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黒川検事長の処分における「懲戒処分の加重要件」の違法な切り捨てに関する質問主意書
参議院 第201回 第175号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×3個別の事案 ×2
質問本文
人事院の「懲戒処分の指針について」(平成十二年三月三十一日職職―68)においては、「標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることが考えられる場合」として、「① 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき」、「② 非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき」、「③ 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき」、「④ 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがあるとき」、「⑤ 処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたとき」がある、としている。
これに関し、以下質問する。なお、答弁案の作成を担当する検察官出身の法務省幹部においては、国会と国民を愚弄する答弁拒否などは断じて行わないことを求めることを付言する。
一 森法務大臣は前述の①から⑤までの事項(以下、懲戒処分の「加重要件」と総称する。)について、東京高等検察庁黒川弘務検事長(当時。以下「黒川氏」という。)の賭け麻雀の事件をこれらの事項に現時点で「当てはめ」行為をした場合、②、③、⑤については当てはまる旨を答弁しているが、現時点で当該事件を「① 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき」に当てはめた場合は当てはまると考えるか。当てはまると考えない場合はその理由についても示されたい。
二 前記一について、現時点で黒川氏の事件を①の一部である「非違行為の結果が極めて重大であるとき」に当てはめた場合は当てはまると考えるか。当てはまると考えない場合はその理由についても示されたい。
三 一般論として、政府は、黒川氏の賭け麻雀の非違行為の結果が極めて重大であると認識しているか。もし、そのように認識していないのであれば、その理由を示されたい。
四 森法務大臣は①の一部である「非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき」について、令和二年六月十一日の参議院予算委員会において「一について申し上げますと、どのような場合に動機、態様が極めて重大と言えるかについて画一的にお答えすることは困難でございます。」と答弁しているが、個別の事案の処分の検討に際して「どのような場合に動機、態様が極めて重大と言えるかについて画一的に判断」する必要などそもそもないのではないか。なぜ、「画一的に判断」できる必要がある、あるいは、「画一的に判断」する必要があると考えるのか、その理由について示されたい。
五 人事院の政府参考人は、首相官邸や法務省などから黒川氏の処分について相談を受けたことがあるかとの質問に対し「相談を受けておりません」と答弁しているが、森法務大臣及び法務省において「どのような場合に動機、態様が極めて重大と言えるかについて画一的にお答えすることは困難でございます。」との認識にあるのであるならば、黒川氏の処分の検討の段階で人事院に対して「非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき」の趣旨や解釈のあり方について相談するべきではなかったのか。相談しなかった理由を示すとともに、相談さえしなかったのは最初から黒川氏を懲戒処分にはしないという意図的かつ独善的な姿勢によるものではないかについて政府の認識を示されたい。
六 森法務大臣の「一について申し上げますと、どのような場合に動機、態様が極めて重大と言えるかについて画一的にお答えすることは困難でございます。」との答弁の意味するところは、「動機、態様が極めて重大と言えるかについて画一的」に判断できないために、①は黒川氏の処分の検討の際には当てはめに用いなかったということなのか。黒川氏の処分の検討の際に、①を当てはめに用いなかった理由について具体的に示されたい。
七 政府は黒川氏の賭け麻雀の非違行為の動機についてどのように認識しているか示されたい。その際には、黒川氏は東京高等検察庁検事長の職にあったにもかかわらず、さらには、外出自粛要請等がなされている緊急事態宣言下であったにもかかわらず、どのような動機によって本年四月及び五月に複数回に渡って賭け麻雀を犯していたのか、政府の認識を明確に示されたい。
八 黒川氏の東京高等検察庁検事長としての職責及び外出自粛に係る東京高等検察庁の服務管理者としての職責等も踏まえると、黒川氏が賭け麻雀を犯した動機は「自分が楽しめればそれでよい」というこの上なく自己中心的で悪質極まりないものという他ないのではないか。政府として、黒川氏の賭け麻雀の動機が「自己中心的で悪質極まりないもの」と認識しているか否かについて示されたい。
九 政府は黒川氏の賭け麻雀の非違行為の態様についてどのように認識しているか示されたい。その際には、黒川氏において、東京高等検察庁検事長の職にあったにもかかわらず、さらには、外出自粛要請等がなされている緊急事態宣言下であったにもかかわらず、本年四月及び五月に複数回に渡って賭け麻雀を犯していたその非違行為の態様をどのように考えているかについての政府の認識を明確に具体的に示されたい。
十 黒川氏は東京高等検察庁検事長の職にあったにもかかわらず、さらには、外出自粛要請等がなされている緊急事態宣言下であったにもかかわらず、本年四月及び五月に複数回に渡って賭け麻雀を犯していたのであるから、その態様は反社会的で悪質極まりないものと断ずる他ないのではないか。政府として、黒川氏の賭け麻雀の態様が「反社会的で悪質極まりないもの」と認識しているか否かについて示されたい。
十一 検察の最高幹部である黒川氏が緊急事態宣言下に賭け麻雀を犯していたことは「① 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき」に該当することは義務教育を受けた日本国民であれば誰でもそのように認識し、理解・納得するものであると考えるが、政府はどのように考えるか。
十二 政府は前述の①から⑤の各事項について、黒川氏の処分の検討の際に当てはめを行ったのか。行っていない場合はその理由を示されたい。
十三 森法務大臣においては、黒川氏の事件に関し、前述の①から⑤の各事項について現時点で「当てはめ」行為をした場合は少なくとも②、③、⑤については当てはまる旨を答弁しているところ、現時点で当てはまるものを黒川氏の処分の検討の際に当てはめを行っていないということは、最初から黒川氏を懲戒処分にする気は一切なかったということではないか。
十四 森法務大臣は前述の①から⑤の各事項について、黒川氏の賭け麻雀の非違行為についてこれらの事項を現時点で「当てはめ」行為をした場合、②、③、⑤について当てはまる旨を答弁しているが、現時点でこれら②、③、⑤の事項を黒川氏の事件に当てはめた場合、その結論として黒川氏は懲戒処分相当であると考えるか、政府の見解を示されたい。なお、当該当てはめを行わず、あるいは、その結論を明らかにしない場合は、そうした政府の態度が国民に理解されると考えるかについて政府の見解を示されたい。
十五 黒川氏の処分の検討に際し、人事院の「懲戒処分の指針」において「標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることが考えられる場合」とされる①から⑤の加重要件を一切用いない(当てはめすらしない)ということは、この度の黒川氏の処分が国家公務員法の趣旨に反する違法なものとなるのではないか。政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一、二及び十一について
御指摘の①から⑤までは、「懲戒処分の指針について」(平成十二年三月三十一日付け職職-六八人事院事務総長通知)の「第二 標準例」に掲げられた処分より重くすることが考えられる場合として記載されている例であって、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第一項に規定する懲戒処分(以下「懲戒処分」という。)を行うに当たってこれらへの該当性の有無についての検討が逐一求められるものではないところ、現時点で、黒川弘務元東京高等検察庁検事長(以下「黒川氏」という。)の非違行為についての御指摘の①の該当性の有無を検討することは考えておらず、お尋ねについてお答えすることは困難である。
三及び七から十までについて
お尋ねの「一般論として・・・結果が極めて重大」、「どのように認識」、「自分が楽しめればそれでよい」、「自己中心的で悪質極まりないもの」及び「反社会的で悪質極まりないもの」の具体的に意味するところが明らかではないが、黒川氏は、公務外において、旧知の間柄の者との間で、千点を百円に換算する換金比率で麻雀を行ったものと認識しており、このような黒川氏の非違行為は誠に不適切であり、また、「法務省新型コロナウイルス感染症対策基本的対処方針」(令和二年四月十三日法務省新型コロナウイルス感染症対策本部決定)等に照らしても不適切なものであったと考えている。
四について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の森法務大臣の答弁は、一般論として、「懲戒処分の指針について」において記載されている「非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき」について、いかなる行為がこれに該当するのかは、個別具体的な事案によることになるため、画一的にお答えすることは困難である旨を述べたものであり、御指摘の「個別の事案の処分の検討に際して」は、一、二及び十一についてで述べたとおり、これへの該当性の有無についての検討が逐一求められるものではない。
五、六及び十二について
一、二及び十一についてで述べたとおり、御指摘の①から⑤までは、懲戒処分を行うに当たってこれらへの該当性の有無についての検討が逐一求められるものではないことから、黒川氏の処分を決するに当たっても、御指摘の①から⑤までの該当性の有無についての検討を行っておらず、そのため、法務省において御指摘の「相談」は行っていない。
十三から十五までについて
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、黒川氏の処分については、処分を決するに当たり必要な調査を行った上で、「懲戒処分の指針について」の記載内容等をも踏まえ、諸般の事情を総合的に考慮して法務省の内規に基づく監督上の措置として訓告を行うことが相当であると 判断したものであって、適正な処分を行ったものと認識しており、「国家公務員法の趣旨に反する違法なもの」との御指摘は当たらない。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×3個別の事案 ×2
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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