかについては、個別具体の事例に応じて、地方独立行政法人法第二条第一項その他関係する法令の規定に照らして判断すべきものであると考えている。

三及び四について

国立感染症研究所は、感染症に係る国の重大な危機管理に直結する業務を行っているため、独立行政法人化していないものである。一方、地方衛生研究所は、地域保健対策における科学的かつ技術的な中核となる機関として、調査研究や試験検査などの業務を通じ、公衆衛生の向上に重要な役割を果たしているが、個々の地方衛生研究所の業務が地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないものであるかどうかについては、個別具体の事例に応じて、地方独立行政法人法第二条第一項その他関係する法令の規定に照らして判断すべきものであると考えており、一概にお答えすることは困難である。

五について

地方衛生研究所の地方独立行政法人化については、まずは、地方独立行政法人を設立しようとする地方公共団体が判断するものであるが、厚生労働省としては、仮に、地方公共団体が地方衛生研究所を地方独立行政法人化するに当たっては、現在、当該地方衛生研究所が担っている機能が十分に維持されるよう配慮すべきものであると考えている。

六について

御指摘の提言については、平成十九年三月に研究者が取りまとめたものであり、地方衛生研究所の業務の重要性に係る研究成果として認識している。

七及び八について

厚生労働省としては、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第十五条の規定による感染症の発生の状況、動向及び原因の調査(以下「積極的疫学調査」という。)に係る事務のうち、検体の検査等の業務については、必ずしもその全てを積極的疫学調査に係る事務の実施主体である都道府県等の職員が行わなければならないものではないと考えているが、仮に、都道府県が地方独立行政法人に対して積極的疫学調査に係る事務のうち、検体の検査等の業務を委託するに当たっては、当該地方独立行政法人において、現在、地方衛生研究所が担っている機能が十分に維持されること等が必要と考えており、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の施行に伴う感染症発生動向調査事業の実施について」(平成十一年三月十九日付け健医発第四百五十八号厚生省保健医療局長通知)を見直すこと等により、積極的疫学調査に係る事務の適正な実施を確保し、健康危機管理の観点からも支障が生ずることのないよう取り組んでまいりたい。また、お尋ねの「関与の度合い」の意味するところが必ずしも明らかではないが、都道府県から委託を受けた地方独立行政法人が実施する業務の詳細については、当該委託に係る契約の内容によるものと考えており、一概にお答えすることは困難である。

九について

食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第二十九条は、都道府県等の必要とする検査又は試験が確実に行われるよう、都道府県等に対して必要な検査施設を設けなければならない旨を規定したものであるが、地方独立行政法人は、地方独立行政法人法の規定により、公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要な事務及び事業を行う法人として地方公共団体が設立するものであり、その業務については、設立団体の定めた定款や設立団体の認可を受けた業務方法書等に基づいて確実に実施されることを踏まえれば、都道府県等が設立した地方独立行政法人の検査施設は、同条の規定により当該都道府県等が設けなければならないとされた検査施設(以下「食品衛生検査施設」という。)に当たると解される。

御指摘の「通知」については、「試験研究を業務とする法人」についての照会に対する回答であり、照会の対象となった地方独立行政法人が、食品衛生検査施設としての業務を行うものであるかどうかが必ずしも明らかでなかったため、当該地方独立行政法人の検査施設は、食品衛生検査施設には当たらない旨を回答したものであるが、御指摘の「回答」については、照会の対象となった地方独立行政法人が、食品衛生検査施設としての業務を行うものであることが明らかであったため、当該地方独立行政法人の定款に食品衛生検査施設としての機能・役割を果たす旨を明記することにより、当該地方独立行政法人の検査施設は、食品衛生検査施設に当たると解して差し支えない旨を回答したものである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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