ことばで探す › 衆議院 第199回
イージス・アショア配備計画をめぐる諸問題に関する質問主意書
衆議院 第199回 第14号
質問本文
国がイージス・アショアの配備計画を進めている秋田県においては、令和元年七月の参議院議員選挙本県選挙区で、配備の反対を訴えた野党候補が当選した。これに関し、以下質問する。
一 秋田市の新屋演習場が、イージス・アショア配備の適地であるか否かの判断としている調査について、どのような再調査結果が出るにせよ、同演習場が住宅地に近接しているという事実に変わりはない。参院選において配備の反対を訴えた野党候補が勝利したことは、同演習場が「適地ではありえない」という秋田県民の発意にほかならず、再調査が問題の解決につながるものではないと考えるが、政府の認識を明らかにされたい。
二 イージス・アショア配備問題をめぐっては、防衛省報告書のデータに誤りが発覚した上、秋田市の住民説明会では、東北防衛局の職員が居眠りする不祥事が不信感を増幅させ、国と県の対立はますます深まっているところである。
岩屋毅防衛大臣は、令和元年七月二十三日の記者会見で「選挙期間を通じ、厳しい指摘があり、しっかり受け止めなければいけない」としているが、言葉だけでなく、受け止めたものをどのように具体的に防衛政策に反映させるのか、伺う。
三 国と県の対立の状況は、沖縄県の基地問題についても類似している。政府は「沖縄の民意に寄り添う」としながら、実際には、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画において、防衛省が住民投票や知事選の結果を踏まえず、移設工事を強行している。
秋田県においても、民意を正面から受け止めず、配備計画を推進すれば、地元の反発は強まる一方である。政府の、今後の真摯な対応について伺う。
四 同日の記者会見で、岩屋大臣は「指摘を受けたのは政策そのものではなく、説明のあり方、資料の作り方」としているが、調査の手法が杜撰であったことは、その調査結果を根拠として方向付ける「政策」の正当性に影響を与える以上、政策に対しても厳しい指摘があったと捉えるべきではないか、政府の見解を明らかにされたい。
また、「説明のあり方」についても、防衛省は令和元年六月八日の新屋勝平地区住民説明会で、現地調査結果の不手際を釈明しながらも、新屋が配備の「適地」であると言い切っているが、再調査を行う段階で「適地」という言葉を使うべきではないと考えるが、あわせて見解を伺う。
五 イージス・アショア配備の適否の目安として、令和元年五月末公表の現地調査結果報告書における仰角の数値について、周辺の山の仰角十度以下を「適地」の条件としているが、なぜ「十度」以下なのか、基準の根拠と合理性について、伺う。
右質問する。
政府答弁書
一から三までについて
我が国が導入することとしている陸上配備型イージス・システム(以下「本件イージス・システム」という。)二基の配備及び運用に当たっては、実際に配備することとなる場所の周辺住民の方々に安全上の影響が生じないようにすることが大前提である。
防衛省においては、これまでの種々の検討の結果、陸上自衛隊新屋演習場及び陸上自衛隊むつみ演習場に本件イージス・システムを配備した場合には、これを安全に運用することが可能であることを確認しており、これらの演習場を配備候補地として考えてきたところであるが、御指摘の「防衛省報告書のデータ」に誤りがあったことや防衛省東北防衛局の職員に緊張感を欠く不適切な行為があったこと等を踏まえ、当該「防衛省報告書」の中で検討の対象とされていた国有地について、必要な調査を行った上で、本件イージス・システムの配備候補地となり得るかどうかを改めて検討することが、地元の皆様の信頼を回復する上で不可欠であると考えている。
政府としては、本件イージス・システムの導入については、御指摘の令和元年七月二十三日の記者会見において岩屋防衛大臣が述べたとおり、第二十五回参議院議員通常選挙に係る選挙期間を通じて、国民の方々から様々な厳しい御指摘や御意見があったものと承知しており、こうした御指摘や御意見も踏まえながら、本件イージス・システムの安全性及び必要性、配備候補地に係る検討の結果等について、地元の皆様の理解を得られるよう丁寧に説明するなど、真摯に対応していきたいと考えている。
四について
お尋ねの「厳しい指摘」については、御指摘の令和元年七月二十三日の記者会見において岩屋防衛大臣が述べたとおり、本件イージス・システムの導入そのものについてではなく、二で御指摘の「防衛省報告書のデータ」に誤りがあったことや防衛省東北防衛局の職員に緊張感を欠く不適切な行為があったこと等について与党内からなされたものであったと認識しており、防衛省としては、こうした指摘も踏まえながら、一から三までについてで述べたとおり、本件イージス・システムの安全性及び必要性、配備候補地に係る検討の結果等について、地元の皆様の理解を得られるよう丁寧に説明するなど、真摯に対応していきたいと考えている。
五について
本件イージス・システムに搭載するレーダーを用いて実際に弾道ミサイルを探知する際には、発射された弾道ミサイルをより遠くで、かつ、早期に探知するために、できるだけ水平方向にレーダーを照射できるようにすることが必要である。
同様に、弾道ミサイルを探知した後に実際にこれを追尾する際にも、例えば、日本海側から発射された弾道ミサイルが我が国上空を通過する場合には、当該弾道ミサイルの軌道に合わせて、レーダーの照射方向を日本海側の水平方向近くから上空に向けて上げていった後、当該弾道ミサイルが飛翔していく方向に下げていくこととなり、その際、より遠くまで、かつ、継続的に追尾を続けるために、できるだけ水平方向までレーダーを照射できるようにすることが必要である。
これらを踏まえ、本件イージス・システムの配備候補地に係る検討に当たっての周囲の遮蔽物に係る仰角の基準を概ね十度としているところであるが、これ以上の詳細については、本件イージス・システムの具体的な対処能力を明らかにするおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
いずれにせよ、防衛省としては、こうした仰角に係る考え方について、地元の皆様に丁寧に説明していきたいと考えている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。