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「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」に関する質問主意書

参議院 第210回 第15号お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×2個別の事案 ×1

提出者
参議院
提出日
2022年10月5日
内閣転送 2022年10月12日
答弁書受領日
2022年10月18日
提出から13日
答弁の項目数
8
質問 1,348字/答弁 2,915字

質問本文

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界遺産登録に際しては、二〇一八年五月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)から世界遺産一覧表への記載延期勧告がなされた。その際IUCNからは、本来肉食性哺乳類がいない奄美大島で、ノネコが固有種であるアマミノクロウサギなどを捕食している実態を踏まえ、「ノネコ等外来種対策の推進」について指摘があり、政府はその対応として、奄美大島において二〇一八年度から二〇二七年度を計画期間とする「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」(以下「奄美大島ノネコ管理計画」という。)を策定し、ロードマップによって進捗状況を管理し、取組を行っている。

このような取組の結果、二〇二一年に世界自然遺産への登録が実現したが、奄美大島ノネコ管理計画は引き続き実施されており、本年は十年計画の中間年でありロードマップにおいても「取組全体の進捗状況の評価、必要に応じた計画の見直し」を行うとされている。

奄美大島の在来生態系保全とノネコ対策等を適切に実施するためには客観的なデータに基づく評価が必要であるとの認識から、以下質問する。

一 法律上のノネコの定義を示されたい。また、ノラネコとの違いも併せて示されたい。

さらに、ノネコも動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)の対象となるのか、ならない場合その理由を示されたい。

二 奄美大島における飼いネコ、ノラネコ、ノネコの数をそれぞれ明らかにされたい。また、ノネコの発生源はノラネコ、外で飼われている飼いネコとされているが、ノラネコ、外で飼われている飼いネコがノネコと判断される基準は何か示されたい。

三 奄美大島において保護する必要のある希少種の種類、生息数を示されたい。

四 前記三の希少種の死亡数、死亡原因を示されたい。特に死亡原因については、ノネコによる捕殺、ロードキル、捕獲器によって死亡したもの等分類し示されたい。さらに、死亡原因の判断基準についても併せて示されたい。

五 奄美大島における飼いネコに対する不妊去勢手術数及び島内の飼いネコに占める割合並びに捕獲したノネコに対するTNR実施数及び割合をそれぞれ示されたい。また、不妊去勢手術やTNR推進に向けた取組と問題点、課題等について明らかにされたい。

六 捕獲したネコのうち首輪を装着しているなど飼いネコの可能性の高いものについては一週間公示し飼い主を確認し、確認できなかったものは県が引き取ることとされているが、公示方法、公示期間の妥当性についてどのように考えるか。また、捕獲したネコの保護及び譲渡に要した費用についても併せて示されたい。

七 希少種の保全上重要な地域に隣接した重点地区(A地区)における飼いネコのマイクロチップ装着率、不妊去勢手術率、室内飼育されているネコの数、ノラネコに対するTNR実施率について示されたい。

八 希少種対策としてノネコの個体の低密度化の取組は必要であると考えるが、今後は捕獲したノネコを安楽死させることなく、譲渡につなげる取組を強化することが必要であると考えるが政府の見解を示されたい。さらに、そのための予算の確保の状況についても示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「ノネコ」については、法令上の定義はないが、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の細部解釈及び運用方法について」(令和四年九月十六日付け環自野発第二二〇九一六三号環境省自然環境局長通知)において、「狩猟鳥獣である「ノネコ」・・・については、生物学的な分類ではペットとして飼われているネコ・・・と変わらないが、飼主の元を離れて常時山野等にいて、専ら野生生物を捕食し生息している個体」としている。お尋ねの「ノラネコ」については、同通知において、「飼い主の元を離れてはいても、市街地または村落を徘徊している」ものとしている。

お尋ねの「ノネコも動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)の対象となるのか」については、個別具体的な事情により判断されることとなり、一概にお答えすることは困難であるが、その上で申し上げれば、「飼主の元を離れて常時山野等にいて、専ら野生生物を捕食し生息している個体」であるノネコについては、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)の対象とならない可能性が高いと考えている。

二について

奄美大島における飼い猫については、奄美市、大和村、宇検村、瀬戸内町及び龍郷町(以下「五市町村」という。)それぞれの条例に基づき、令和三年度において三千百十七頭が登録されている。同島における野良猫の頭数については、五市町村において集落単位で把握を進めているが、現時点においては、同島全体での把握には至っていないため、お答えすることは困難である。同島におけるノネコの頭数については、環境省が平成二十六年度に実施した調査に基づき、「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」(平成三十年三月環境省那覇自然環境事務所、鹿児島県、奄美市、大和村、宇検村、瀬戸内町及び龍郷町策定。以下「管理計画」という。)に平成二十六年度時点で約六百頭から千二百頭との推定値を記載している。

また、後段のお尋ねについては、お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、管理計画において、同島の森林内で同省が捕獲した猫(以下「捕獲した猫」という。)の中で首輪を装着しているなどの特徴を有する個体については、管理計画に記載された基準に基づき、飼い猫の可能性が高いと五市町村で構成される奄美大島ねこ対策協議会(以下「協議会」という。)が判断することとしているが、御指摘の「ノラネコ、外で飼われている飼いネコがノネコと判断される基準」は策定していない。

三について

お尋ねの「保護する必要のある希少種」の具体的に意味する範囲が必ずしも明らかではないが、例えば、奄美大島に生息する種のうち、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)第四条第三項に規定する国内希少野生動植物種であって、環境大臣等が同法第六条第二項第六号に規定する保護増殖事業を行っている対象であるアマミノクロウサギ、アマミヤマシギ及びオオトラツグミの三種の生息数については、最新の数値は現在見直しを行っているところであるが、それぞれの種の保護増殖事業十ヶ年実施計画(平成二十六年十二月環境省沖縄奄美自然環境事務所策定。令和元年十二月改定)において、それぞれ同島において二千頭から四千八百頭、同島を含む南西諸島の一部において二千五百羽から九千九百九十九羽、同島において二千羽から五千羽との推定値を採用しているところである。

四について

三についてで述べた種については、山中で死亡している個体が多いと考えられることなどから、「死亡数」の網羅的な把握及び「死亡原因」の分析に必要な数の死体を回収することが困難であるため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

なお、環境省が令和三年に死体を回収した百二十四頭のアマミノクロウサギの死亡原因については、死体の回収された際の状況又は死体解剖における所見を踏まえ、令和四年八月末時点で、犬又は猫による捕殺が二十三件、交通事故が六十一件、死亡原因の不明なものが四十件であると分析しているところである。

五について

前段のお尋ねについて、奄美大島において、不妊去勢手術が実施されている飼い猫については、令和三年度末時点では二千六百七十六頭であり、これらが「島内の飼いネコに占める割合」は八十五・九パーセントである。また、捕獲した猫については、管理計画において野外に戻さないよう対応することとしており、捕獲した個体に対して不妊又は去勢措置を行った上で捕獲した場所に戻す取組(以下「TNR」という。)は、管理計画を策定したいずれの主体においても実施していない。

後段のお尋ねについて、五市町村全てにおいて、管理計画に基づく同島における生態系の保全に向けて、飼い猫に対する不妊去勢手術の助成事業や野良猫に対するTNRの事業が実施されているところであるが、これらの事業の効果を確かなものにするためには、それぞれの実施割合を高めることが重要であると考えている。政府としては、これらの事業の効果の検証や必要に応じた管理計画の見直しを含め、協議会と必要な連携を進めていく考えである。

六について

捕獲した猫のうち飼い猫の可能性が高い個体に係る公示に当たり、実際に公示を実施する市町村において、適切な公示方法が採用されているものと承知している。また、公示期間については、奄美大島に所在する保健所において保護された犬を収容する際の公示期間を踏まえて、管理計画において「一週間」としており、妥当であると考えている。

お尋ねの「捕獲したネコの保護及び譲渡に要した費用」の具体的に意味する範囲が明らかではないため、お答えすることは困難であるが、捕獲した猫のうち飼い猫の可能性が高い個体以外の個体については、管理計画に基づき、協議会において、一時飼養、譲渡等の事業を実施しているところであり、令和三年度に当該事業に要した費用は約千二百万円であったと承知している。

七について

「「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」に係るロードマップ」(令和二年十月環境省沖縄奄美自然環境事務所、鹿児島県、奄美市、大和村、宇検村、瀬戸内町及び龍郷町策定)の中で「重点地区A」と定められた地域において、令和三年度末時点では、「飼いネコのマイクロチップの装着率」は五十二・○パーセント、同ロードマップの指標の一つである屋外で飼われている猫の不妊去勢率は八十九・七パーセント、「室内飼育されているネコの数」は二百六頭、「ノラネコに対するTNR実施率」は九十四・四パーセントである。

八について

捕獲した猫のうち飼い猫の可能性が高い個体以外の個体については、これまで、一時飼養中に死亡した二頭を除いて、全頭が譲渡されており、安楽死させる処置は取られていないと承知している。また、協議会において譲渡等の事業が実施されているところ、政府としては、当該事業に係る経費を予算に計上していないが、引き続き、管理計画に基づく奄美大島における生態系の保全に向けて、必要な取組を進めていく考えである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×2個別の事案 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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