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「慰安婦」問題に関する質問主意書

参議院 第186回 第97号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

提出者
参議院
提出日
2014年5月12日
内閣転送 2014年5月14日
答弁書受領日
2014年5月20日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 1,290字/答弁 1,699字

質問本文

一 稲田朋美内閣府特命担当大臣が昨年五月二十四日の記者会見において、「戦時中は慰安婦制度ということ自体が悲しいことであるけれども、合法であったということもまた事実である」と述べている。この発言について、政府の見解を明らかにされたい。

二 前記一に関して、慰安婦制度が合法であったとするならば、同制度はどのような法規によって合法性が担保されていたのか示されたい。また、戦前において、慰安婦制度を合法と評価した政府見解があったのか、明らかにされたい。

三 戦前のいわゆる「公娼制」の柱となっていた娼妓取締規則(明治三十三年十月内務省令第四十四号)は、娼妓となるための手続や規則を定めている。同規則では、十八歳未満の者は娼妓となることができず、娼妓稼業をなすためには、戸籍謄本、家族の承諾書などを持参の上、自ら警察に出頭し、自由意思で娼妓になる意思があることを申告しなければならなかった。また、府県令の規定で指定された地域外には居住できず、官庁の許可した貸座敷でなければ娼妓稼業は行えず、警察に備えられた娼妓名簿に登録しなければ娼妓稼業に就くことができなかった。さらに、いつでも廃業する自由があることなどが定められていたが、慰安婦にはこれらの規定が適用されていたのか。同規則の違反者には罰則も定められていたが、慰安婦に関して同規則への違反で処罰された者はどのくらい報告されているのか。

四 前記三の娼妓取締規則に従って軍の慰安所が運営されていたとすると、内務省の下で警察が、軍「慰安婦」の名簿も娼妓名簿として管理していたことになる。政府は、そのような名簿を入手し、調査しているのか。

五 駐屯地内の軍の慰安所には警察の管理が及んでいたのか。警察の管理が及ばない場合、これを管理する軍の法規が制定されていたのか。

六 慰安婦制度は、一九九〇年以前に、戦前・戦後を通じて、公表されたことがあるのか。

七 陸海軍が設置した「慰安所」の適法性に関する公文書の存否を調査したのか。その結果、適法性が裏付けられたのであれば、その根拠を示されたい。

八 戦前、中国・上海の旧日本軍海軍慰安所で「従軍慰安婦」として働かせるため、日本人女性十五人をだまし、長崎から移送した慰安所の日本人経営者らを当時の刑法の国外移送誘拐罪に当たるとして、有罪とした長崎地裁判決文(國外移送誘拐被告事件に関する長崎地方裁判所刑事部昭和十一年二月十四日判決)と同控訴審判決文(控訴審長崎控訴院第一刑事部昭和十一年九月二十八日判決)が現存することが二〇〇四年六月十五日に新聞で報じられているが、政府はこの判決文を入手し、調査したのか。

慰安婦問題の真相究明のために重要な戦前の公文書であるので、同上告審の大審院判決(昭和十二年三月五日第四刑事部)も含めて内容を示されたい。

九 前記八の三件の判決は、刑法第二百二十六条違反を認定しているとされるが、当時の刑法第二百二十六条第一項、第二項の構成要件はどのようなものか。また、現在の所在国外移送目的略取及び誘拐罪の構成要件はどのようなものか。前者と質的に異なるのか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

稲田国務大臣より、平成二十五年五月二十四日の記者会見において、お尋ねのような発言があったことは承知しているが、政治家個人としてのものであり、政府としてお答えする立場にはない。

二から五まで及び七について

慰安婦問題については、政府としては、これまで、関係省庁において誠実に調査を行い、平成四年七月六日と平成五年八月四日の二度にわたり、その調査結果(以下「調査結果」という。)を発表している。調査結果は、政府として全力を挙げて誠実に調査した結果を全体的に取りまとめたものであり、調査結果において、慰安婦や慰安所の実態が明らかになったが、これらの法規上の位置付けや御指摘の「娼妓取締規則」におけるこれらの取扱いについては明らかになっておらず、これらに対して御指摘の「娼妓取締規則」等が適用されていたことを前提とするお尋ねについてお答えすることは困難である。

六について

御指摘の「慰安婦制度」の「公表」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

八について

慰安婦問題の調査については、二から五まで及び七についてで述べたとおりであるが、調査結果において、御指摘の「國外移送誘拐被告事件に関する長崎地方裁判所刑事部昭和十一年二月十四日判決」に係る判決書、「控訴審長崎控訴院第一刑事部昭和十一年九月二十八日判決」に係る判決書及び「同上告審の大審院判決(昭和十二年三月五日第四刑事部)」に係る判決書を入手したことは確認できない。

また、長崎地方検察庁において現在保存されているこれらの判決に係る判決書の内容を確認したところ、それぞれの要旨は、被告人ら十名が、雇入れに係る婦女をして中華民国上海駐屯の帝国海軍軍人を顧客として醜業に従事させる営業のための婦女雇入れに際して専ら醜業に従事するものであることの情を秘し単に女給又は女中と欺罔して勧説誘惑して上海に移送することを共謀し、昭和七年、長崎市内等において、十五名の婦女に対し、行き先は食堂であるなどと虚言を構えて誘惑するなどし、長崎港出帆の船に乗船させて誘拐し、上海に上陸させて、もって被拐取者を帝国外に移送したことを理由に、被告人三名を各懲役三年六月に、被告人二名を各懲役二年六月に、被告人二名を各懲役二年に、被告人三名を各懲役一年六月に処するとともに、懲役一年六月に処する被告人三名に対しては、三年間その刑の執行を猶予するというもの、長崎地方裁判所が懲役三年六月に処した被告人三名を各懲役二年六月に、同裁判所が懲役二年六月に処した被告人二名及び懲役二年に処した被告人二名を各懲役二年に処し、同裁判所が懲役一年六月に処するとともに三年間その刑の執行を猶予した被告人一名を懲役一年六月に処するとともに三年間その刑の執行を猶予するというもの及び上告はいずれも棄却するというものであった。

九について

明治四十年に制定された刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百二十六条第一項は、昭和二十二年に改正されるまで、「帝国外ニ移送スル目的ヲ以テ人ヲ略取又ハ誘拐シタル者ハ二年以上ノ有期懲役ニ処ス」と規定し、同条第二項は、同年に改正されるまで、「帝国外ニ移送スル目的ヲ以テ人ヲ売買シ又ハ被拐取者若クハ被売者ヲ帝国外ニ移送シタル者亦同シ」と規定していた。

所在国外移送目的略取及び誘拐罪については、刑法等の一部を改正する法律(平成十七年法律第六十六号)による刑法の改正後、同法第二百二十六条が、「所在国外に移送する目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、二年以上の有期懲役に処する。」と規定している。

お尋ねの「質的に異なる」の趣旨が必ずしも明らかではないが、所在国外移送目的略取及び誘拐罪については、日本国内から日本国外に移送する目的に限らず、人が所在する国からその国外に移送する目的で、その人を略取し、又は誘拐した者を罰する旨を規定している点で、大日本帝国憲法下の日本国内から日本国外に移送する目的で、人を略取し、又は誘拐した者を罰する旨を規定していた前記の刑法第二百二十六条第一項の罪とは構成要件が異なる。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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