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エネルギー供給基盤事業への外国企業参入及び自然エネルギー財団の関与に関する質問主意書

参議院 第213回 第128号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×2

提出者
参議院
提出日
2024年5月9日
内閣転送 2024年5月15日
答弁書受領日
2024年5月21日
提出から12日
答弁の項目数
6
質問 2,389字/答弁 1,663字

質問本文

二〇二四年三月、内閣府主催のタスクフォースの会合で議論された再生可能エネルギー導入に向けた規制の見直しに関して、構成員から提出された資料に、中国の国営電力会社「国家電網公司」のロゴマークの透かしが入っていたことが発覚した。この透かしの入った資料は、経済産業省や金融庁での会合でも使用されており(以下「本件問題」という。)、政府内での中国企業の影響力が問題視されている。

この問題は、中国系企業とつながりを持つ有識者会議の構成員が、中国系企業の意向に沿った政策提言を行っている可能性があるという疑惑に火をつけた。該当する構成員は、自然エネルギー財団の事業局長であり、再生可能エネルギー推進と反原子力発電について積極的であった。また、この財団は、二〇一五年に習近平国家主席が国連開発サミットで提唱した国際送電網構想を強力に推進してきたという背景もある。

この疑惑は、中国系企業が日本のエネルギー供給基盤事業に次々と参入し、莫大な利益を上げる一方で、中国系資本が自衛隊基地周辺など国防上重要な地域を含む国土を買収している事実と関連し、国の経済安全保障への懸念をより一層強めている。

中国には、中国政府が有事発生の際に人や資源や施設などを政府の管理下に置くとともに在外の中国国民及び企業についても国の命令に従わなければならないとする「国防動員法」がある。同法の存在は、中国企業が日本のエネルギー供給基盤事業に関与することで経済安全保障上のリスクを高めている。これについては、一昨年「咲洲メガソーラーなどエネルギー供給基盤事業への中国企業参入に関する質問主意書」(第二百九回国会質問第一九号)で取り上げた。

日本のエネルギー供給基盤が他国政府による介入の間隙を持つ事態は避けなければならない。本件問題をきっかけとして、エネルギー供給基盤事業の外資系企業参入に関しては、経済安全保障を確保するための具体策として、改めて参入規制を明確にし、実行ある方策について検討を行うべきである。

以上を踏まえ、質問する。

一 本件問題について、河野太郎大臣は、SNS上で「チェック体制の不備でお騒がせしたことについて、今後は対策を強化し同じようなことが起きないよう徹底していきます」と述べた。しかし、本件問題の本質は、透かしロゴの消し忘れではなく、有識者会議の構成員が中国系企業の意向に沿って政策提言を行っていたのではないかという疑いである。政府としては、今回の事態についてどのように考えるか。自然エネルギー財団は、中国国家電網とグローバルグリッド促進のため団体(GEIDCO、自然エネルギー財団によれば「自然エネルギーの活用のために世界的な送電ネットワークの構築をめざす国際的非営利団体」)を共同して立ち上げ、その団体の理事会メンバーとなり正副会長にそれぞれ中日のトップが就任している。これについて、政府はどう評価しているのか。

二 政府は有識者会議のメンバー選定にあたり、資料を提供した構成員とその関係先の利害関係についてどのような調査を行い、構成員の中立性を担保してきたのか。例えば、内閣府タスクフォース委員だった自然エネルギー財団事業局長の大林ミカ氏は、過去、中国側が主催する再生可能エネルギー推進に関わるイベントに参加し、パネラーとして同国政策に賛意を示すような言動をしているなどの事実について、把握はしていないのか。

三 二〇二四年三月二十四日付けの産経新聞の記事によれば、青森県内で認定された再生可能エネルギー事業計画のうち、二百九十件以上で中国人や中国系資本が関与しており、これらは自衛隊施設周辺にも及んでいると報じられている。この点、二〇二二年九月に全面施行された重要土地等調査法に基づき、青森駐屯地や三沢基地などが注視区域に指定された(二〇二四年四月十二日内閣府告示)。注視区域では、土地等利用状況調査とともに、不適切な利用の規制等の措置を講じることとされているが、すでに告示された注視区域について、いつ頃までを目途にこれらの調査や措置を行う予定で、調査や措置の結果についてどのような項目が公表される予定か。

四 航空自衛隊防府北基地(山口県防府市)などが施設で使用する再生可能エネルギーをタイの電力大手バンプーグループの子会社から調達していたことが報じられている(二〇二四年四月一日産経新聞)。自衛隊施設においては、昨年度時点で全九百六十九施設のうち五十施設で再エネ調達が可能となっており、再エネ比率百%の電力調達を達成した施設は三十六施設あるという。このうち、再エネ調達が可能となった五十施設が電気供給等の契約を行った電気供給事業者を全て回答されたい。また、このうち、共同出資会社を含め、外国企業が関与している電気供給事業者はいくつあるかについて、併せて回答されたい。

五 経済安全保障の観点から、国防の要を担う防衛施設のエネルギー供給基盤は国内企業に限るべきとの要請が特に強いと考えられるが、政府は、防衛施設の電気供給事業者を選定するにあたり、どのような基準を設定しているのか。

六 再生可能エネルギー設備とそれに関連する技術を外国に依存した場合、技術的なバックドアを通じてサイバー攻撃が行われるリスクや、エネルギーインフラが戦時に攻撃の対象になるリスクが懸念されるが、これらに対して安全上の対応はどのように措置されているのか。

七 外資系企業による日本のエネルギー供給基盤事業への参入について、経済安全保障確保の見地から政府は規制強化に向かうべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

八 自然エネルギー財団が二〇一一年八月の設立以来、提唱する日本を含むアジア各国との間で送電網を連結するというアジアスーパーグリッド(ASG)構想について、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の前段及び二について

お尋ねについては、御指摘の点を含め、令和六年四月十七日の参議院本会議において、岸田内閣総理大臣が「現在は、まずは内閣府において、元構成員等が外国の政府、企業から不当な影響力を行使され得る関係性を有していたか等について、人選の経緯等と併せて詳細な事実関係の確認などの調査を行っているところ」であると答弁しているとおりであり、現時点においてお答えすることは困難である。

一の後段及び八について

お尋ねについては、御指摘の「自然エネルギー財団」の個別の活動に関するものであることから、政府としてお答えすることは差し控えたい。

三について

御指摘の「土地等利用状況調査」及び「不適切な利用の規制等の措置」については、御指摘の「注視区域」における土地等の利用状況が継続的に変化し得るものであることから、ある時点までに完了するという性質のものではなく、特定の期限を設けずに継続的に行うこととしている。お尋ねの「どのような項目が公表される予定か」については、現時点においては具体的に決定していないが、いずれにせよ、御指摘の「土地等利用状況調査」については、その概要を何らかの形で公表する方向で検討しており、また、御指摘の「不適切な利用の規制等の措置」については、その概要を公表することとしている。

四について

前段のお尋ねについては、令和五年度において、ゼロワットパワー株式会社、株式会社エネット、コスモエネルギーソリューションズ株式会社、五島市民電力株式会社、バンプーパワートレーディング合同会社、WSエナジー株式会社及び東北電力株式会社である。また、お尋ねの「外国企業が関与している」の具体的に意味するところが明らかではないため、後段のお尋ねに網羅的にお答えすることは困難であるが、その上で、例えば、各府省庁における物品の製造、販売等に係る一般競争入札への参加資格である全省庁統一資格(以下「全省庁統一資格」という。)について、政府電子調達ポータルサイトにおいて、「個別情報」の中の「外資状況」を確認したところ、外国資本が出資していることが確認できた契約事業者は、バンプーパワートレーディング合同会社である。

五及び七について

御指摘の「経済安全保障の観点」、「エネルギー供給基盤事業」及び「参入」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「防衛施設」における電力の調達については、国による調達では一般競争入札が原則であることから一般競争入札により実施しており、その際の参加資格として、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条の二に規定する小売電気事業の登録を受けていること、全省庁統一資格を有すること等の要件を定めているところであるが、いずれにせよ、御指摘の「規制」としては、外国投資家による電気事業等を営む我が国企業への投資については、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)に基づき、電気事業、ガス事業、石油精製業、石油ガス輸入業といった事業のうち、国民生活及び経済活動の基盤となる役務であって、その安定的な提供に支障が生じた場合に国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものの提供を行うものについては、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和四年法律第四十三号)に基づき、それぞれ規制を行うなど適切な対応を行うとともに、電気事業法等の関係法令に基づき、外国資本であるか否かにかかわらず、御指摘の「エネルギー供給」に携わる事業者に対し、各事業の適切な運営を義務付けているところである。引き続き必要な取組を進めてまいりたい。

六について

御指摘の「技術的なバックドアを通じてサイバー攻撃が行われるリスク」及び「エネルギーインフラが戦時に攻撃の対象になるリスク」の具体的に意味するところが明らかではなく、こうした「リスク」に伴い想定される事象の態様も明らかではないため、お尋ねの「対応」について一概にお答えすることは困難である。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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