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介護が家族に与える負担の影響に関する質問主意書

参議院 第212回 第137号趣旨が明らかではない ×2

提出者
参議院
提出日
2023年12月13日
内閣転送 2023年12月13日
答弁書受領日
2023年12月26日
提出から13日
答弁の項目数
5
質問 1,697字/答弁 1,911字

質問本文

一 家族等介護者支援について

経済的な負担を始め、介護にかかる様々な負担を抱えながらも、要介護者を日々懸命に支えているのが、家族介護者、ケアラーの皆様である。これまで、介護を行う家族に対する政府の支援は十分であったとは言えない。家族の介護を原因とする退職、転職、それに伴う収入の減少、健康状態の悪化、周囲からの孤立などの様々な要因で支援を必要としているケアラーがいる。非常に深刻なケースでは、ケアラーの自殺、老老介護の末の介護殺人などの報道もなされている。

厚労省は、令和三年度の介護報酬改定における訪問介護に係る引上げ措置、地域包括支援センターを中心とした取組等を進めてきたと承知している。しかし、例えばケアラーの自殺といった悲惨な事件が周囲からの孤立などを背景にして起こっていることを考えると、支援を必要とするケアラーを医療機関等につなげる仕組みを創設するなど、今までの受け身型の支援にとどまらず、一歩踏み込んだ検討が必要と考える。

1 厚労省は、来年度から始まる介護保険事業の基本指針案においても、自治体の支援対策等の方策を打ち出しているが、従来の取組にとどまらない、一歩踏み込んだ取組は行われるのか。

2 また、特に家族の介護に追われる「ヤングケアラー」について、すでに文部科学省も学校現場における相談体制の整備を進めているとのことだが、こうした学校における相談体制と、地域包括支援センターとの連携はどのように図られるのか。

二 ダブルケア対策について

また、核家族化や晩婚化等を背景に、家族の介護を抱える一方で、育児にも追われるといういわゆる「ダブルケアラー」の方が増えている。

政府は平成二十八年にダブルケアの実態に関する調査結果を公表し、その中でダブルケアを行う方の人数を約二十五万人としている。この調査では、ダブルケアに直面することで「業務量や労働時間を変えなくて済んだ」と回答した方というのは、家族の支援が得られたという以外に、「病院・老人福祉施設等が利用できた」「育児サービスを利用できた」方が多いことが分かっている。つまり、制度の充実により、ダブルケアの負担を減らし得ることがうかがえる。しかし、育児と介護という二つの領域にまたがる問題を抱えるダブルケアラーの方が、そうした問題を一元的に相談できる場所はあるのか、明らかにされたい。

三 老老介護拡大の実態と対策について

ケアラーへの支援を考えるに当たって、忘れてはならないのは老老介護の問題である。厚労省の昨年度の調査によれば、六十五歳以上の人を介護する人の六割超が同じ六十五歳以上の高齢者であったとされている。老老介護は、高齢者人口の増加によってこれからもっと当たり前になっていく。また、それぞれのご家族の立場になれば、最後まで自宅で共に暮らしたいとの思いを抱くことはもっともであり、老老介護に携わる家族介護者の支援体制を整えることは急務である。

現在、介護を必要とする高齢者だけでなく家族介護者を地域全体で支えていくという観点から、地域包括支援センターで家族介護者に対する総合相談支援を行うほか、家族介護者を対象とした介護知識や技術の研修、介護者同士の交流会を開催するなどの取組が各地で行われていると承知している。

一方、老老介護が深刻化した形として、認知症患者の介護を認知症である高齢の家族が行ういわゆる認認介護などの場合には、当事者がこうした自治体の支援につながることができないとの問題も指摘されている。そこで、支援を必要とする老老介護、認認介護について、行政側がその存在を把握し、支援につなげるため、どのような取組を行っているのか、明らかにされたい。

四 加重類型に応じた特別な支援について

上記のヤングケアラー、ダブルケア、老老介護、認認介護等は、ただでさえ重い家族介護者の介護負担がより加重された介護類型である。これらについては、今までの(通常の)介護サービスの延長線上のサービスにとどまらず、加重類型に対応した介護メニューの拡充や負担の軽減を検討する必要があると考えるが、政府の見解を伺う。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

お尋ねの「従来の取組にとどまらない、一歩踏み込んだ取組」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省としては、第九期介護保険事業計画期間(以下「第九期計画期間」という。)に向けて、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第百十六条第一項の規定に基づき、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を改正するに当たり、認知症高齢者を介護する家族やヤングケアラーなどの家族介護者の支援に取り組むことが重要であるとの考えの下、社会保障審議会介護保険部会の議論を経た上で、現在、当該考えも盛り込んだ基本指針の改正案を策定中である。基本指針の改正後には、同法第百十七条第一項の規定に基づき、市町村(特別区を含む。以下同じ。)において、当該基本指針に即して、第九期計画期間における市町村介護保険事業計画が定められることになるところ、同計画において、地域の実情に応じて市町村の家族介護者支援を含む取組が定められるものと承知しており、同計画に基づく取組が進められるよう、必要な支援を行ってまいりたい。

一の2について

御指摘の「学校現場における相談体制の整備」の具体的に指し示す範囲が明らかではないが、文部科学省においては、各都道府県教育委員会等を通じて各学校に対して、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等が心理的又は経済的に困難を抱えている児童生徒等の教育相談に際し、関係機関と連携した対応を行うよう通知するとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用の好事例の周知を行っているところ、当該事例として、ヤングケアラーへの支援に関する地域包括支援センターとの連携の事例についても紹介を行っているところである。さらに、令和三年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「多機関連携によるヤングケアラーへの支援の在り方に関する調査研究」において作成された「多機関・多職種連携によるヤングケアラー支援マニュアル」の周知を図っているところであり、引き続き、こうした通知等を通じ、学校や地域包括支援センターも含めた介護や教育等の関係機関における連携が適切になされるよう努めてまいりたい。

二について

御指摘の「ダブルケアラー」のような複雑化・複合化した課題を抱える者からの相談については、市町村において、育児に係る課題が含まれる場合は、利用者支援事業(子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)第五十九条第一号に掲げる事業をいう。)によって相談支援が行われており、また、介護に係る課題が含まれる場合は、総合相談支援事業(介護保険法第百十五条の四十六第一項の規定により地域包括支援センターが行う包括的支援事業のうち同法第百十五条の四十五第二項第一号に掲げるものをいう。以下同じ。)によって相談支援が行われているほか、さらに、対象者が抱える課題にかかわらず、重層的支援体制整備事業(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第百六条の四第二項に規定する重層的支援体制整備事業をいう。)による相談支援等が行われており、政府としては、これらの取組に対する支援を通じて、「ダブルケアラー」を含む家族介護者からの相談支援に引き続き適切に対応してまいりたい。

三について

御指摘の「老老介護」とは、高齢者が高齢の要介護者を介護することと理解し、「認認介護」とは、認知症である者が認知症である家族を介護することと理解すると、お尋ねの「取組」については、各市町村において、総合相談支援事業による相談支援を行うとともに、地域の実情に応じて、一部の市町村においては、必要に応じ民生委員等とも連携しながら、近隣住民からの情報収集や高齢者世帯への戸別訪問を通じ、支援を要する者を把握し、必要な支援を行う関係機関につなぐなどの取組が行われており、政府としては、これらの取組に対する支援を行っているところである。また、高齢者や認知症である者等の介護を必要とする者に対しては、介護保険法等に基づく介護サービス等の提供により支援されているものと承知している。

四について

御指摘の「今までの(通常の)介護サービスの延長線上のサービス」及び「加重類型に対応した介護メニューの拡充」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、家族介護者を社会全体で支えることは重要であると考えており、その介護の負担を軽減すべく、介護を必要とする者に対して、介護保険法等に基づく介護サービス等が適切に提供されるよう、引き続き、これらのサービス等の基盤の確保に取り組んでまいりたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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