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台湾有事を想定した国民保護訓練に関する質問主意書

参議院 第210回 第28号趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2022年10月26日
内閣転送 2022年11月2日
答弁書受領日
2022年11月8日
提出から13日
答弁の項目数
4
質問 2,625字/答弁 2,360字

質問本文

台湾有事を想定した場合、沖縄県、特に先島諸島が軍事的攻撃が展開される対象となる可能性が高い。沖縄県は島嶼のみで成り立っている県であるため、災害その他に際する住民避難でも他の都道府県と比べて高度で複雑な訓練と準備が必要とされると言われる。とりわけ先島諸島からの住民避難については十分な態勢を準備し、訓練を重ねておくべきものである。

しかも、昨今の台湾をめぐる軍事的な緊張の中で、本年八月四日に中国人民解放軍が発射した九発の弾道ミサイルのうち五発が八重山列島南方海上の我が国の排他的経済水域(EEZ)内に着弾する事態が発生している。「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」(以下「国民保護法」という。)は、武力攻撃事態等において、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活等に及ぼす影響を最小にするための措置を国・自治体等で講ずるための規定を定めている。今回のような不測の状況下では、短時間のうちに、弾道ミサイル攻撃によって住民が生活する我が国の管轄領域が危険に晒される実態が明らかとなり、国民保護法に基づく措置について、「事が起こるのを待つ」のではなく、直ちに準備作業に着手されるべきことが示された。

現在の我が国の法体系に基づけば、国民保護の責任は第一義的に自治体に所在し、自衛隊は外国からの武力による主権侵害、領土への攻撃の排除のための任務に支障の無い範囲で自治体を支援するものとされている。ところが、すでに国とともに都道府県、市区町村は、国民保護法に基づいて、国民保護計画や訓練計画を策定しているとされるものの、有事を想定した国民保護訓練はいずれの自治体においても一度も実施されていない。

沖縄県の島々から、全住民が安全に避難するためには、(一)迅速な避難実施要領の策定、(二)十分な輸送機材(船舶及び航空機)の手配、(三)避難に必要な時間を考慮した避難命令の発令が必要である。(一)は市町村、(二)は沖縄県、(三)は政府と所管がそれぞれ異なるが、住民避難のために、三位一体となって取り組むことが必須である。

特に、沖縄県による輸送機材の準備が遅れたり、政府が避難に必要な時間の見積りを誤って避難警報を発令したりすると、多くの住民が逃げ遅れ軍事衝突の渦中に置かれてしまうおそれがある。

そして、八重山列島が置かれた状況について本年八月の排他的経済水域(EEZ)内への中国ミサイル着弾の事態から鑑みれば、島の外に避難というより住民が居住地区において迅速に危険回避をするためのシェルター整備が焦眉の課題となったこともまた、明白である。

以上を鑑みるならば、沖縄県及び市町村職員は政府や自衛隊を始めとする関係機関と連絡を密にし、平素から国民保護に関する理解を深め、訓練を繰り返しておくことが必要である。また、日本全国はもとより、特に発生が懸念される「台湾有事」において軍事的衝突の渦中に置かれかねない沖縄県などで住民が緊急避難するためのシェルター整備を早急に進め、必要なら法改正措置によりこれを推進しなくてはならない。しかしながら現状で見る限り、沖縄県においてすら避難計画の十分な検討や訓練、シェルター整備の計画が行われていないという状況は極めて深刻な事態だと考える。

そこで、以下質問する。

一 国民保護法制に基づく避難計画を確立し、実地の訓練実施に向けて政府として都道府県や市町村に対して過去、いかなる連絡や調整を行ってきたのか。都道府県別の取組について、いつどのような施策が採られているのか具体的に示されたい。

二 国民保護に関わる訓練は、政府、都道府県、市区町村が三位一体となり各段階での実施段階での問題を明らかにしながら必要な態勢整備を図り得る定期的な訓練が必要と考える。各都道府県、市町村段階で全体として訓練計画の策定状況及び市町村から都道府県、国レベルまでが結合した総合的訓練の実施はどこまで具体化されているのか。まだ訓練計画が具体化されていない場合、訓練エリアの決定、訓練目標の設定、実施計画等の策定等については、国から都道府県、市町村に対してどのような働きかけをしながら推進されることになるのか、示されたい。

三 台湾・沖縄有事の際、県民及び旅行者や駐在員など一時的滞在者の沖縄県外への避難も想定される。特に沖縄県について、他の都道府県までまたぐ避難訓練を実施する計画はあるか。その場合、都道府県をまたぐ調整や全体統括はどの機関が担うのか。訓練及び実際の事態における計画実施の両面において、明らかにされたい。

四 現在、台湾有事に備えた先島諸島十万人の避難訓練が課題となっている。沖縄県及び石垣市を始めとする関係自治体を含めた計画の具体化、訓練実施に向けての取組は現在、どういう状況にあるのか示されたい。

五 国として、武力攻撃事態等において国民が緊急避難するためのシェルター整備について、現状の認識や今後の取組に対する考え方を明らかにするため、以下の点についてそれぞれ示されたい。

1 我が国における避難シェルター整備について、主要国における対象人口に対応した避難用必要数の充足率との比較において整備状況を示されたい。主要国とは、米国や主なEU諸国、周辺国のうちの中国、韓国、台湾、ロシアなどでデータのあるものを我が国との比較において示されたい。

2 我が国においてシェルターを整備する場合、(一)堅固な建築物(住宅)のシェルター化、(二)地下商店街・地下道・地下鉄・地下駐車場など既存の地表下施設の改修、(三)国や自治体等が新規に造成、の方向が考えられる。これらを推進するには整備計画と造成・改修費用の補助制度が必要と考えられるが、国としての具体的な計画や適用できる補助制度はあるか。国として今後どう進めていくのか。

3 沖縄県においては、前述した状況からシェルター整備が焦眉の課題となっていることが明らかで、国として県や関係自治体とともに直ちに着手すべきと考えるが、現状の取組と今後の見通しについて明らかにされたい。また、沖縄県がたびたび台風などに直撃されることや、今後予想できない大震災の発生による津波その他の被害に備えて、大規模災害時に住民が避難し緊急事態下で命を長らえるための施設としての整備も、沖縄県における災害救援体制の強化として重要と考えるが、政府の考え方を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

政府としては、国及び地方公共団体が共同で実施する国民の保護のための措置についての訓練(以下「国民保護共同訓練」という。)の実施について、各地方公共団体に継続的な働きかけを行うとともに、これまで実施してきた国民保護共同訓練の成果について、都道府県に対し、情報提供を行っているところである。

これらを受け、地方公共団体においても、例えば、令和三年度には、大分県において、空港施設の爆破・火災事案等を想定した国民保護共同訓練を行うなど、都道府県警察、海上保安庁、自衛隊等の関係機関と連携しながら、様々な事態を想定した訓練を実施しているところである。

二について

お尋ねの「各都道府県、市町村段階で全体として訓練計画の策定状況」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和四年度において、国民保護共同訓練は三十四道府県で実施することとされているところである。

お尋ねの「市町村から都道府県、国レベルまでが結合した総合的訓練の実施」については、武力攻撃事態等(武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号。以下「事態対処法」という。)第一条に規定する武力攻撃事態等をいう。以下同じ。)及び緊急対処事態(事態対処法第二十二条第一項に規定する緊急対処事態をいう。)を想定し、国が重点的に企画及び立案を行い、特定の地方公共団体と行う国民保護共同訓練を実施している。当該国民保護共同訓練については、令和三年度以降、全国を六ブロックに区分した上で、輪番で実施することとしており、実施する都道府県について現時点で令和八年度分まで決定しているところである。

三及び四について

武力攻撃事態等に至ったときは、閣議決定された対処基本方針(事態対処法第九条第一項に規定する対処基本方針をいう。)に基づき、対策本部長(事態対処法第十一条第一項に規定する対策本部長をいう。)が都道府県知事に対し避難措置の指示を行うものとされており、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号。以下「国民保護法」という。)第三十二条第一項の規定に基づき定められた「国民の保護に関する基本指針」(平成十七年三月二十五日閣議決定。以下「基本指針」という。)においては、「対策本部長は、着上陸侵攻の場合など都道府県の区域を越える避難措置の指示を行う場合には、要避難地域を管轄する都道府県知事から避難すべき住民の数や想定される避難の方法等について、避難先地域を管轄する都道府県知事から避難住民の受入能力等についてそれぞれ意見を聴き、それを踏まえて、国の方針として具体的な要避難地域や避難先地域等について避難措置の指示を行い、都道府県知事による避難の指示が円滑にできるようにするものとする」とした上で、「都道府県の区域を越える避難の場合には、要避難地域の都道府県と避難先の都道府県及び避難の経路となる地域の都道府県との間で避難住民の受入れ、移動時の支援等に関する協議を実施するものとし、必要に応じ市町村その他の関係機関は協議に参加するものとする」としているところである。

沖縄県においては、令和四年度末に県による訓練の実施を予定していることに加え、令和八年度に国民保護共同訓練を実施することを予定しており、都道府県の区域を越える避難訓練とするか否かや参加する市町村の範囲を含めた実施内容について、今後検討することとしている。なお、これらの訓練は特定の事態を想定したものではない。

五について

御指摘の「シェルター」及び「避難シェルター」について確立した定義はないと承知しており、御指摘の「主要国における対象人口に対応した避難用必要数の充足率」は把握していないが、国民保護法第百四十八条第一項及び第百八十四条第一項の規定により、都道府県知事等は、武力攻撃事態等において住民を避難させ、又は避難住民等の救援を行うため、あらかじめ、一定の基準を満たす施設を避難施設として指定しなければならないとされているところであり、全国における当該指定を受けた避難施設の数は、令和三年四月一日時点で九万四千百二十五か所である。

また、政府としては、武力攻撃事態等における住民の避難に関し、弾道ミサイルの着弾の衝撃や爆風により発生する被害をできる限り軽減する観点から、コンクリート造り等の堅ろうな施設や建築物の地階、地下街、地下駅舎等の地下施設への避難が有効であると認識している。御指摘の「補助制度」は存在しないが、基本指針において、都道府県知事等による避難施設の指定に当たっての留意事項として「爆風等からの直接の被害を軽減するための一時的な避難に活用する観点から、コンクリート造り等の堅ろうな建築物や地下街、地下駅舎等の地下施設を指定するよう配慮する」ことを明記しており、全国における当該記載に該当する避難施設の数は、前記の指定を受けた避難施設のうち五万千九百九十四か所である。沖縄県におけるものを含め、これらの避難施設の多くが災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第四十九条の四第一項に規定する指定緊急避難場所又は同法第四十九条の七第一項に規定する指定避難所としても指定されているところである。

内閣官房を中心とした関係省庁においては、沖縄県を含む全国において、国民保護法第百四十八条第一項及び第百八十四条第一項の規定に基づく都道府県知事等による避難施設の指定を推進するとともに、武力攻撃を想定した避難施設の在り方に関し、一定期間滞在可能な施設とする場合における必要な機能や課題等について、諸外国の調査も行うなどして、検討を進めているところである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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