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電線関連産業における技術革新と省エネルギーへの貢献に対する支援策に関する質問主意書
参議院 第208回 第64号趣旨が明らかではない ×2
質問本文
我が国の電線関連産業は、電力、通信、電気機械、建設等、多くの国内産業に多品種の電線・光ファイバーを提供し、我が国の経済の発展や国民生活の向上に貢献をしている。
しかし、二〇二〇年からの新型コロナウイルス感染拡大とこれに伴う世界的な経済活動の停滞により、電線の需要は減退し、一部の製品については依然として需要の回復が遅れている状況にある。
一方、日本政府が二〇五〇年のカーボンニュートラルの方針を発表したことにより、再生可能エネルギーの拡大や電力系統の整備、あるいは自動車のEV化の加速など、電線産業の環境対応能力が期待されている。さらにはGIGAスクールやデータセンターの新鋭化、5GやIoT技術など、情報化関連投資の拡大も見込まれる中、電線製造の技術革新が一段と求められている。このような状況の中、電線関連産業の育成に関し、以下のとおり質問する。
一 電線関連産業の環境問題への対応について
二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向け、電線関連産業としても、電線・ケーブルの最適導体サイズの設計技術(ECSO)やダブル配線化等の環境配慮型技術のみならず、送配電ロスを低減することができる長距離直流海底光ケーブルや超電導電力ケーブルの開発・普及が求められている。これらの新技術・新製品の開発と国際標準化には官民・研究機関の協力体制が必要とされるが、政府としての今後の支援方針があれば明らかにされたい。
二 環境配慮型都市(スマートシティ)の建設促進について
今日、エネルギーの効率化とともに防災対策や高齢化対策の視点を加えた環境配慮型都市(スマートシティ)の建設の普及が求められている。環境配慮型都市においては、多様なデータを横断的に収集・分析・活用することで安全で快適な都市生活を提供することができるが、エネルギーに関しては、再生可能エネルギーの最大活用とともに、電力の需給を効率よく調整できる次世代送電網(スマートグリッド)の構築が必要となる。特に送電に関しては、昼夜安定した電力供給や災害時の停電対策のために大型の蓄電池システムの構築や、外部からのサイバーテロに備えたセキュリティ対策の強化が不可欠である。環境配慮型都市の建設や次世代送電網の構築、さらには電力の安定供給に資する蓄電池システムの開発に関する民間の事業者への支援策について、政府の今後の取組方針を明らかにされたい。
三 無電柱化の促進策の強化について
東京オリンピック・パラリンピックに向けて電柱の地中化事業が推進され、東京都では首都高速中央環状線内側エリア内の都道で無電柱化整備がおおむね完了したが、区・市・町道においてはいまだ道半ばの状況にある。都市部において林立している電柱や張り巡らせた電線は、歩行者や車いす利用者の通行を妨げ、良好な都市景観を損ねているばかりか、大規模地震や大型台風などの自然災害では、電柱倒壊による道路閉塞や断線などにより、避難や救急活動への支障とともに停電や通信障害が生じるリスクもある。このため、早急な無電柱化が求められるわけであるが、自治体における過去五年間の無電柱化の実施状況に関する国土交通省の調査によると、約八割が無電柱化事業を実施したことがないことが判明した。今後、政府として、市区町村への対応を含め、事業をどのように推進するのか、対応方針を示されたい。
四 電線関係製品の取引の適正化について
電線関連産業においては、これまで、取引先との価格交渉において、値引きや運搬料のサービスなどの商取引慣習が残り、付加価値が適正に循環する実態にはなかった。このような業界の取引を改善するために、平成二十九年二月には経済産業省が「金属産業取引適正化ガイドライン」をまとめ、また平成二十八年二月には一般社団法人日本電線工業会が「電線業界の取引適正化のために」とするガイドラインを打ち出した。しかしながら、今日、各産業が厳しい経営環境に置かれる中で、これらガイドラインから逸脱したような取引の実態も見られ、部材提供側の収益が圧迫されるケースも報告されている。製造業における付加価値が適正に循環される取引環境を今一度、整備する必要があると考えるが、業界への指導強化を含め、政府としての取組方針を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「長距離直流海底光ケーブル」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「新技術・新製品の開発と国際標準化」に向けて、これまで、送電線については、我が国特有の海底の環境を踏まえた直流送電線の研究開発に対する支援を行っているところであり、また、「超電導電力ケーブル」については、超電導ケーブルを用いた送電システム等の研究開発や実証を支援してきたところである。今後、これらの取組や民間企業の動向を踏まえながら、必要に応じて支援策を検討していく考えである。
二について
スマートシティの構築については、現在、「科学技術・イノベーション基本計画」(令和三年三月二十六日閣議決定)に基づき、環境・エネルギーを対象とする事業を含めて、全国での計画的な実装・普及に向けて各府省の関連事業を一体的に実施して地域における官民連携の取組を促進しているところであり、また、「次世代送電網の構築」については、現在、再生可能エネルギーの大量導入に伴う系統混雑を解消するためのエネルギーマネジメントの高度化に向けた研究開発の支援を進めているところであり、また、「電力の安定供給に資する蓄電池システムの開発」については、これまで、再生可能エネルギーの出力の不安定性等の課題に対応するための大型蓄電池の実証事業等の支援を行ってきたところである。今後、これらの取組や民間企業の動向を踏まえながら、必要に応じて支援策を検討していく考えである。
三について
我が国における無電柱化に関する事業の推進に向けて、これまで、国、地方自治体及び電線管理者の実施する無電柱化に関する事業においては、「無電柱化推進計画」(令和三年五月二十五日国土交通大臣決定)に基づき、浅層埋設の手法の活用などによる徹底したコストの削減、道路管理者や電線管理者等が行う工事の同時施工や事業調整の円滑化を可能とする発注方式の採用による無電柱化に関する事業に要する期間の短縮、電柱の増加の状況を踏まえた電柱の新設の抑制等を推進しているところであり、また、「市区町村」を含む地方自治体に対しては、緊急輸送道路等における無電柱化に関する事業を対象とした個別補助制度による重点的な財政的支援を行うとともに、計画から実施の段階に至るまでの無電柱化に関する事業に係る合意形成に関するマニュアルの作成といった技術的支援を行っているところである。引き続き、これらの取組を行っていく考えである。
四について
お尋ねの「業界への指導強化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「電線関連産業」における「取引の適正化」に向けて、これまで、「金属産業取引適正化ガイドライン(金属産業における下請適正取引等のためのガイドライン)」(平成二十九年二月経済産業省策定)を令和三年九月に改訂し、電線・ケーブル製造業での取引において問題のあった事例を同ガイドラインの中で紹介するとともに、一般社団法人日本電線工業会の主催する説明会等において同ガイドラインを説明すること等を通じて「電線関連産業」に対して必要な情報提供を行ってきたところである。引き続き、これらの取組を行っていく考えである。
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