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寄附の勧誘を行うに当たっての配慮義務等に関する質問主意書

参議院 第210回 第79号お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×6個別の事案 ×2

提出者
参議院
提出日
2022年12月10日
内閣転送 2022年12月10日
答弁書受領日
2022年12月23日
提出から13日
答弁の項目数
9
質問 1,990字/答弁 2,286字

質問本文

一 法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(以下「法」という。)の第三条各号の事項を配慮すべき事項として規定した趣旨について説明されたい。これらの事項に係る事態であれば個人に対する権利侵害が生じていると考えられるものを類型化等したものなのか。

二 法第三条について、寄附の勧誘を行い、第三条第一号の「寄附の勧誘が個人の自由な意思を抑圧し、その勧誘を受ける個人が寄附をするか否かについて適切な判断をすることが困難な状態に陥」っている相手方から寄附が行われたのであれば、そのことだけをもって、民法の不法行為が存在する、あるいは、その存在が推定や推認される、もしくは、認定されるものと考えてよいか。

また、同条第二号の「生活の維持を困難にする」事態が生じる状態、また、同条第三号の「事項」を明らかにせず、同号の「誤認」をさせるおそれがある状態で、相手方に対し、寄附の勧誘を行い、その相手方から寄附が行われた場合についても、前記と同様なのではないか。

三 前記一及び二について、第三条第一号の「寄附の勧誘が個人の自由な意思を抑圧し、その勧誘を受ける個人が寄附をするか否かについて適切な判断をすることが困難な状態」、同条第二号の「生活の維持を困難にする」事態が生じる状態、同条第三号の「誤認」をさせるおそれがある状態であれば、個人に対する何らかの権利侵害があるものと考えてよいか。

四 仮に、前記二及び三について、不法行為あるいは個人に対する何らかの権利侵害が存在しない、あるいはその存在が推定や推認されない、もしくは、認定されない場合があると考えるのであれば、それは、どのような場合で、どのような理由によるものと考えるか。

五 前記二で問題としているケースでは、それぞれの「状態」が生じたことについて、法人等が、そうならないように配慮する義務を果たせていないことになる。そうであれば、少なくとも、不法行為の要件である「過失」は認められるのではないか。

六 政府は、「このような配慮義務を規定するということで、これに反するような不当な勧誘行為が行われた場合には、民法上の不法行為の認定、それに基づく損害賠償請求が容易になるということで、被害救済の実効性は高まるものというふうに考えておるところでございます」と答弁しているが、なぜ、「民法上の不法行為の認定が(中略)容易になる」と考えているのか。前記一から五までの質問とその答弁も踏まえつつ、見解を示されたい。

七 寄附の勧誘を行い、その相手方を第三条第一号の「寄附の勧誘が個人の自由な意思を抑圧し、その勧誘を受ける個人が寄附をするか否かについて適切な判断をすることが困難な状態に陥」らせることは、民法第九十条の公序良俗に反するのではないか。

八 法第三条の規範の法的性質如何。第三条は、一般に基本理念や基本原則として定められる規定のような訓示的な規範にとどまらず、法人等に対し、具体的な法律上の義務を課した規定なのかどうか示されたい。また、法人等が配慮義務に反する行為をしたときには、行政法上「違法」と評価され、例えば、その是正のために第六条に定める勧告以外の行政指導についてもこれを行い得るのか。当該「違法」の評価に至らない場合の勧告以外の行政指導の可能性も含め答弁されたい。

九 法第三条に反していることについて、衆議院修正後の第六条で「第三条の規定に違反し」とせず、「第三条の規定を遵守していない」という表現が用いられているが、第三条は、「違反」を問うような性質のものではないのか。

十 衆議院修正後の第六条の「勧告」の要件として、「法人等が第三条の規定を遵守していないため、当該法人等から寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合において、更に同様の支障が生ずるおそれが著しいと認めるとき」と定められているが、第三条の配慮義務が「遵守」されていなければ、自ずと「当該法人等から寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合」に該当するのではないか。

第三条の配慮義務が「遵守」されていない場合で、第六条の「著しい支障が生じていると明らかに認められる場合」に該当しない場合があるとすれば、それは、どのような場合で、どのような理由によるのか。

十一 第六条の勧告が行われた場合には、政府として「当該法人等から寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる」と判断したことになる。そうであれば、当該勧告を行うことは、その基となった事案や、同様の手法で行われる寄附の勧誘について、不法行為が認定されるべきものであるとの政府の認識を明らかにし、事実上、当該個人の救済を助けることにつながると考えられるが、如何。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「これらの事項に係る事態であれば個人に対する権利侵害が生じていると考えられるものを類型化等したもの」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(令和四年法律第百五号。以下「本法」という。)第三条は、社会通念上不当な寄附の勧誘によって個人の利益が害されるおそれがあることを踏まえ、法人等が寄附の勧誘を行うに当たって特に問題となる事項を類型的に掲げ、当該事項に十分に配慮しなければならないことを規定するものである。

二から四までについて

一についてで述べたとおり、本法第三条は配慮義務を定めたものであるところ、同条各号に掲げる事項を遵守しない寄附の勧誘により寄附が行われた場合については、当該勧誘の態様や当該寄附に関するその他の事情を理由として、民法(明治二十九年法律第八十九号)上の不法行為が成立することがあり得るものと考えられる。

他方で、個々の事案において、本法第三条各号に掲げる事項を遵守しない寄附の勧誘により寄附が行われた場合について民法上の不法行為が成立するか否かは、様々な事情を考慮して個別具体的に判断されるものであることから、一概にお答えすることは困難である。

五について

御指摘の「前記二で問題としているケースでは、それぞれの「状態」が生じたことについて、法人等が、そうならないように配慮する義務を果たせていないことになる」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、寄附の勧誘を行うに当たって本法第三条の配慮義務の不遵守があった場合において民法上の不法行為の要件である過失が認められるか否かについては、様々な事情を考慮して個別具体的に判断されるものであることから、一概にお答えすることは困難である。

六について

本法において法人等が寄附の勧誘を行うに当たって配慮すべき事項が明文で定められていることや本法第三条の規定の内容は、個々の事案において民法上の不法行為が成立するか否かを判断するに当たり参考になるものと考えている。

七について

本法第三条の規定(第一号に掲げる部分に限る。)を遵守しない寄附の勧誘によりされた寄附の意思表示が民法第九十条の公の秩序又は善良の風俗に反するものとして無効になるか否かについては、様々な事情を考慮して個別具体的に判断されるものであることから、一概にお答えすることは困難である。

八について

一についてで述べたとおり、本法第三条は、社会通念上不当な寄附の勧誘によって個人の利益が害されるおそれがあることを踏まえ、法人等が寄附の勧誘を行うに当たって特に問題となる事項を類型的に掲げ、当該事項に十分に配慮しなければならないことを規定するものである。また、お尋ねの「行政法上「違法」と評価され、例えば、その是正のために第六条に定める勧告以外の行政指導についてもこれを行い得るのか」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、本法第六条第一項においては、内閣総理大臣は、法人等が本法第三条の規定を遵守していないため、当該法人等から寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合において、更に同様の支障が生ずるおそれが著しいと認めるときは、当該法人等に対し、遵守すべき事項を示して、これに従うべき旨を勧告することができることとされている。

九について

お尋ねの「第三条は、「違反」を問うような性質のものではないのか」の具体的に意味するところが明らかではないことから、お答えすることが困難である。なお、令和四年の第二百十回国会における法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の審議において、同法律案第六条として配慮義務の遵守に係る勧告等の規定を設ける修正をした修正案の提案者(十一についてにおいて「修正案の提案者」という。)からは、修正後の同条について、修正後の同条の要件を満たした場合に勧告、公表及び報告徴収の対象とすることによって、配慮義務が遵守されないことによる支障が拡大することを防止するとともに、勧告をした旨を公表することによって被害を未然に防止することの実効性を図ることができるものと考えている旨の説明がされている。

十について

お尋ねの「第三条の配慮義務が「遵守」されていなければ、自ずと「当該法人等から寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合」に該当する」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、法人等による本法第三条の配慮義務の不遵守があった場合において、本法第六条第一項の要件を満たすか否かは、様々な事情を考慮して個別具体的に判断されるものであることから、一概にお答えすることは困難である。

十一について

お尋ねの「当該勧告を行うことは、その基となった事案や、同様の手法で行われる寄附の勧誘について、不法行為が認定されるべきものであるとの政府の認識を明らかにし、事実上、当該個人の救済を助けることにつながると考えられる」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、九についてで述べたとおり、修正案の提案者からは、修正後の本法第六条について、修正後の同条の要件を満たした場合に勧告、公表及び報告徴収の対象とすることによって、配慮義務が遵守されないことによる支障が拡大することを防止するとともに、勧告をした旨を公表することによって被害を未然に防止することの実効性を図ることができるものと考えている旨の説明がされている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×6個別の事案 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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