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養護老人ホーム及び特別養護老人ホームに関する質問主意書
参議院 第189回 第64号お答えすることは困難 ×1承知していない ×1
質問本文
養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの経営が厳しい状況にあることを踏まえ、その財政等について、以下質問する。
一 平成十七年度に養護老人ホームの施設運営の措置費が国庫負担金から一般財源化されたことで、本来であれば養護措置が適当であると思われる人を介護保険扱いとするなど、措置権者である市町村の財政負担を減らすことが行われていると聞く。政府は、このような「措置控え」や介護への「付け替え」が生じていることを認識しているか。そのようなことがないように、国として市町村の財政負担を支援する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。また、地方交付税では他の使途との関係で措置費への充当が不十分になるので、措置費への充当が確実な国庫負担金の形に戻すことも一案と考えるが、政府の見解を問う。
二 前記一に関連して、一般財源化に伴い、養護老人ホームの老人保護措置費支弁基準(以下「措置費支弁基準」という。)の改定は市町村に任されたため、その後改定は必ずしも十分には行われていないと聞く。例えば、平成二十六年四月に消費税率が引き上げられた際には、「適切な改定をお願いする」旨の厚生労働省老健局高齢者支援課の事務連絡が地方自治体宛に送られただけである。一般財源化後、市町村において措置費支弁基準の改定はどのくらい行われているか、政府の承知するところを示されたい。また、国は消費税率引上げに対応して、措置費支弁基準を改定できるように市町村に何らかの目安等を示すべきであり、さらに必要な支援を行うべきと考えるが、政府の見解を問う。
三 地方自治体では、給与体系が一般職、技能労務職と階級的に分けられている。養護老人ホームの施設職員のうち支援員職は技能労務職とされており、給与基準の位置付けが低い。しかし、介護福祉士は国家資格であり他の職種と同じく高度な知識が必要なため、格差を設けることはおかしいと考える。格差をなくし、支援員職の給与基準を引き上げるべきではないか、政府の見解を問う。
四 養護老人ホームは、多様な方々が入所しており、支援対応には時間を要するにもかかわらず、現状では職員のうち支援員の配置基準は十五対一とされている(養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(厚生労働省令))。十分な支援対応ができるように、支援員の配置基準を手厚くする方向で改定すべきではないか、政府の見解を問う。
五 社会福祉法人は措置費などの収入と寄付金で運営されており、施設整備を行うにしても補助金メニューや補助金額の減少により財源確保が困難となっている。繰越金額が措置費の年間総額の三割と制約されており、施設整備資金の確保は厳しい。今後、施設の老朽化が進んでも、改築などには今以上に厳しい環境が考えられる。老朽化に伴う改築などのための施設整備資金が確保できるように、繰越金額の割合の上限を変更すべきではないか、政府の見解を問う。
六 特別養護老人ホームの入所者の入院について、三か月以内に退院することが見込まれる時は退院後円滑に再入所できるようにしなければならないと特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)で規定されている。当該ベッドをショートステイ等で利用することは可能だが、特別養護老人ホームの側からすると基本的にベッドを空けておくことになり減収となる。当該入所者の権利を保護しつつも、ベッドの有効活用を進めるためより柔軟な対応を考えることはできないのか、政府の見解を問う。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「「措置控え」や介護への「付け替え」」の意味するところが必ずしも明らかでないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。また、地方交付税の算定においては、養護老人ホームの措置費が老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)に基づく義務的経費であることに鑑み、各市町村における実際の被措置者数を反映させており、各市町村の財政需要に的確に対応しているところである。したがって、御指摘のように「市町村の財政負担を支援する」ことや「措置費への充当が確実な国庫負担金の形に戻すこと」は考えていない。
二について
お尋ねの「一般財源化後、市町村において措置費支弁基準の改定はどのくらい行われているか」については、把握していない。また、老人福祉法に基づく養護老人ホームに係る入所措置に関する事務については地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第八項に規定する自治事務であり、御指摘の措置費支弁基準については社会経済情勢、地域の実情等を勘案して市町村により改定されるものであることから、当該基準の改定について「市町村に何らかの目安等を示す」ことや「さらに必要な支援を行う」ことは考えていない。
三について
地方公共団体が設置する養護老人ホームの支援員の給与の取扱いについては、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)その他の関係法令の規定の趣旨に沿って、各地方公共団体において適切に決定されるべきものと考えている。
四について
御指摘の配置基準については、養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(昭和四十一年厚生省令第十九号)第一条及び第十二条の規定において、老人福祉法第十七条第一項に基づき都道府県等が条例で養護老人ホームに関する基準を定めるに当たって従うべき基準として定められているものである。各養護老人ホームにおける支援体制については、当該条例で定める基準を超える人員の配置、入所者の介護保険の居宅サービスの利用、養護老人ホームの特定施設入居者生活介護の事業所指定等により、入所者のニーズに対応して適切に確保されるべきものと考えている。
五について
社会福祉施設における措置費は、老人福祉法等に基づく措置又は措置の委託に伴う人件費や入所者の処遇に要する費用等の運営費であるが、適正な施設運営が確保されていることを前提に、施設整備等のための積立金に積み立てるほか、当該施設を運営する法人の本部運営費や当該法人が実施する他の社会福祉事業の運営費等に充当するものとして、当該年度の運営費収入の三十パーセント以下を当期末支払資金残高として繰り越すことを可能としている。したがって、御指摘の「老朽化に伴う改築などのための施設整備資金」については、施設整備費等のための積立金から充当すべきであり、当期末支払資金残高から充当するものではない。また、措置費は施設運営に充てることが必要であり、過大な繰越しを防止する観点から、その制限を変更する考えはない。なお、定員二十九名以下の養護老人ホームの整備については、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金により施設整備に対する補助を行っている。
六について
特別養護老人ホームの入所者が入院した場合において、御指摘のとおり、当該入所者の居室において短期入所生活介護の提供ができるほか、当該入所者の入院期間中に居室を確保する場合は、介護報酬において、一月に六日を限度として一日につき二百四十六単位を算定することができるとともに、当該入所者に対し、一定の費用を求めて差し支えないものとしている。
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