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近時の投票環境をめぐる諸課題に関する質問主意書

参議院 第197回 第68号検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
2018年12月10日
内閣転送 2018年12月10日
答弁書受領日
2018年12月18日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 1,153字/答弁 1,599字

質問本文

投票率が低下傾向にある中、有権者が投票しやすい環境を一層整備し、投票率の向上を図っていくことは、引き続き重要な課題である。以下、有権者に有効な投票機会を提供できているかという点に関し、具体的に質問する。

一 昨年の衆議院議員総選挙で全国に設置された投票所は、二〇一四年の衆議院議員総選挙の際に比べ八百七十六カ所減り、四万七千七百四十一カ所に減少した。衆議院議員総選挙における投票所数は二〇〇〇年をピークに毎回減少が続いている。

選挙の実施にかかる費用の抑制や投票立会人の確保が難しいことから、投票所の減少は今後も続くと予測するが、投票所の減少が続く状況に対する政府の認識を示されたい。

二 二〇一六年六月に施行された改正公職選挙法により、投票日に駅や商業施設など利便性の高い場所で投票できる「共通投票所」を自治体が設置できるようになった。しかしながら、同年七月に実施された参議院議員通常選挙で共通投票所を設置した自治体は、北海道函館市、青森県平川市、長野県高森町、熊本県南阿蘇村の四市町村にとどまった。一人が二票を投じる「二重投票」を防ぐシステムの構築が負担になり、導入を思いとどまる自治体が多かったとのことであるが、共通投票所の普及が進まない状況に対する政府の認識を示されたい。

三 少子高齢化や引き続く都心への人口集中を前提とすると、前記一や前記二の状況を根本的に改善するためにも、インターネット投票の導入を今まで以上に積極的に検討すべきと考えるが、政府の認識を伺う。

四 投票所の閉鎖時刻を繰り上げる投票所が続出している。閉鎖時刻を繰り上げた投票所は、二〇一六年の参議院議員通常選挙においては三十四%、昨年の衆議院議員総選挙においては三十五%にもなる。

公職選挙法で「投票所は、午前七時に開き、午後八時に閉じる」と定められているが、「特別な事情」がある場合は市区町村選挙管理委員会の判断で変更できる。これを問題視した総務省は「(繰り上げは)特別の事情のある場合に限られている」と念押しする通知を出したが、ほぼ効果はなかった。投票所の閉鎖時刻の安易な繰り上げは、有権者の政治参加の機会を奪うため望ましくないと考えるが、政府はどのように対応する方針か。

五 二〇〇三年に導入された期日前投票の利用者は徐々に増え、昨年の衆議院議員総選挙ではついに二千万人台になっている。

ただ、期日前投票の利用には、宣誓書の提出を必要とする。投票日当日に投票所へ行けない理由を記載するものであるが、この理由の提示は不要ではないか。投票することは国民主権の実践という意味で望ましいことであり、投票日以外に投票する理由を詮索する必要はない。その上、行政手続の簡易化という要請にも添うと考えるが、政府の見解を伺う。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

投票所については、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第三十九条の規定により、市町村の選挙管理委員会が地域の実情を踏まえ設置するものであるところ、過疎化による選挙人数の減少や市町村合併等を契機とした投票区の見直し等により投票所数は減少してきているものと承知している。

総務省としては、投票の権利は民主主義の基礎であり、選挙人の投票の機会を広く確保することが極めて重要であると考えており、国政選挙や統一地方選挙の都度、投票所の設置について積極的な対応を行うよう市町村の選挙管理委員会に助言してきているところである。

二について

共通投票所については、平成二十八年に執行された参議院議員通常選挙において四団体七箇所に、また、平成二十九年に執行された衆議院議員総選挙においても四団体七箇所に設置されたところである。

共通投票所の設置に当たっては、二重投票を防止する観点から、全ての投票所及び共通投票所の間で投票済み情報を共有するオンラインシステムの整備が必要となり、その費用負担等の課題があると承知している。

総務省としては、選挙の公正を確保しつつ有権者が投票しやすい環境を整備するためICTの活用等を検討することを目的に開催した「投票環境の向上方策等に関する研究会」において、本年八月に、オンラインシステムの整備に当たっては無線の専用回線を活用することにより、セキュリティを確保しつつより安価な対応が可能であるとの報告がなされたことも踏まえ、今後、市町村の選挙管理委員会に対して、共通投票所について積極的に検討するよう助言してまいりたい。

三について

お尋ねの「インターネット投票の導入」については、二についてで述べた「投票環境の向上方策等に関する研究会」の報告書において、在外選挙におけるインターネット投票に関しては、一定の対応方策を講ずることにより、実現に向けた技術面・運用面の大きな課題は解決できること等が示された。

一方で、国内におけるインターネット投票に関しては、投票立会人不在の投票を特段の要件なしに広く認めることについて選挙の公正確保等との関係から議論が必要であるほか、大規模なシステムを構築することに伴う安定稼働対策や大規模なシステムの構築及び維持に要するコスト等の論点も克服することが必要であることが示されている。

そのため、政府としては、まずは、在外選挙におけるインターネット投票の実現に向けて着実に検討を進めてまいりたい。

四について

投票所閉鎖時刻の繰上げについては、公職選挙法第四十条第一項ただし書の規定により、選挙人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情がある場合に限り、市町村の選挙管理委員会が行うことができることとされており、総務省においては、これまでも当該規定の趣旨を踏まえ、十分な検討を行い適切に対応するよう、市町村の選挙管理委員会に助言してきているところである。

今後とも様々な機会を活用し、市町村の選挙管理委員会に十分な助言を行ってまいりたい。

五について

現行の選挙制度においては、選挙期日の公示又は告示の日に立候補の届出を認め、候補者が選挙運動を行って選挙人に投票を行うに当たっての情報を提供し、最後に選挙人が投票を行うこととされており、投票日当日に投票を行うことが原則とされている。この原則に対する例外として、投票日当日に公職選挙法第四十八条の二第一項各号に掲げる事由に該当すると見込まれる選挙人に対して期日前投票が認められているものである。

このような制度の下で、同項各号に掲げる事由について市町村の選挙管理委員会が確認を行わないこととすることは適当ではなく、同項各号に掲げる事由のうち投票日当日に該当すると見込まれる事由の申立て及び宣誓書の提出という選挙人にとって簡便な方式により当該確認を行うことは、合理性を有するものと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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