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普天間飛行場代替施設建設に対する抗議行動への政府の対応に関する質問主意書
参議院 第186回 第37号お答えすることは困難 ×1仮定の質問 ×2個別の事案 ×2
質問本文
政府が強行しようとしている米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設については、沖縄県民を対象とした各種世論調査の結果や、本年一月の名護市長選挙において、移設に反対する稲嶺進氏が再選されたことなどからも、沖縄の民意は反対であるということは明らかである。こうした沖縄の民意に逆らう移設工事に対して県民が抗議行動を行うことは理解できるものと考える。
しかし、こうした抗議行動に対して、政府が、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法」(以下「刑特法」という。)等の適用を検討しているとの報道がある。
よって、以下質問する。
一 名護市辺野古周辺水域を含む普天間飛行場代替施設建設予定地において、同施設建設強行に抗議行動を行う人々に対して、刑特法の規定(第二条(施設又は区域を侵す罪)、第五条(軍用物を損壊する等の罪)等)を適用して取り締まることを考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。
二 これまでに在日米軍基地等に抗議行動を行う人々に対して、刑特法に基づき取締り等を行った事例がある場合には、明らかにされたい。
三 平成十六年から平成十七年にかけてキャンプ・シュワブ辺野古沖で那覇防衛施設局(当時)によるボーリング地質調査が行われた際に、抗議行動を行う人々が同水域において同調査受託者の作業員と接触するという事案があったが、この際、政府はどのような法的措置を採ったのか。まず、接触のあった水域が「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」第二条第一項の施設又は区域(以下「施設・区域」という。)であって許可なく立ち入ることを禁じた場所であったのか明らかにした上で、刑特法を適用したのか否か、さらに、適用した理由若しくは適用しなかった理由を明らかにされたい。
また、刑特法以外の法律により取り締まったのか否かについても、併せて明らかにされたい。
四 報道等によると、政府は、代替施設建設への抗議行動に対して、刑特法第二条に違反した行為を海上犯罪として認定し、海上保安庁法第十八条第一項により船舶の進行の開始・停止、出発の差止め、航路の変更、船舶の移動の措置等(以下「船舶の停止措置等」という。)を講ずることなどを検討しているとされる。抗議行動において施設・区域への侵入があった際に、刑特法第二条による侵入行為となり海上犯罪に当たるとして船舶の停止措置等を講ずること、又は、取り締まることを考えているのか、その検討状況も含めて、政府の見解を明らかにされたい。
五 これまでに在日米軍等に対する抗議行動に対して、海上保安庁が海上犯罪として取り締まった事例があるのか明らかにされたい。また、その際にどのような行為を海上犯罪と考えたのかについても明らかにされたい。
六 海上保安庁法第十八条第二項において、海上保安官は、船舶の外観、航海の態様、乗組員等の異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して、海上における犯罪が行われることが明らかであると認められる場合その他海上における公共の秩序が著しく乱されるおそれがあると認められる場合であって、他に適当な手段がないと認められるときは、同条第一項の船舶の停止措置等を講ずることができるとされている。報道によると政府は、抗議行動について、海上犯罪が行われることが明らかな場合に、同条第二項の規定を発動し、船舶の停止措置等を行うことを検討しているとされている。何ら犯罪行為を行っていないにもかかわらず、海上保安官の判断により、「海上における犯罪が行われることが明らかである」と認められ、このような措置が採られる可能性があるのか、政府の見解を明らかにされたい。
七 海上保安庁は、これまで日本国内における在日米軍等に対する抗議行動に対して、海上保安庁法第十八条第二項の規定による措置を講じた例があるのか明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、捜査機関においては、個別具体的な事情に応じて、法と証拠に基づき適切に対処していくものと認識している。
二及び五について
御指摘の「在日米軍基地等」及び「在日米軍等」が具体的に何を指すのか明らかでないが、アメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)又は我が国に駐留する米軍が使用する施設若しくは区域に対する抗議行動を行った者を日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法(昭和二十七年法律第百三十八号。以下「刑事特別法」という。)違反により検挙した事例としては、昭和五十八年三月二十一日、米軍の原子力空母エンタープライズの長崎県佐世保港への寄港の際、米軍が使用する区域であって入ることが禁じられている場所に侵入した者六名を海上保安庁が刑事特別法第二条違反等により検挙した事例や、平成二十五年九月二十五日、米軍が使用する施設又は区域であって入ることが禁じられている普天間飛行場に侵入した者一名を米軍が身柄拘束し、同日、沖縄県警察が同人の引渡しを受けて同条違反により検挙した事例等がある。
三について
御指摘の「抗議行動を行う人々が同水域において同調査受託者の作業員と接触するという事案」が具体的に何を指すのか明らかでなく、お尋ねの「接触のあった水域」についてお答えすることは困難であるが、御指摘の「ボーリング地質調査」を実施するための足場を設置した地点は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二条の規定によりアメリカ合衆国が使用を許されている区域内であり、かつ、アメリカ合衆国が使用を許されている施設及び区域について新規提供及び共同使用等が決定された件(昭和四十七年防衛施設庁告示第十二号)において「本区域は、船舶の停泊、係留、投錨及び潜水並びにその他のすべての継続的行為を禁止する。ただし、本区域の使用を妨げない限り漁業に制限はない。」とされた第三区域内である。
また、御指摘の「ボーリング地質調査」の際の抗議行動に関し、海上保安庁においては、海上の安全及び治安を確保するための業務を適切に行っていたが、刑事特別法その他の法令に違反したことにより検挙した事実はない。
四及び六について
お尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、海上保安庁においては、個別具体的な事情に応じて、適切に対処していくこととしている。
七について
御指摘の「在日米軍等」が具体的に何を指すのか明らかでないが、米軍又は我が国に駐留する米軍が使用する施設若しくは区域に対する抗議行動に関し、海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)第十八条第二項の規定に基づき、同条第一項第一号又は第二号に掲げる措置を講じた事例はない。
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