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フリーランスの労災保険特別加入制度に関する質問主意書

参議院 第213回 第120号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2024年4月23日
内閣転送 2024年4月24日
答弁書受領日
2024年5月7日
提出から14日
答弁の項目数
4
質問 1,902字/答弁 1,502字

質問本文

フリーランスに係る労災保険特別加入制度の拡大については、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」の令和六年秋の施行にあわせ、同制度の対象に「特定受託事業」を追加する省令改正(以下「今回の改正」という。)が行われるものと承知しており、対象者が増加すると見込まれる。現行の特別加入制度においては、加入手続は都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体が行うこととなっており、フリーランスについても、特別加入団体を新たに創設して加入手続を行うか、既存の特別加入団体を通じて加入手続を行う必要がある。特別加入団体を経由して加入させる趣旨は、特別加入団体を事業主、フリーランスを労働者とみなして労災保険制度の構造に即した法律構成とするためと承知している。

また、昨今、多様な働き方や副業・兼業が広がっており、フリーランスにおいても複数の事業又は作業に携わる方がいると考える。一方で、現行の特別加入制度は、事業又は作業ごとに区分されており、それぞれ加入手続が必要である。例えば、芸能に従事する方が農作業にも従事している場合に、あるいは同業種であっても芸能の大道具と建築業の大道具の両方に従事する場合に、双方について災害補償を必要とするのであれば、それぞれの特別加入団体において別々に加入手続を行わなければならず、当該フリーランスの負担になっていると考える。

以上を踏まえ、以下質問する。

一 特別加入の対象が事業又は作業によって区分されている理由は、それぞれの事業又は作業特有の災害防止措置を特別加入団体が行うことを想定していることが一つにあると考える。今回の改正により特別加入の対象となる特定受託事業から既に特別加入の対象となっている事業又は作業が除かれる予定となっているが、特定受託事業に係る特別加入団体は、幅広い業務を対象とした団体になると見込まれる。特定受託事業に係る特別加入団体が幅広い業務の種類に応じた災害防止措置を担うことが可能ならば、前述のように特定受託事業から既存の事業又は作業を除く理由がないと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 前記一において、特段の理由がないのであれば、既存の区分に対応した特別加入団体を存続できるようにしつつ、既存の区分があるか否かを問わず、全ての事業又は作業に対応した特別加入団体の創設を認めれば、現状、複数の事業又は作業について別々に加入手続を行っているフリーランスの負担と加入費用及び加入手数料の軽減を図ることが可能と考えるが、政府の見解を示されたい。

三 フリーランスが特別加入を希望する場合に、特別加入団体を経由することなく、直接、特別加入の窓口となる行政機関において必要な手続を行うことで、特別加入が可能となる個別加入の制度があれば、複数の業務に従事するフリーランスの負担軽減になると考える。今回の改正については、第百八回から第百十回の労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会において議論が行われたと承知しているが、特別加入団体を経由した枠組みを維持した検討しか行われておらず、個別加入の制度については、第百八回労災保険部会において、事務局側から今回の改正における議論の対象としない旨の発言がなされている。今回の改正は、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案」に対する国会の附帯決議を踏まえた見直しであると承知しているが、希望する全てのフリーランスの特別加入を実現するためには、現在の特別加入団体を経由した枠組みにとらわれることなく、個別加入の制度の導入を含め、特別加入を希望するフリーランスに負担のない制度となるよう検討する余地があったと考える。個別加入の制度について、事務局が当初から議論の対象としなかった理由を詳細に示されたい。

四 特定受託事業者と令和三年に施行された創業支援の枠組みは業種に関わらず加入できる点で共通しているが、従来の特別加入制度にあるような業種で認定する制度とは大きく概念が異なっている。創業支援措置の枠組みは施行後の二年間で数名しか加入者がいないところ、同年同日に施行した芸能従事者は七百名を超える加入者がいる。創業支援措置の制度設計に加入しづらい点があったのではないかと懸念されるところ、同様の制度の特定受託事業者枠に加入が見込めるのか、既存の業種及び特別加入団体が不利益を被らないための方策はどのようなものか、政府の見解を示されたい。

五 希望する全てのフリーランスの特別加入を実現するためには、手続上の負担を軽減させるような措置が必要と考えるが、今後の政府の方針や取組について示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

お尋ねの「特定受託事業から既存の事業又は作業を除く理由」については、令和五年十月四日及び同年十一月二十日に開催された第百八回及び第百九回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会において「今回の業務の追加により、既存の特別加入に係る業務と特定受託業務のいずれにも該当する場合も想定されるが、その場合、同一の業務について異なる料率が設定され、災害率や就業形態ごとに料率を設定する趣旨に反することも想定されるほか、いずれに加入するかを就業者が選択できることとすると、料率の低い業務に特別加入者が流れてしまうことも考えられる」ことから「特定受託業務には、既存の特別加入の業務は含まないこととする」と確認されたとおりである。

三について

お尋ねについては、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号。以下「労災保険法」という。)に基づく労働者災害補償保険の特別加入制度(以下「特別加入制度」という。)において、御指摘の「個別加入の制度の導入」をする場合には、労災保険法第三十三条第三号から第五号までに掲げる者の業務災害の防止措置の方法等の制度の在り方について時間をかけて検討した上で、労災保険法の改正等が必要であると考えられる一方、労働者災害補償保険法施行規則及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和六年厚生労働省令第二十二号。以下「改正省令」という。)による改正後の労働者災害補償保険法施行規則(昭和三十年労働省令第二十二号)第四十六条の十七第十二号に規定する事業(以下「特定受託事業」という。)については「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案に対する附帯決議」(令和五年四月二十七日参議院内閣委員会)において「政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである」及び「十六 労災保険の特別加入制度について、希望する全ての特定受託事業者が加入できるよう対象範囲を拡大する」とされており、御指摘の「個別加入の制度の導入」について「本法の施行」に合わせて実施することは困難と考えられたため、「議論の対象としなかった」ものである。

四について

お尋ねの「同様の制度の特定受託事業者枠に加入が見込めるのか」の趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。なお、令和五年十二月二十二日に開催された第百十回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会の資料一において、「日本では四百六十二万人がフリーランスとして働いていると試算されており、うち、事業者から業務・作業の依頼(委託)を受けて仕事を行う者は五十九・〇パーセント(単純に掛け合わせると約二百七十三万人)」とされており、希望する者の加入を進めてまいりたい。また、お尋ねの「既存の業種及び特別加入団体が不利益を被らないための方策」については、その趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。

五について

お尋ねの「手続上の負担を軽減させるような措置」の趣旨が必ずしも明らかではないが、特定受託事業を行う者が特別加入制度への加入を希望する場合は、労災保険法第三十五条の規定に基づき、当該者を構成員とする同条に規定する団体(以下「特別加入団体」という。)が政府に対して加入申請を行うものであるところ、特別加入団体を通じて加入する際の手続に係る当該者の負担の軽減に資するよう、特定受託事業に該当する業務を具体的に例示し、厚生労働省のホームページでの周知等を通じて、希望する全ての特定受託事業を行う者が特別加入制度に加入できるよう、改正省令の円滑な施行に努めてまいりたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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