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再生可能エネルギー発電事業者の倒産・廃業及び太陽光パネル放置・撤去費用に関する質問主意書
参議院 第217回 第135号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×3承知していない ×1
質問本文
太陽光発電や木質バイオマス発電などの再生可能エネルギー発電事業者の倒産件数は令和六年度に八件となった。休廃業・解散を含めると過去最多となる計五十二の再生可能エネルギー発電事業者が市場から撤退したと報じられている。
政府はこれまで、固定価格買取制度(以下「FIT制度」という。)を柱に再生可能エネルギーの導入を推進してきた。その結果、山林を伐採して造成された発電施設が全国各地に広がり、保安林や尾根部を含む森林の破壊が各地で進行している。
令和元年に林野庁が公表した「太陽光発電に係る林地開発許可基準の在り方に関する検討会報告書」では、FIT制度下における太陽光発電施設の建設を目的とした林地開発許可案件の急増に伴い、大規模な森林改変や地域住民の反対、林地開発許可の対象外地域での太陽光パネル崩落・土砂流出といった問題が指摘されている。つまり、これらのリスクは七年前の段階で既に認識されていたと言える。それにもかかわらず、開発行為を容認する政策が継続された結果、一部の自治体からは文化財保護法や森林法に抵触する事例が生じていると報告されており、事業者の不適切な計画やずさんな調査体制が問題となっている。
FIT制度の終了・縮小に伴い、今後、発電設備が大量に寿命を迎える「二〇三二年問題」が現実味を帯びる中、所有者不明や倒産によって放置される太陽光パネルの増加が懸念されている。特に、太陽光発電設備の廃棄には高額な費用が掛かるため、廃棄費用の積立てが不十分なまま撤退した場合には、撤去・処理費用が自治体や市民に転嫁されかねない。実際、資源エネルギー庁によれば、平成二十八年十月から令和六年三月末までの間に、再生可能エネルギーに関する住民からの相談が千百八十件寄せられ、そのうち千百件が太陽光発電に関するものであったとされる。さらに、その内容は、廃棄や維持管理、周辺環境への影響など多岐にわたり、地域社会における不安の広がりを示している。
環境省資料では、発電を終了し電気的接続が切断された太陽光発電設備が放置された場合、ガラスの破損や水ぬれなどによって火災や事故に発展するおそれがあるため、適切な管理が必要であると指摘されている。また、環境省及び経済産業省が合同で公表した資料においても、不適切な管理状態にある設備が存在しており、将来的な廃棄等に対する地域の懸念が高まっているとされ、こうした課題への対応の必要性が示されている。こうした状況を踏まえると、売電を停止した太陽光パネルが放置され、適切な廃棄措置が講じられないという懸念は、既に現実になりつつあると言える。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 再生可能エネルギー発電事業者の倒産・撤退件数が令和六年度に過去最多となったことについて、政府はどのような要因が背景にあると分析しているか示されたい。あわせて、FIT制度の終了に当たり、採算悪化による事業者の倒産や撤退が相次ぐ事態を政策決定時に見通していたか示されたい。
二 FIT制度における廃棄費用の積立開始時期は、売電開始から十年後以降となっており、それ以前に撤退・倒産した場合、費用確保の仕組みが事実上機能しないリスクがある。この空白期間について、政府は現在どのように対応しようとしているか示されたい。
三 FIT制度下で認定された太陽光発電設備のうち、事業者の倒産などによって管理主体が不明となった設備が全国各地で放置されているとの指摘がある。こうした設備の件数や所在などについて政府は把握しているか示されたい。
四 FIT制度では廃棄費用を含めた調達価格が設定されており、結果的に再生可能エネルギー発電促進賦課金という形で国民がその一部を負担している。それにもかかわらず、積立てが行われず撤去もなされないのであれば、国民負担と制度成果との間に深刻なねじれが生じていることになる。このような制度設計上の矛盾について政府の見解を示されたい。
五 太陽光発電を含む再生可能エネルギー事業は参入障壁が低く、事業主体の変更が行われやすいことから、管理不全や倒産後の設備放置が発生しやすいとの指摘がある。こうした無責任な事業運営が可能となってしまう制度設計上の課題を政府としてどのように認識しているか示されたい。また、こうした事態を未然に防ぐため、参入要件の厳格化や監督権限の強化について検討しているか示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の報道については承知しているが、政府として、御指摘の「計五十二の再生可能エネルギー発電事業者が市場から撤退した」こと等の当該報道の内容に係る事実関係については把握しておらず、お尋ねの「要因」についてお答えすることは困難である。
お尋ねの「FIT制度の終了に当たり、採算悪化による事業者の倒産や撤退が相次ぐ事態」の具体的に意味するところが明らかではなく、認定(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成二十三年法律第百八号。以下「法」という。)第九条第四項の認定をいう。以下同じ。)を受けた者(以下「認定事業者」という。)の経営には様々な要因が影響するものであり、また、法第二条の二第二項に規定する供給促進交付金の交付の期間(以下「交付期間」という。)又は法第三条第二項に規定する調達価格による調達に係る期間(以下「調達期間」という。)が終了する日は認定事業者によって異なるため、「見通していたか」否かについてお答えすることは困難である。
二及び四について
御指摘の「国民負担と制度成果との間に深刻なねじれが生じている」及びお尋ねの「このような制度設計上の矛盾」の具体的に意味するところが明らかではなく、お尋ねの「見解」についてお答えすることは困難であるが、法第十五条の十二第二項の規定に基づき認定発電設備(認定に係る再生可能エネルギー発電設備をいう。以下同じ。)の解体等に要する費用に充てるための金銭を解体等積立金として積み立てなければならない期間については、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法の規定に基づき基準価格等、調達価格等及び解体等積立基準額を定める件(平成二十九年経済産業省告示第三十五号)第二条第三十三項等においてその積立ての対象となる認定発電設備に係る交付期間又は調達期間を二十年間と定めていること等から、経済産業省総合資源エネルギー調査会における議論を踏まえ、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則(平成二十四年経済産業省令第四十六号。以下「規則」という。)第十三条の四において、交付期間又は調達期間が終了する日から起算して十年前の日以降に最初に検針等が行われた日からとすること等を定めているものである。
その上で、お尋ねの「空白期間」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、認定事業者が、御指摘の「撤退・倒産」をした場合においては、当該認定事業者から認定に係る再生可能エネルギー発電事業(法第九条第一項に規定する再生可能エネルギー発電事業をいう。以下同じ。)を承継した者等が当該認定に係る認定発電設備について必要な管理、処分等を行うものと考えている。
三について
御指摘の「事業者の倒産などによって管理主体が不明となった設備」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねの「設備の件数や所在」についてお答えすることは困難であるが、再生可能エネルギー発電事業の実施状況については、例えば、法第十条第一項の規定により、認定事業者が変更となる場合には同項の認定を受けることとされており、政府として、当該認定に係る申請などを通じて把握しているところである。
五について
お尋ねの「無責任な事業運営が可能となってしまう制度設計上の課題」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府として、「エネルギー基本計画」(令和七年二月十八日閣議決定)に記載しているとおり、再生可能エネルギーについては、「地域との共生と国民負担の抑制」を図りながら導入を促すこととしており、こうした考え方の下、例えば、法第九条第四項第六号において認定に当たって再生可能エネルギー発電設備の設置の場所の周辺地域の住民に対する説明会の開催等が規定されていること、規則第五条第一項第十四号等において認定の申請に係る再生可能エネルギー発電事業を営むに当たって関係法令の規定を遵守するものであることを規定していること、法第十五条の六第一項において認定を受けた再生可能エネルギー発電事業計画に従って再生可能エネルギー発電事業を実施していない認定事業者に対して交付金相当額積立金の積立命令を措置していることを踏まえ、これらの制度を厳格に運用するなど必要な取組を進めているところである。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×3承知していない ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。