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陸上配備型イージス・システムの配備に関する質問主意書

参議院 第201回 第194号お答えすることは困難 ×1

提出者
参議院
提出日
2020年6月17日
内閣転送 2020年6月17日
答弁書受領日
2020年6月30日
提出から13日
答弁の項目数
5
質問 1,767字/答弁 2,210字

質問本文

令和二年六月十五日、河野防衛大臣は、秋田県及び山口県への陸上配備型イージス・システム(以下「イージス・アショア」という。)の配備に関するプロセスを停止することを表明した。

以下、イージス・アショアの配備に関するプロセスの停止について質問する。

一 今般、イージス・アショアの配備に関するプロセスの停止を決定した理由及び、決定に至るまでの経緯について説明されたい。

二 防衛省ウェブサイトに掲載されている「イージス・アショアの配備について」(以下「防衛省資料」という。)においては、「イージス・アショアの配備に関するプロセスを停止する」とされているが、これは、イージス・アショアの導入そのものを撤回するということではないのか。防衛省資料においては、「今後の対応については、(中略)国家安全保障会議に今般の状況を報告の上、その議論を踏まえて検討」するとされているが、今後、配備に向けたプロセスが再開されることはあるのか。

三 防衛省資料によると、イージス・アショアから発射される迎撃ミサイルのブースターを「演習場内又は海上に確実に落下させるためには、ソフトウェアのみならず、ハードウェアを含め、システム全体の大幅な改修が必要となり、相当のコストと期間を要することが判明した」とのことであるが、この問題を防衛省として認識したのは「本年五月下旬」なのか。そうである場合、防衛省はこれまで地元住民等に対し、技術的にどのような改修が必要となるのかという点を十分に認識しないまま、安全であるとの説明を行ってきたことになるが、極めてずさんな対応ではないか。

四 防衛省資料においては、「防衛省として、地元の皆様にお詫びとご説明を申し上げ」とあるが、これは、河野防衛大臣が秋田県及び山口県を訪問し、直接謝罪するということか。

五 防衛省のこれまでの説明によれば「イージス・アショアは弾道ミサイルの脅威から我が国全域を防護するために必要不可欠な装備品である」とのことだが、イージス・アショアの配備に関するプロセスを停止するということは、防衛省として、イージス・アショアは、我が国の防衛上、必要でないという認識に改めたのか。

六 政府は、「北朝鮮の核・ミサイル開発は、我が国の安全に対する、より重大かつ差し迫った新たな段階の脅威となっており、平素から我が国を常時・持続的に防護できるよう弾道ミサイル防衛能力の抜本的な向上を図る必要がある。」(平成二十九年十二月閣議決定)として、イージス・アショア二基の導入を決定したものと承知しているが、「北朝鮮の核・ミサイル開発は、我が国の安全に対する、より重大かつ差し迫った新たな段階の脅威となって」いるとの認識を改めたのか。改めたのであればその理由を示されたい。改めていないのであれば、今後どのように「平素から我が国を常時・持続的に防護できるよう弾道ミサイル防衛能力の抜本的な向上を図る」のか。イージス艦の増勢や、終末段階高高度地域防衛(THAAD)の導入等、代替策を検討しているのか、具体的に示されたい。

七 「平成三十一年度以降に係る防衛計画の大綱」においては、陸上自衛隊が二個弾道ミサイル防衛隊を保持することとされており、また、「中期防衛力整備計画(平成三十一年度~平成三十五年度)」においては、イージス・アショア二基を整備することとされているが、イージス・アショアの配備に関するプロセスの停止によって、「平成三十一年度以降に係る防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画(平成三十一年度~平成三十五年度)」の見直しや変更を行うのか。

八 これまでの各年度予算における、イージス・アショア関連の各事業の内容及び計上額を示されたい。また、それらのうち、既に契約がなされたもの、支出がなされたものについて、その額及び相手先をそれぞれ示した上で、それらについて今後どのような措置をとるのか、明らかにされたい。

九 防衛省資料によると、「SM―三の飛翔経路をコントロールし、演習場内又は海上に確実に落下させるためには、ソフトウェアのみならず、ハードウェアを含め、システム全体の大幅な改修が必要となり、相当のコストと期間を要する」とされているが、どの程度の「コストと期間」を要するのか、具体的に明示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一から三までについて

防衛省においては、陸上配備型イージス・システムの配備に当たっては、地元の皆様の安全を確保するため、弾道ミサイルを迎撃する際に発射する弾道ミサイル防衛用迎撃ミサイル(以下「SM―三」という。)の飛翔経路をコントロールすることにより、SM―三から切り離されるブースター(以下単に「ブースター」という。)を陸上における特定の区域内又は海面に落下させる措置を講ずることとし、これまで関係地方公共団体や地元の皆様に対し、その旨の説明を行ってきたところである。

しかしながら、米側との協議を行い、同省において検討を進めてきた結果、SM―三の飛翔経路をコントロールし、ブースターを当該特定の区域内又は海面に確実に落下させるためには、SM―三を含めた陸上配備型イージス・システム全体を大幅に改修することが必要となり、相当のコストと期間を要することが、令和二年五月下旬に判明したところである。

このため、同省においては、陸上自衛隊むつみ演習場及び再調査の対象としていた陸上自衛隊新屋演習場を含む二十箇所の国有地について、同年六月十五日に陸上配備型イージス・システムの配備に関するプロセスを停止することとし、その上で、同月二十四日の国家安全保障会議での議論を踏まえ、これらへの陸上配備型イージス・システムの配備を断念することを同月二十五日に公表したところである。

四について

お尋ねについては、河野防衛大臣が、令和二年六月十九日に山口県を、同月二十一日に秋田県を、それぞれ訪問し、関係地方公共団体や地元の皆様に対し、おわび申し上げたところである。

五から七までについて

防衛省において、陸上自衛隊むつみ演習場及び再調査の対象としていた陸上自衛隊新屋演習場を含む二十箇所の国有地について、陸上配備型イージス・システムの配備に関するプロセスを停止することとした理由や経緯は、一から三までについてで述べたとおりであるところ、現在の我が国を取り巻く安全保障環境に関する認識や今後の対応については、安倍内閣総理大臣が、令和二年六月十八日の記者会見において、「我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している。その現状には全く変わりはありません。朝鮮半島では今、緊迫の度が高まっています。弾道ミサイルの脅威から国民の命と平和な暮らしを守り抜いていく。これは政府の最も重い責任であります。我が国の防衛に空白を生むことはあってはなりません。平和は人から与えられるものではなく、我々自身の手で勝ち取るものであります。安全保障政策の根幹は、我が国自身の努力にほかなりません。抑止力、対処力を強化するために何をすべきか。日本を守り抜いていくために、我々は何をなすべきか。安全保障戦略のありようについて、この夏、国家安全保障会議で徹底的に議論し、新しい方向性をしっかりと打ち出し、速やかに実行に移していきたい。」と述べているとおりであり、今後の議論の具体的な方向性等について、現時点で予断をもってお答えすることは差し控えたい。

八について

各年度の予算に係るお尋ねについては、我が国に陸上配備型イージス・システムを導入することを決定した平成二十九年度から令和二年度までの間において①予算に計上された関連する主な経費、②①に係る予算額、③①に係る契約額の契約の相手方別の内訳(契約の変更による金額の増減があった場合は、当該変更後の金額)及び④③のうち支払済額を年度ごとにお示しすると、次のとおりである。

平成二十九年度

①米側からの各種情報等の取得に係る経費 ②約二十八億円 ③米国政府約二十七億円 ④同国政府約二十七億円

平成三十年度

①基本設計に係る経費 ②約四億円 ③候補地(三〇)基本構想等策定業務日本工営・山下設計共同体約四億円 ④同共同体約四億円

①地質測量調査に係る経費 ②約三億円 ③株式会社パスコ広島支店約〇・四億円、日本地研株式会社約〇・四億円、日本工営株式会社仙台支店約〇・三億円、アジア航測株式会社仙台支店約〇・三億円 ④株式会社パスコ広島支店約〇・四億円、日本地研株式会社約〇・四億円、日本工営株式会社仙台支店約〇・三億円、アジア航測株式会社仙台支店約〇・三億円

令和元年度

①レーダーを除く陸上配備型イージス・システム本体の取得に係る経費 ②約千三百八十二億円 ③米国政府約千三百八十二億円 ④同国政府約九十七億円

①レーダーの取得に係る経費 ②約三百五十一億円 ③三菱商事株式会社約三百五十億円 ④同社約六十五億円

①人材育成に係る経費 ②約十七億円 ③米国政府約十七億円 ④同国政府零円

①標準設計に係る経費 ②約七億円 ③株式会社山下設計約五億円 ④同社約〇・六億円

令和二年度

①垂直発射装置の取得に係る経費 ②約百十五億円 ③及び④未契約

①国内システムとの連接に関する調査に係る経費 ②約十四億円 ③及び④未契約

その上で、「今後どのような措置をとるのか」とのお尋ねについては、五から七までについてで述べた今後の議論の具体的な方向性等を踏まえて検討していくこととしているため、現時点で予断をもってお答えすることは差し控えたい。

九について

御指摘の防衛省資料にいう「相当のコストと期間」の具体的な内容については、米側の協力を得て見積もることが必要なものであるため、確たることを申し上げることは困難である。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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