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鉄道輸送の遅延に関する情報の「見える化」の推進に関する質問主意書

参議院 第193回 第69号

提出者
参議院
提出日
2017年3月31日
内閣転送 2017年4月5日
答弁書受領日
2017年4月11日
提出から11日
答弁の項目数
2
質問 1,305字/答弁 495字

質問本文

昨年四月、交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会の下に設置された「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」が開催され「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(答申)」が取りまとめられた。本答申においては「混雑による乗降時間の増大やラッシュ時間帯における高頻度の列車運行等に伴い短時間の遅延が慢性的に発生している。(中略)また、遅延発生時等における情報提供のあり方についても改善の必要性が指摘されている。長年の遅延対策の取組により高水準な安定輸送を実現している鉄道事業者も存在するが、鉄道事業者によって、その取組や成果には、ばらつきが存在している。」と指摘されている。

東京圏の鉄道の遅延発生状況とその原因等を把握するため、特に遅延の発生が多い十九路線を国土交通省が調査した結果、調査期間(平日二十日間)のうち平均十三日で三分以上の遅延が発生しており、このうち三分から十分未満の遅延が八十六パーセントを占めていた。日常的に短時間で発生する遅延は、都心部駅周辺の高度集積化や沿線の宅地開発に伴い、鉄道の適正輸送能力や駅の容量を超えて、過度に利用者が集中することによる構造的な問題である。

このように遅延が頻発しており、定時性を求める声は大きくなっていると見る。また、スマートフォン等情報端末による乗換案内の普及により、分刻みのスケジュールで行動できることへの期待が大きくなっていることから、遅延によりスケジュール通りに行動できない場合の不満は大きい。安全運行が最優先であるという大前提を徹底しつつ、信頼性の向上を図るためにも、利用者からの信頼が厚くいつでも安心して利用できる「信頼と安心の都市鉄道」の実現を目指して対策を進めるべきである。

このような認識の下、以下のとおり質問する。

一 遅延状況の適切な把握と公表について

政府は、遅延対策を進めるため、その基盤として遅延に関する適切な指標を設定し、遅延の現状と改善の状況を定量的かつ継続的に把握し、これを分かりやすく「見える化」することで、鉄道事業者に更なる改善の取組を促すとともに、利用者や沿線自治体等に理解と協力を求め、利用者との協働や沿線自治体等の取組につなげるべきではないか。今後は、的確でより深度化した分析が可能となるよう、運行実績データを共通のフォーマットで電子的に記録することを検討するよう、鉄道事業者に求めていくべきではないか。政府としての見解を示されたい。

二 鉄道事業者による効果的な対策の実施について

政府は、鉄道事業者が遅延対策の計画を自主的に作成し、公表するよう、働きかけるべきではないか。特に、鉄道事業者間で遅延対策に関する取組の程度に差異が生じていることから、政府は、鉄道事業者間で、遅延対策に関する取組の経験やノウハウが共有され、自社に適合した取組を考案することができるような鉄道事業者の取組を促していくべきではないか。

その際、ICカード乗車券利用実績データを始めとするビッグデータなどを活用して深度化を図ることも有効であると考えられるのではないか。

以上について、政府としての見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

平成二十八年四月の交通政策審議会答申「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」(以下「答申」という。)において、列車遅延の「見える化」を行うべき旨の提言がされているところであるが、答申を踏まえて、国土交通省において、遅延証明書が発行された日数等により列車遅延の現状等を把握しているほか、鉄道事業者の自主的な取組を促すとともに、鉄道利用者及び関係する地方公共団体の理解と協力を得るため、列車遅延の現状と改善の状況を公表しているところである。

また、御指摘の「運行実績データを共通のフォーマットで電子的に記録することを検討するよう、鉄道事業者に求めていく」ことについては、今後、検討していく考えである。

二について

列車遅延対策については、基本的には、鉄道事業者自らが取り組むべきものであることから、政府としては、鉄道事業者による列車遅延対策の取組事例及び今後の計画を収集し、各鉄道事業者と共有することによって、鉄道事業者による自主的な取組を促してまいりたい。

なお、御指摘の「ビッグデータ」については、列車遅延対策の実施に当たり、その活用を図ることが有効であると考えられる。

参議院の原文

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