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コストカット型経済と消費増税等の関係に関する質問主意書

参議院 第215回 第4号お答えすることは困難 ×2

提出者
参議院
提出日
2024年11月11日
内閣転送 2024年11月14日
答弁書受領日
2024年11月22日
提出から11日
答弁の項目数
3
質問 1,145字/答弁 1,462字

質問本文

石破総理は令和六年十月十二日、日本記者クラブ主催の七党党首討論会においてアベノミクスへの評価について問われ、「コストカット型の経済にしたところは実に良くなかったと私は思っています。このアベノミクスだけがすべてではない。ここ二十年間そうだった。実質のGDPはほとんど上がらなかった。実質賃金は下がりすらしたこともある。内部留保は増えた。非正規は増えたということがあります。それは、突き詰めれば、コストカット型の経済ということだったと思っています。私は、プラスだってあるので、何でもプラスもマイナスもあります。それをずっとやってきて、みんながそれに耐えてきたんだけれども、これから先は付加価値を付けていく、それにふさわしい対価をきちんと得られる。個人消費が上がっていかない限りデフレの脱却なんてあり得ない。私は思っています。で、安倍政権の間、私は二年間幹事長でした。二年間地方創生大臣でした。自分も共に責任を負わねばならないという思いは強く持っております。」と発言している。

また、石破総理は同年十月九日、記者会見において、「それは所信表明でも申し上げました。あるいは代表質問にもお答えをいたしましたが、コストカット型の経済をやめようと思っております。いかにして賃金を下げるかとか、いかにして下請の方々にいろいろな御負担をいただくかとか、いかにして設備投資というものについてそのコストを下げるかとか、そういうようなコストカット型の経済というのはやめたい、やめなければいけないと思っております。」と発言している。

これらの石破総理の発言に関連して、以下質問する。

一 「実質のGDPはほとんど上がらなかった」、「実質賃金は下がりすらした」、「個人消費が上がっていかない」という事態を引き起こした原因の一つに、安倍政権下での消費税率の引上げがあったと認識しているか。

二 前記一に対して、原因の一つに、安倍政権下での消費税率の引上げがあったと認識しない場合、その理由を明確に示されたい。

三 自公政権下において行われたどのような政策が、企業が「いかにして賃金を下げるか」、「いかにして下請の方々にいろいろな御負担をいただくか」、「いかにして設備投資というものについてそのコストを下げるか」を重視する経営を行うことを助長したと考えるか。

四 平成十六年以降、製造業にも派遣労働を解禁する規制緩和を進めたこと及び改正入管法(平成三十年十二月八日成立)などにより低賃金の外国人労働者の受入れを拡大したことは「いかにして賃金を下げるか」などを重視するコストカット型経済を助長したと考えているか。

五 前記四に対して、コストカット型経済を助長したと考えていない場合、その理由を明確に示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

経済動向は様々な要因が複合的に作用して変動するため、お尋ねについて確たることを申し上げることは困難であるが、その上で、御指摘の「安倍政権下での消費税率の引上げ」が経済に与えた影響等については、令和四年十一月一日の参議院財政金融委員会において、鈴木財務大臣(当時)が「消費税率の引上げ、これは社会保障と税の一体改革の中で行われたものでありまして、社会保障の充実、安定化と財政の健全化の同時達成を目指す中で、社会保障の安定財源の確保のための負担を幅広く国民各層に求めるということにしたものであります。・・・確かに、経済、消費への影響があること、これはもう否定はできません。けれども、一方において、その増収分は保育の受皿拡充や幼児教育、保育の無償化などの社会保障給付という形で家計に還元されている、そういうプラス面もあるということも評価をしていただきたいと思います。」と述べているとおりである。

三について

個別の政策が個別企業の具体的な活動に与える影響は様々であると考えられることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、内閣の経済財政政策については、令和六年十月七日の衆議院本会議において、石破内閣総理大臣が「アベノミクスは、デフレではない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。こうした成果の上で、岸田内閣の新しい資本主義の取組が、最低賃金の過去最大の引上げ、名目百兆円超の設備投資などにつながったものと認識をいたしております。」と述べたとおりであり、また、下請取引については、例えば、中小企業庁が令和六年六月二十一日に公表した「価格交渉促進月間(二〇二四年三月)フォローアップ調査結果」において、「発注企業から交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた」割合は十八・四パーセントであり、前年同月の七・七パーセントに比べて上昇している。これらのことから、内閣の経済財政政策が御指摘のような企業の経営を助長したとは考えていない。

四及び五について

労働者派遣については、役員を除く雇用者に占める派遣労働者の割合は令和五年平均で二・七パーセントと少なく、また、これまでの労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)の改正により、雇用の安定のための措置や、同一労働同一賃金の導入等による公正な待遇の確保を進めてきたところである。

また、御指摘の出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成三十年法律第百二号。以下「改正入管法」という。)は、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に限り、一定の専門性や技能を有し即戦力となる外国人を受け入れることを目的として在留資格「特定技能一号」及び「特定技能二号」を創設すること等を内容とするものである。加えて、特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(平成三十一年法務省令第五号)において、これらの在留資格に係る活動を行おうとする外国人と雇用に関する契約を締結しようとする本邦の公私の機関に対し、当該外国人に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上である契約を締結することを義務付けている。

これらのことから、労働者派遣に係るこれまでの制度改正及び改正入管法が、御指摘のように「コストカット型経済を助長した」とは考えていない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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