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旧統一教会等による霊感商法や過大な寄附に関する質問主意書

衆議院 第210回 第14号お答えすることは困難 ×6趣旨が明らかではない ×1個別の事案 ×6

提出者
日本維新の会
提出日
2022年10月19日
内閣転送 2022年10月24日
答弁書受領日
2022年10月28日
提出から9日
答弁の項目数
9
質問 2,470字/答弁 2,413字

質問本文

「旧統一教会」(現在は世界平和統一家庭連合)に関しては、その霊感商法や過大な献金が社会問題化しており、被害救済を求める裁判も多数提訴されている。

しかし、被害実態に即して実定法が整備されておらず、不当な商法や過大な寄附を制限する民事法が存在しなければ、たとえ被害者たちが被害救済を求めて提訴したとしても、救済されない。

よって、以下のとおり質問する。

一 寄附者自らが返還を請求するケース

1 ある信者(以下、Aという)が、ある宗教団体(以下、Bという)によるマインドコントロール下において、Bに対して、Aの収入や資産に比して過大な寄附をした場合、現行民法や消費者契約法に基づき、AはBに対して、その寄附を取り戻すことはできるか。

現行法においても、AがBから過大な寄附を取り戻すことができるのであれば、その根拠条文と法律構成を回答されたい。

2 1記載の事例において、Aは、民法第九十六条第一項に基づきBの「詐欺」を理由に取り消し、Bから寄附を取り戻すことが可能か。また、Aをマインドコントロール下に置いたのは、Bの信者であるCの行為に基づく場合、Aは、民法第九十六条第二項の「詐欺」として取り消し、Bから寄附を取り戻すことが可能か。

3 1記載の事例において、Aは、民法第九十六条第一項に基づきBの「強迫」を理由に取り消し、Bから寄附を取り戻すことが可能か。また、Aをマインドコントロール下に置いたのは、Bの信者であるCの行為に基づく場合、Aは、民法第九十六条第一項の「強迫」として取り消し、Bから寄附を取り戻すことが可能か。

4 1記載の事例において、Aは、民法第九十五条第一項にいう「錯誤」として取り消し、Bから寄附を取り戻すことが可能か。また、Aをマインドコントロール下に置いたのは、Bの信者であるCの行為に基づく場合、Aは、民法第九十五条第一項の「錯誤」として取り消し、Bから寄附を取り戻すことが可能か。

5 1記載の事例において、Aは、消費者契約法第四条第三項第六号に基づいて取り消し、Bから寄附を取り戻すことが可能か。また、Aをマインドコントロール下に置いたのは、Bの信者であるCの行為に基づく場合、Aは、消費者契約法第四条第三項第六号に基づいて取り消し、Bから寄附を取り戻すことが可能か。

6 1記載の事例において、Aは、民法第九十条に基づき、その無効を主張し、Bから寄附を取り戻すことが可能か。また、Aをマインドコントロール下に置いたのは、Bの信者であるCの行為に基づく場合、Aは、民法第九十条に基づいてその無効を主張し、Bから寄附を取り戻すことが可能か。

7 民法第九十条に関して、債権法改正時の「中間試案」では「相手方の困窮、経験の不足、知識の不足その他の相手方が法律行為をするかどうかを合理的に判断することができない事情があることを利用して、著しく過大な利益を得、又は相手方に著しく過大な不利益を与える法律行為は、無効とする。」と提案されており、この中間試案が採用されていたならば、1の事例もカバーされ、Aは救済されたのではないか。

この「中間試案」が採用されていたならば、旧統一教会などの霊感商法や過大な献金に対応できたにもかかわらず、上記中間試案を採用しなかったのは何故か。誰(個人名ではなく、例えば日本弁護士連合会などの業界団体名等)から、どのような反対意見があったのか。そして、政府は何故その反対意見に従ったのか。

8 2ないし6に挙げた民法第九十条、同法第九十五条、同法第九十六条、消費者契約法第四条第三項第六号のほかに、Aが、Bによるマインドコントロール下において、Bに対して、Aの収入や資産に比して過大な寄附をした場合、その寄附を取り戻すことができる根拠条文はあるか。

二 寄附者自らは返還を請求しないケース

一の各事例は、Aがマインドコントロールから解放された後に、Bに対して自ら過大な寄附の返還を請求するケースであるが、一方では、Aがマインドコントロールから解放されず、よって、A自らは過大な寄附の返還を請求しないものの、Aの過大な寄附によって、Aの配偶者や子らの生活が困窮する場合、Aに代わって、Aの配偶者や子がその寄附を取り消し、あるいは無効を主張して、Bに対して過大な寄附の返還を請求することができるか。できるのであれば、その根拠条文と法律構成を回答されたい。

三 寄附者の財産管理権の制限

1 Bによるマインドコントロール下にあって、Bに対して、その収入や資産に比して過大な寄附を行い、本人やその家族を困窮させるAについて、その財産管理権を制限することは可能か。

2 1の事例において、民法第七条に基づき、Aにつき成年後見開始の審判をすることが可能か。あるいは民法第十一条に基づき、Aにつき保佐開始の審判をすることが可能か。あるいは民法第十五条に基づき、Aにつき補助開始の審判をすることが可能か。

3 1の事例について、現行法においては、Aがマインドコントロールから解放されない限り、Aや、その配偶者、子を保護することは不可能か。

4 平成十一年改正において、準禁治産制度が廃止され、「浪費」が宣告事由から除かれたのは何故か。

5 平成十一年改正前は、Aが、Bによるマインドコントロール下において、Bに対して、その収入や資産に比して過大な寄附を行い、Aの配偶者や子の生活が困窮した場合、Aに対して「浪費」を理由に準禁治産宣告を求め、Aの財産を保全するケースがあった。ところが、4のとおり「浪費」が宣告事由から除かれたので、これが不可能になった。ついては、過大な寄附を「浪費」として認定し、Aや、その配偶者、子を保護するため、成年後見、保佐あるいは補助の開始事由として「浪費」を追加するべきではないか。

または、マインドコントロールの下で過大な寄附などを行い、その結果、本人の財産に著しい損害が発生することを、成年後見、保佐あるいは補助の開始事由として追加するべきではないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1から6までについて

お尋ねの「マインドコントロール」及び「収入や資産に比して過大な寄附」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。なお、一般論としては、ある信者(以下「A」という。)のある宗教団体(以下「B」という。)に対する意思表示が民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十六条第一項若しくは第二項の詐欺による意思表示、同条第一項の強迫による意思表示又は同法第九十五条第一項の錯誤に基づく意思表示に当たる場合には、Aは、その意思表示を取り消し、寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。また、AのBに対する寄附が消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第三項に規定する「消費者契約」に該当し、AのBに対する意思表示が、Bの同法第四条第三項第六号に該当する行為によりAが困惑し、それによってAがした当該消費者契約の申込み又は承諾の意思表示に当たる場合には、Aは、その意思表示を取り消し、寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。さらに、AのBに対する寄附が公序良俗に反する場合には、その寄附は民法第九十条により無効であり、Aは、寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。

一の7について

前段のお尋ねについては、仮定に基づくお尋ねであり、お答えすることは差し控えたい。

後段のお尋ねについては、平成二十五年二月二十六日に法制審議会民法(債権関係)部会が取りまとめた「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」における提案はいわゆる暴利行為を無効とする旨の規律を設けようとするものであるところ、何をもって暴利行為というかを抽象的な要件で規定すると、取引への萎縮効果が生ずるとして、経済団体を中心に明文の規定を設けることに反対する意見があったこと、及び無効とされるべき暴利行為の内容が確立しているとは言い難い現状において、その要件を適切に設定することは困難であり、また、現時点で一定の要件を設定することで将来の議論の発展を阻害しかねないとも考えられたことから、暴利行為を無効とする旨の規律を第百八十九回国会に提出した民法の一部を改正する法律案に盛り込まなかったものである。

一の8について

お尋ねの「マインドコントロール」及び「収入や資産に比して過大な寄附」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。

二について

お尋ねの「マインドコントロール」及び「過大な寄附」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。なお、一般論としては、Aの配偶者又は子(以下「配偶者ら」という。)が寄附の前の原因に基づいて生じた債権をAに対して有している場合において、Aの寄附が民法第四百二十四条第一項の「債務者が債権者を害することを知ってした行為」に該当するときは、配偶者らがその寄附を取り消し、その寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。また、配偶者らが期限が到来した債権をAに対して有している場合において、同法第四百二十三条第一項の「自己の債権を保全するため必要があるとき」の要件を満たし、かつ、Aが寄附を取り消し、寄附によって移転した財産の返還を請求する権利を有するときは、配偶者らが当該権利を行使することができる。

三の1について

お尋ねの「マインドコントロール」、「収入や資産に比して過大な寄附」及び「財産管理権を制限すること」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。

三の2について

三の1においてお尋ねの「マインドコントロール」及び「収入や資産に比して過大な寄附」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、民法第七条、第十一条又は第十五条の各要件に該当するか否かについては、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。

三の3について

三の1においてお尋ねの「収入や資産に比して過大な寄附」並びにお尋ねの「マインドコントロール」及び「保護」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個別具体的な事案に即して判断する必要があるため、お答えすることは困難である。なお、一般論としては、一の1から6までについてでお答えしたとおり、民法及び消費者契約法上の一定の要件を満たす場合には、Aは、Aの寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。また、二についてでお答えしたとおり、民法上の一定の要件を満たす場合には、配偶者らは、Aの寄附によって移転した財産の返還を請求することができる。

三の4について

民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号。以下「改正法」という。)は、禁治産制度及び準禁治産制度を見直し、後見、保佐及び補助の制度等からなる成年後見制度を導入したものである。改正法の趣旨は、本人の意思の尊重、自己決定の尊重、ノーマライゼーション等の理念と本人の保護の理念との調和を図りながら、できる限り利用しやすい制度を実現することにあった。

改正法においては、十分な判断能力を有する者の金銭等の費消方法について制限を加えるということは、本人の意思の尊重等の改正法の趣旨に照らして相当ではないと考えられたことから、浪費者を成年後見制度の対象としなかった。

三の5について

お尋ねの「マインドコントロール」及び「過大な寄附」の意味するところが必ずしも明らかではないが、三の4についてで述べた改正法の趣旨等に照らし、成年後見制度の対象を拡大することについては、慎重な検討が必要であると考えている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×6趣旨が明らかではない ×1個別の事案 ×6

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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