ことばで探す › 参議院 第216回
国産米の国際競争力に関する質問主意書
参議院 第216回 第53号趣旨が明らかではない ×1
質問本文
香港、シンガポール、台湾、アメリカへの国産米の輸出は直近十年で大幅に増加している一方、中国への国産米の輸出は減少傾向にある。中国では、日本にルーツを持つ種類のコメ、例えば「コシヒカリ」や「あきたこまち」が、国内価格の数分の一で販売されており、中国への国産米の輸出が減少している要因になっていると思料する。
一九九九年に制定された食料・農業・農村基本法は、貿易自由化に対応するために大規模な専業農家による生産性向上を目指す方向性を示したはずだった。ところが、その後の政府の農政は一貫せず、兼業農家などの農業の多様性を重視することで生産集約による効率化を阻むこととなった。政府は減反政策の一環として、飼料用米の栽培に変更したコメ農家に対し補助金を給付した。コメ農家は中国を始めとした新しい市場で価格競争にさらされるよりも補助金による安定収入を確保するようになった。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 日本のコメの自給率はほぼ百%であり、日本人にとって主食であるコメは、食料安全保障の要と言える。可能な限り減反政策を取らず、コメの貿易振興を図ること等で生産能力の維持を図るべきであると思料するが政府の見解を示されたい。
二 大規模な専業農家による生産性向上を目指すことで稲作は効率化され、コメの生産コストを抑えることができる。国産米の価格を国際競争力のある水準に抑えることができれば、世界各地からの需要が見込める。政府は、中小零細農家など多様性を重視した政策を進めるのか、それとも、生産を集約し効率化を進めるのか、見解を示されたい。
三 アメリカ国内では、カリフォルニア米と日本米がほぼ同じ価格で販売されている。アメリカにおいてコメの販売競争をするには関税の撤廃が必要と考える。しかし、生産者支援や政策目的の誘導を行うために関係者へ直接的に補助金を支払う制度を導入することで、国産米の国際競争力を増すことも可能と思料する。国産米の国際競争力を増すための関税の撤廃、補助金の導入について政府の見解を示されたい。
質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。
右質問する。
政府答弁書
一について
政府としては、国内における主食用米の需要が年々減少する中で、食料安全保障の確保の観点から、主食用米等の輸出を含め需要に応じた米穀の生産を推進することが重要と考えている。
二について
政府としては、米穀の生産者も含めた農業構造に関する考え方については、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律(令和六年法律第四十四号)による改正後の食料・農業・農村基本法(平成十一年法律第百六号)第二十六条第一項において、「国は、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するため・・・農業生産の基盤の整備の推進・・・その他農業経営基盤の強化の促進に必要な施策を講ずる」こととされ、また、同条第二項において、「効率的かつ安定的な農業経営を営む者及びそれ以外の多様な農業者により農業生産活動が行われることで農業生産の基盤である農地の確保が図られるように配慮するものとする」こととされていることから、これらに基づき施策を進めていく考えである。
三について
御指摘の「国産米の国際競争力を増すための関税の撤廃、補助金の導入」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、「食料・農業・農村基本計画」(令和二年三月三十一日閣議決定)に基づき、「輸入規制の緩和・撤廃をはじめとした食品安全等の規制等に対する輸出先国との協議の加速化」等、「貿易交渉による関税撤廃・削減を速やかに輸出拡大につなげるための環境整備を進める」とともに、引き続き、輸出することを目的として生産しているか否かを問わず米の低コスト生産の取組等を支援していく考えである。