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オンライン精神療法の安全性及び指針違反事例への行政対応に関する質問主意書
参議院 第217回 第233号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×4承知していない ×4検討してまいりたい ×1個別の事案 ×1
質問本文
精神疾患の増加や通院困難者の存在などを背景に、オンライン診療による精神療法(以下「オンライン精神療法」という。)が対面診療を補完する有効な手段として定着しつつある。他方で、制度運用の不備や一部の医療機関における不適切な診療実態により、安全性や規制の在り方について課題が指摘されている。
厚生労働省の調査によると、令和五年一月から三月の三か月間におけるオンライン診療に関する指針違反のおそれがある事例(以下「指針違反事例」という。)は千七百四十件であった。一方、令和五年三月末時点において、電話や情報通信機器を用いた診療を実施できるとして登録した医療機関数は一万八千百二十一機関であり、指針違反事例が制度全体にどの程度広がっているのか、その分布状況についての詳細は明らかにされていない。また、指針違反事例に対しては、都道府県や保健所による是正措置が講じられているが、その具体的な対応内容や改善効果について、現時点で体系的な数値が示されていないため、既存の制度運用によってどの程度安全性が担保されているか検証すべきである。さらに、厚生労働省が策定したオンライン診療の研修プログラム(以下「研修プログラム」という。)には、既に別途策定されている「情報通信機器を用いた精神療法に係る指針」の内容が明示的に反映されておらず、精神科診療に特有のリスクに即した教育内容が含まれていない現状にある。これは制度設計の整合性の観点からも課題と考えられる。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 前記令和五年一月から三月の指針違反事例のうち、オンライン精神療法に該当する件数を明らかにされたい。
二 前記一万八千百二十一の医療機関のうち、令和五年一月から三月に指針違反事例が確認された医療機関数を示されたい。また、そのうち精神科を標榜する医療機関数を明らかにされたい。
三 前記厚生労働省の調査以降の直近の調査における指針違反事例の件数(例:令和六年又は令和七年分)を明らかにされたい。また、これらの指針違反事例に対し、都道府県や保健所等が実施した是正措置(行政指導、研修指導、立入検査等)の件数、内容及びその後是正された割合(改善率など)について、政府の把握状況を示されたい。さらに、こうした是正措置体制が直近のデータにおいても十分に機能しているかについて、政府の見解を示されたい。
四 厚生労働省は、研修プログラムに精神療法に係る指針の内容を反映させる必要があると考えるが、検討状況、実施に向けた対応方針及び方針決定に至るまでの判断基準やプロセスについて明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
御指摘の「指針違反事例」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、仮に、お尋ねが「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(令和二年四月十日付け厚生労働省医政局医事課及び医薬・生活衛生局総務課連名事務連絡)に基づく「初診からの電話や情報通信機器を用いた診療」の「実施状況の報告」(以下「実施状況報告」という。)において、同事務連絡に定める「新型コロナウイルス感染症が拡大し、医療機関の受診が困難になりつつあることに鑑みた時限的・特例的な対応として」の「電話や情報通信機器を用いた診療や服薬指導等の取扱い」に関して、令和五年一月から同年三月までの期間における「特例措置の要件を守らない処方」の件数を問うものであれば、当該件数は千七百四十件であり、このうち、お尋ねの「オンライン精神療法に該当する件数」は把握していない。また、実施状況報告において、同期間に「特例措置の要件を守らない処方」を行ったことが確認された医療機関数は百五十六件であり、このうち、お尋ねの「精神科を標榜する医療機関数」は把握していない。
三の前段について
お尋ねの「直近の調査における指針違反事例の件数」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、実施状況報告における「特例措置の要件を守らない処方」が行われた事例に関して、厚生労働省が把握している直近の令和五年十二月から令和六年三月までの件数は五百五十五件である。
三の中段及び後段について
中段のお尋ねについては、御指摘の「研修指導」の意味するところが明らかではないが、各都道府県や保健所等が実施した行政指導や立入検査等の「件数、内容及びその後是正された割合」については、網羅的に把握していないため、お答えすることは困難である。
後段のお尋ねについては、各都道府県や保健所等が実施した行政指導や立入検査等の件数等を把握しておらず、また、「十分に機能」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、御指摘の「オンライン精神療法」を含む医療機関による「オンライン診療」の実施については、個々の事案の内容に応じて、各都道府県や保健所等において適切に指導等が行われているものと承知している。
四について
御指摘の「研修プログラム」については、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(平成三十年三月三十日付け医政発〇三三〇第四十六号厚生労働省医政局長通知別紙。以下「オンライン診療指針」という。)において「オンライン診療の実施に当たっては、医学的知識のみならず、情報通信機器の使用や情報セキュリティ等に関する知識が必要となる。このため、医師は、オンライン診療に責任を有する者として、厚生労働省が定める研修を受講することにより、オンライン診療を実施するために必須となる知識を習得しなければならない」としていることに基づき実施している。一方で、御指摘の「精神療法に係る指針」については、令和四年度障害者総合福祉推進事業「情報通信機器を用いた精神療法を安全・適切に実施するための指針の策定に関する検討」の報告書において、「精神科を担当する医師が実施する精神療法」を対象として公表されたものであり、精神療法に特化した内容が記載されている。このため、オンライン診療指針において、診療科を問わず、御指摘の「オンライン診療」を実施する全ての医師が習得しなければならないとしている「オンライン診療を実施するために必須となる知識」とは考えておらず、御指摘の「研修プログラム」について「精神療法に係る指針の内容を反映させる必要がある」とは考えていない。いずれにしても、「オンライン精神療法」の在り方については、令和七年六月四日の衆議院厚生労働委員会において、政府参考人が「現在、好事例の収集でございますとか、具体的な活用法に関する調査研究を行っております。今後、その研究成果なども踏まえながら、当事者も含めた関係者の御意見を伺いながら、良質かつ適切な精神医療の提供の確保、診療の質の確保であるとか医療機能の連携とか、そういった観点も含めて検討を進めてまいりたい」と答弁したとおりである。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×4承知していない ×4検討してまいりたい ×1個別の事案 ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。