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NPOやNGO等の非営利組織や政治団体に寄附規制が適用されることへの懸念に関する質問主意書

参議院 第210回 第57号趣旨が明らかではない ×3

提出者
参議院
提出日
2022年12月7日
内閣転送 2022年12月9日
答弁書受領日
2022年12月16日
提出から9日
答弁の項目数
3
質問 1,724字/答弁 963字

質問本文

令和四年十二月一日、政府は、「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案」(以下「本法律案」という。)を閣議決定し、同日国会に提出した。本法律案は、旧統一教会に関する「霊感商法」の問題をきっかけとして起草されたものであるが、霊感商法にとどまらず、法人に対する寄附一般を幅広く規制する内容となっている。霊感商法等の被害者救済に取り組むことに反対するものではないが、我が国には、宗教法人以外にもNPOやNGO等の非営利組織や、政治団体など様々な団体があり、これらは活動資金の調達の多くの部分を寄附に依存しており、こうした団体を含む法人等にまで寄附規制の枠が適用されることについて、関係者から懸念の声が上がっている。

例えば、特定非営利活動法人国際協力NGOセンターは本年十一月十四日付け「「寄付規制法案」に対する緊急声明」で、「日本における寄付行為は、宗教団体のみならず、私たち国際協力NGOをはじめとする非営利組織(NPO)や市民社会組織、市民社会活動団体の活動を支える大切な社会貢献活動です。その状況は団体によってさまざまであり、一律に規制することは実態になじみません」、「「寄付規制法案(仮称)」等の拙速な制定に強く反対すると共に、寄付者・NPO・NGO等の当事者を交えた丁寧な議論を行い、法制定の必要性や立法事実、法制定にかかる影響や効果等を検討することを求めます」と表明している。

そもそも今回、この問題をきっかけとして開催された検討会は、「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」(消費者庁)のみであり、規制を受けることで多大な影響を受ける可能性がある様々な法人に対し、ヒアリングや実態調査等は行われていない。

NPOやNGO等の非営利組織や政治団体は、世の中の課題を解決するために日々活動を行っている。政府は、これまで、「新しい公共」という考え方で、広く社会に貢献しようとする一般市民の活動が寄附によって賄われる世の中をつくるため、寄附税制の拡充等を進めてきた。しかしながら、罰則を伴うにもかかわらず関係団体等の詳細な調査や意見聴取を行わないまま今国会で成立が図られようとしている本法律案は、それぞれの団体がその活動目的を遂げるために寄附活動を展開するとともに、これに国民が応えていくというマインドと言論を委縮させることになりかねない。

旧統一教会に限らず詐欺的な霊感商法やマインドコントロール下に被害者を置いての高額寄附取り立てなどによる被害の救済は、これが長く放置されてきた経緯を鑑みても早急に取り組まなければならないが、本法律案は救済という範疇にとどめることができない多くの団体に影響を与える寄附の規制の論点について、極めて不十分な検討、調査で進められてきたものと言わざるを得ない。

こうした立場から、質問する。

一 本法律案の対象となるのは、宗教法人のみならず、幅広い団体に及ぶものであり、NGOやNPO団体からは、実態把握や聞き取り調査が行われていないことは遺憾で、寄附についての一律規制には慎重な議論が必要であるとの意見もある。これらの意見について、いかなる対応を行うのか。法運用の面で団体の活動や寄附を集めること、寄附を行うことに不必要なブレーキをかけることのないような配慮及び問題が生じた際の法改正を含む適切な対応を実施していくつもりはあるのか。

二 本法律案が成立することによって、政府が従来とってきた「新しい公共」推進方針は影響を受けるか、あるいは転換されるのか。そうでないならば、本法律案又は施行に際しての方針若しくは政令に「新しい公共」推進方針がどのように担保されていくのか、具体的に示すべきと考えるが、政府の見解如何。

三 松野博一官房長官は、本年十二月一日午後の会見で、本法律案について「成立した際も条文の解釈の明確化を図るなどにより、実効性のある制度とする」と述べた。この発言は、本法律案の条文が解釈上明確でない点が残されているということではないのか。本法律案が幅広く法人を対象としており、運用に当たり解釈に疑義が生じないような法律上の条文構成とすべきではないのか、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(令和四年法律第百五号。以下「本法」という。)に対し、御指摘の「NGOやNPO団体からは、実態把握や聞き取り調査が行われていないことは遺憾で、寄附についての一律規制には慎重な議論が必要であるとの意見」も含めて懸念が示されたことは承知しており、それを踏まえて、本法第十二条においては、特定非営利活動法人を含む法人等の活動において寄附が果たす役割の重要性に留意しつつ、個人及び法人等の学問の自由、信教の自由及び政治活動の自由に十分に配慮しなければならないこととされている。

また、お尋ねの「法運用の面で団体の活動や寄附を集めること、寄附を行うことに不必要なブレーキをかけることのないような配慮及び問題が生じた際の法改正を含む適切な対応」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、本法附則第五条においては、政府は、本法の施行後二年を目途として、本法の規定の施行の状況及び経済社会情勢の変化を勘案し、本法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとされている。

二について

お尋ねの「政府が従来とってきた「新しい公共」推進方針は影響を受けるか、あるいは転換されるのか」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として申し上げれば、政府としては、共助社会づくりの観点から、社会的課題を解決するために、特定非営利活動法人等の活動の促進に向けた環境整備を進めるとともに、官民連携による協働の促進に取り組んでいるところである。なお、一についてで述べたとおり、本法においても、その運用に当たっては、特定非営利活動法人を含む法人等の活動において寄附が果たす役割の重要性に留意すべきものとされている。

三について

御指摘の松野内閣官房長官の発言は、本法について実効性のある制度とする努力を続ける必要性を述べたものである。お尋ねの「本法律案の条文が解釈上明確でない点が残されている」及び本法の「運用に当たり解釈に疑義が生じないような法律上の条文構成とすべきではないのか」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、今後とも、本法が適切に運用されるよう、必要に応じ、本法の規定について所要の解釈を示していきたいと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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