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公職選挙法施行令第百十条の四でいう特定ポスターへの公費負担に関する質問主意書

参議院 第199回 第7号趣旨が明らかではない ×2

提出者
参議院
提出日
2019年8月2日
内閣転送 2019年8月5日
答弁書受領日
2019年8月15日
提出から13日
答弁の項目数
3
質問 1,938字/答弁 978字

質問本文

公職選挙法では、「国又は地方公共団体がその費用を負担して候補者の選挙運動を行い若しくは選挙を行うに当たり便宜を供与し、又は候補者の選挙運動の費用を負担する制度」(選挙制度研究会編「実務と研修のためのわかりやすい公職選挙法」)を設けている。これは日本の選挙法制の特徴であり、いわゆる「選挙公営」と呼ばれるものである。

もっとも、「選挙公営は、選挙の平等化をはかるものであるが、この平等は自由に対するなんらかの制限なしには実現されえない性質を有している」(上条末夫「選挙公営化論」一九八五年)との指摘がある。

公職選挙法施行令第百十条の四では、「法第百四十三条第十四項の規定の適用を受けようとする者は、ポスターの作成を業とする者との間において特定ポスターの作成に関し有償契約を締結し、総務省令で定めるところにより、その旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出なければならない」とされ、「衆議院小選挙区選出議員又は参議院議員の選挙における公職の候補者が前項の契約に基づき当該契約の相手方であるポスターの作成を業とする者に支払うべき金額のうち、当該契約に基づき作成された特定ポスターの一枚当たりの作成単価に当該特定ポスターの作成枚数を乗じて得た金額については、法第百四十三条第十四項後段において準用する法第百四十一条第七項ただし書に規定する要件に該当する場合に限り、衆議院小選挙区選出議員又は参議院選挙区選出議員の選挙にあつては都道府県が、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては国が、当該ポスターの作成を業とする者からの請求に基づき、当該ポスターの作成を業とする者に対し支払う」と規定されている。

このうち、「衆議院小選挙区選出議員又は参議院選挙区選出議員の選挙の場合」においては、「当該選挙区におけるポスター掲示場の数が五百以下である場合」には「五百二十五円六銭に当該ポスター掲示場の数を乗じて得た金額」に「三十一万五百円を加えた金額を当該選挙区におけるポスター掲示場の数で除して得た金額」を、「当該選挙区におけるポスター掲示場の数が五百を超える場合」には「二十六万二千五百三十円と二十七円五十銭にその五百を超える数を乗じて得た金額との合計金額」に「三十一万五百円を加えた金額を当該選挙区におけるポスター掲示場の数で除して得た金額」を支払うこととされているが、現行の計算方法に拠ると、「ポスター掲示場の数が五百を超える」場合、特定ポスターの作成に関する一枚当たりの公費負担額は急激に低下する。選挙公営は、選挙の平等化をはかるものであると解されるが、選挙区の掲示場の数によって、不公平が生じるとの懸念がある。

これについて、政府の見解を確認したいので、以下質問する。

一 政府はいわゆる選挙公営についてどのような方針で臨んでいるのか。政府の選挙公営の定義を示されたい。

二 選挙公営は、「選挙の平等化をはかるもの」であるが、「この平等は自由に対するなんらかの制限なしには実現されえない」ものであるとの理解でよいか。

三 公職選挙法施行令第百十条の四でいうところの、特定ポスターへの公費負担額の計算式では、ポスター掲示場の数が五百を超えるか否かで取り扱いが異なる。この五百という数はどのような根拠で定められたのか。政府の見解如何。

四 公職選挙法施行令第百十条の四でいうところの、特定ポスターへの公費負担額は、ポスター掲示場の数が三百ならば一枚千五百六十円、五百ならば一枚千百四十六円で、五百を超えると一枚あたりの公費負担額は急減し、千ならば五百八十七円、五千ならば百三十九円、一万二千ならば七十四円となる。この特定ポスターへの公費負担の趣旨はどのようなものか。選挙の平等化を図るものであれば、選挙区が大きくなり、ポスター掲示場の数が増えるほど一枚あたりの公費負担額が急減するのは合理性に欠けるのではないか。政府の見解如何。

五 選挙公営が候補者になろうとする者の資力に関わらず公職に関する選挙に立候補する機会を担保し、選挙の平等化を図ることを目的とするならば、公職選挙法施行令第百十条の四の規定は、大きな面積を持つ選挙区に立候補する場合、特定ポスターへの一枚あたりの公費負担額が低くなることから、公職選挙法の趣旨に反するのではないか。公職選挙法第一条でいう「その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を期することを目的とする」ことと合致しないのではないか。政府の見解如何。

六 前記三から五に関連して、公職選挙法施行令第百十条の四の規定は合理性に欠け、改正すべきではないか。政府の見解如何。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

御指摘の「選挙公営」とは、一般に、国又は地方公共団体がその費用を負担して候補者の選挙運動を行い若しくは選挙を行うに当たり便宜を供与し、又は候補者の選挙運動の費用を負担する制度と考えられている。

お尋ねの「選挙公営は、「選挙の平等化をはかるもの」であるが、「この平等は自由に対するなんらかの制限なしには実現されえない」ものである」の意味するところが明らかではないが、現在の公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)では、金のかからない選挙を実現するとともに、候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段として、選挙運動の費用を公費で負担する枠組みが設けられているものである。

三及び四について

お尋ねの「特定ポスターへの公費負担の趣旨」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般的に、ポスターの作成単価は、ポスターの作成枚数に応じて変動するものであり、作成枚数の増加に伴い作成単価は安価になるものであるところ、公職選挙法施行令(昭和二十五年政令第八十九号)第百十条の四第一項に規定する特定ポスターの作成について公費負担する作成単価を規定する同条第二項は、昭和五十年の制度創設時において、ポスター一枚当たりの逓増費用が五百枚を区切りとして大きく異なり、ポスター作成費用の見積りにおいて五百枚付近から増加一枚当たりの作成単価がほぼ均一化する傾向があったことから、ポスター掲示場の数が五百である場合を基準とし、作成枚数の増加に応じた作成単価となるよう定めているものであり、このような規定方法は現在でも合理性があるものであると考えている。

五及び六について

政府としては、三及び四についてで述べたとおり、ポスターの作成枚数の増加に伴い作成単価が安価になることを考慮して公費負担する特定ポスターの作成に係る作成単価を規定する公職選挙法施行令第百十条の四の規定方法は合理性があるものと考えていることから、お尋ねの「公職選挙法の趣旨に反するのではないか」、「公職選挙法第一条でいう「その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を期することを目的とする」ことと合致しないのではないか」及び「公職選挙法施行令第百十条の四の規定は合理性に欠け」るとの御指摘は当たらず、同条の規定方法の改正は考えていない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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