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トランス脂肪酸の規制等に関する質問主意書
参議院 第192回 第47号検討してまいりたい ×2
質問本文
農林水産省のホームページにあるように、植物油等に水素を付加して部分水素添加油脂を製造する工程で副生する工業トランス脂肪酸は、血中の総コレステロール値/高密度リポ蛋白コレステロール値の比を上げ、血管疾患を増やすとの根拠で、WHOはトランス脂肪酸の平均摂取量を一日当たりの総エネルギー摂取量の一%未満にするよう勧告している。また、米国食品医薬品局(FDA)は、二〇一八年から部分水素添加油脂を一般に安全と認められるものを示すGRASの対象から除外し、食品への使用を規制することとした。
一方、反芻動物の胃の中でもトランス脂肪酸は生成される。これに伴い反芻動物の肉や乳とその加工食品などにもトランス脂肪酸は含まれるが、これらは米国でも規制の対象とはなっていない。さらに、反芻動物のトランス脂肪酸は糖尿病に防御的に働くなどの有益性もカナダ・マックマスター大学より報告されている。そもそも、工業トランス脂肪酸と反芻動物のトランス脂肪酸は、不飽和結合の位置等に若干の違いはあるが本質的な違いはないと日本食品分析センターの発表にもある。
こうした中、日本食品油脂安全性協議会では、部分水素添加油脂の有害性は工業トランス脂肪酸ではなく、部分水素添加の工程で副生したジヒドロ型ビタミンK1がビタミンK2に変換されず正常なビタミンK作用を阻害していることにあるとし、脳卒中易発症性ラットを用いた試験では、水素を添加した大豆油は、水素を含まない大豆油に比べてラットの寿命を著しく短縮させたと報告している。併せて、日本人の摂取量は安全量を超えている可能性を指摘している。
子どもたちが多く口にする、パン、ケーキ、ドーナッツ、フライドポテト、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸については、新しい科学的知見に基づいた調査を充分かつ精緻に行い、対策を講じる必要があると考え、以下質問する。
一 食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価については、平成十五年から十九年の国民健康・栄養調査結果等に基づいているが、食生活は年々変化しており、当時の同調査も古くて稚拙なため新しい科学的知見に基づく内容の調査に基づいて、新たに食品健康影響評価を実施する必要があると考えるが、政府の見解如何。
二 部分水素添加油脂をGRASの対象から除外し、食品への使用を規制することとしている米国に倣って、日本も部分水素添加油脂を食品添加物に指定し、使用基準を設けるなどの規制をすべきだと考えるが、政府の見解如何。
三 食品にはトランス脂肪酸含有量が度を超えて高いものもある。前記二で指摘した規制ができないのであれば、トランス脂肪酸を一定量以上含む食品にその含有量を表示させる等の情報開示を食品事業者に求めないと消費者が自らトランス脂肪酸の摂取量を制限することができないが、政府の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「古くて稚拙」の意味するところが必ずしも明らかでないが、食品によるトランス脂肪酸の摂取については、平成二十四年三月に食品安全委員会が取りまとめた食品健康影響評価において、「日本人の大多数がWHOの勧告(目標)基準であるエネルギー比一%未満であり、また、健康への影響を評価できるレベルを下回っていることから、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる」と評価されている。
政府としては、厚生労働省が行っている国民健康・栄養調査及び農林水産省が行っている有害化学物質含有実態調査の結果、今後の新たな科学的知見等を踏まえて、トランス脂肪酸に係る新たな食品健康影響評価の実施の必要性について検討してまいりたい。
二について
御指摘の「部分水素添加油脂」については、トランス脂肪酸が多く含まれていることから、米国において御指摘の「GRAS」の対象から除外されるものと承知している。「部分水素添加油脂」は、マーガリン等の主たる原料に使用されるなど、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)上、一般的には、食品(同法第四条第一項に規定する食品をいう。以下同じ。)として取り扱われるため添加物(同条第二項に規定する添加物をいう。以下同じ。)には該当しないことから、添加物としてその製造販売や使用等について規制を行うことはできないものと考えている。
また、一についてで述べたとおり、日本人の通常の食生活ではトランス脂肪酸による健康への影響は小さいと考えられることから、トランス脂肪酸が多く含まれていることをもって食品たる「部分水素添加油脂」の製造販売等について、同法上、新たな規制を行うことは、現在のところ考えていない。今後、トランス脂肪酸に係る新たな食品健康影響評価の結果が取りまとめられた場合には、当該結果を踏まえて、当該規制の必要性について検討してまいりたい。
三について
御指摘の「情報開示」の意味するところが必ずしも明らかでないが、食品表示法(平成二十五年法律第七十号)第四条第一項の規定により定められた食品表示基準(平成二十七年内閣府令第十号)においては、消費者の摂取状況等を踏まえた消費者への表示の必要性があること、事業者にとって表示が実行可能であること及び国際基準と整合していることの三点を全て満たす栄養成分の量及び熱量の表示を、内閣総理大臣が同法第四条第二項(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定に基づき消費者委員会の意見を聴いた上で、同基準第三条第一項に規定する食品関連事業者が容器包装に入れられた加工食品(業務用加工食品を除く。)を販売する際(設備を設けて飲食させる場合を除く。)に表示されなければならない事項(以下「義務表示事項」という。)として定めている。トランス脂肪酸の量の表示については、現時点において当該三点いずれも満たしているとは言えないことから、義務表示事項とはしないこととしている。
なお、消費者庁は平成二十三年に、トランス脂肪酸に関して食品事業者が情報開示を行う際の指針を定め、「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」として公表し、自主的に開示する取組を進めるよう要請している。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。