ことばで探す › 参議院 第179回
沖縄県久米島町鳥島の領土保全の在り方に関する質問主意書
参議院 第179回 第58号
質問本文
沖縄県久米島町の鳥島は久米島の北方約二十八キロメートルに位置し、我が国の領海の確保に貢献する貴重な国境離島である。鳥島は日米地位協定に基づいて、沖縄復帰後以降、射撃訓練が行われてきたところであるが、度重なる訓練により島の形が変わったと地元では指摘されている。
かつて三十五メートルあった標高が十五メートルまで低下しているという地元の声が事実ならば、このままでは島が海面下に沈むことが危惧される。我が国の領土及び領海を守るために早急な対応を取るべきであり、国益を守る観点から、以下質問する。
一 国民の生命・身体・財産を守るべき国が、鳥島を守ることにより、領海を確保し、国益を守ることの必要性について、政府の見解如何。
二 二〇一〇年六月二十四日施行の「排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律」を根拠に、鳥島という国土は守られるという口約束が米国との間で存在するとの外務省職員の説明があったが、誰が、いつ、どこで(どの国際会議で)、米国の誰と口約束を交わしたのか明らかにされたい。
三 「排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律施行令」には、保全地点が明記されており、鳥島全域がその対象となっている。また、長崎県男女群島鮫瀬の低潮線が約二キロメートル後退すると約七十八平方キロメートル(東京ドーム約千七百個分)の排他的経済水域面積が減少するとの国の試算がある。鳥島の現在の低潮線が海面下に沈んだ場合の排他的経済水域面積の損失についての影響も、政府は当然のごとく把握しているはずである。影響を受ける排他的経済水域面積を示されたい。
四 昨年より、一年に一度の地形調査が防衛省により行われているが、防衛省が一年後、鳥島の消失に責任を持てるのか。その結果を待つことなく、鳥島が海面下に沈まないように、米国に対して我が国の領土保全を早急に要請すべきと考えるが、政府の見解如何。
五 米空軍による射爆撃は日常的に実施することが可能になっている。鳥島が我が国の領土保全に重要な島であるならば、地形調査の頻度は一年に一回では不十分である。加えて、人工衛星による恒常的かつ高精度な地形情報を把握し、必要に応じて、関係省庁とアメリカに情報提供し、鳥島の領土保全対策について協議すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
六 久米島への民間航空経路は、米空軍の訓練空域を迂回することにより、直線距離では約百キロメートルで済むところが百四十キロメートルもの長距離となっている。これによる航空料金の負担増加分を島民または久米島訪問者に負担させる合理的理由について、政府の見解如何。米国と地位協定を交わした国こそが負担すべきと考えるが、政府の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一、二、四及び五について
沖縄県久米島町の鳥島は、昭和四十七年五月十五日に開催された、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第二十五条1の規定に基づき設置された合同委員会(以下「日米合同委員会」という。)において、日米地位協定第二条1(a)の規定に従い、鳥島射爆撃場として、米軍による使用が許されることが合意されている。
政府としては、海洋における我が国の主権的権利等の確保の観点からも、御指摘の鳥島を始めとする国土の保全を図ることは重要な問題であると認識しており、排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律(平成二十二年法律第四十一号)第二条第五項に規定する低潮線保全区域(以下「保全区域」という。)に係る同法の規定の施行に当たり、平成二十三年六月二日に開催された日米合同委員会において、日本側から、鳥島射爆撃場において米軍が射爆撃訓練を行う際には、保全区域について配慮することを要請し、米側から、同法の重要性に鑑み、保全区域について配慮する旨の回答があった。
また、防衛省において、平成二十二年度から鳥島の地形図等を作成するための測量調査を開始し、本年度においても調査を実施しているところである。平成二十二年度の調査結果については、関係省庁間で情報共有を図るとともに、米側に対しても情報提供したところであり、本年度の調査結果についても同様に措置する予定である。
いずれにせよ、政府としては、鳥島の保全について、防衛省における調査結果を踏まえつつ、今後とも適切に対応してまいりたい。
三について
我が国が鳥島の存在により保持している排他的経済水域の面積は、約五百平方キロメートルである。
六について
国内航空運賃については、航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第百五条の規定により、国土交通大臣への届出制とされているところ、本邦航空運送事業者において、様々な要素を考慮して設定しているものと承知しており、御指摘のように航空運賃が高く設定されているか否かについては、一概に判断することはできないものと考えている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。