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農業所得税に関する質問主意書

参議院 第5回 第17号

提出者
参議院
提出日
1949年2月28日
内閣転送 1949年3月10日
答弁書受領日
1949年3月17日
提出から17日
答弁の項目数
0
質問 913字/答弁 1,257字

質問本文

一、私は二月十二日付質問第九号によつて四つの項目について質問した。

これに対し、二十三日付内閣参甲第一二号によつて政府の答弁を得たのであるが、一―二の項目については、実情調査の上回答するという答弁であるが、二―三の項目については答弁がない。

それで再度この質問書を提出する。

(1)咋年中、私、または私を含む農政研究会の代表が大蔵次官、その他の役人に農業所得税問題について何べんか会見している。

その会見等で、当局の人々は「今後所得計算の標準を作成するに当つては、農民団体の代表者と相談して課税の方法の改善を図る、そして前回のような好ましくない事態の発生しないようにする」という所信を表明されている。

しかるに二十三年度確定申告に当つて現地税務署は旧態を改めておらない、そして高圧的に課税標準を押しつけている。

私はこの事情を訴えて政府の意見を求めているのである。

(2)また所得標準率は、この際収税当局が便法として採用している方法である―とは第二国会にて大蔵省当局がくり返し説明されていることである。

便法は政府が一方的に決定すべきものではない。あくまでも、和解的に協力的に作成し、運用すべきものである。何故なら収税当局も納税者も法の下に対等であるからである。

しかるに、今日収税当局が一方的に標準を作成して納税者に指示し、反省する態度のないのはどういう説かそれを聞きたいのである。

(3)大蔵省は「農業所得に対する所得税の実務要領」を頒布したという答弁であるが、これでは私の質問に対する答弁にはならない。何故ならそのものは私を含む一般納税者には頒布されてはいない。

私は前質問書において、今日でも収税吏が天皇の官吏という指導精神をもつていないか、またそのようなものを裏面に堅守してないかを聞いている。今回の政府答弁もそれを裏書している。内容のない答弁がそれである。

私は天皇の官吏に質問しているのではない、国民の公僕たる自覚ある答弁を求める。

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参議院の原文・経過

政府答弁書

一(1)田畑所得標準率の作成については、市区町村、各種農民団体、民間の農事精通者から適切な資料の提供を受ける方針のもとに、下館税務署においては、町村長、町村役場の税務主任及び農業協同組合長等にその内容を説明し、これに対する意見を聴いて決定をした。又、龍ケ崎税務署においては、町村役場の税務主任に対してその内容を説明し、土浦税務署においては、市町村長、市町村役場の税務主任及び農業協同組合長等にその内容を説明している。

(2)田畑所得標準率は、税務署で調査した所得の基準であつて、その適正妥当を期するため、市区町村、各種農民団体、農事精通者の全部又は一部から適切な資料の提供を受け、特に真面目な関係団体の適切な意見は十分これを参考とするように努めているわけである。しかし、これがため民間の意見に拘束せられて妥協をするということは、性質上許されないところである。

(3)「農業所得に対する所得税の実務要領」は、税務署の事務運営の方針を、大蔵省から指示したものであつて、これを市町村等に送付して税務署の方針を開示し、公正妥当な課税の実現を期したものである。

税務官吏は、一面において納税者の相談相手となり、他面において正当に納税が行われたか、行われないかの審判者のような立場において、納税が公正に実現されることを念願としている。

なお、前回留保した分に対し、次のとおり答弁する

二(1)粕壁税務署においては、農業共済金を収入金額に算入して田畑所得標準率を作成したが、農業共済金は、農家の支出した必要経費の補填に充てられているので、実質においては、所得としては課税されておらないものである。

(2)龍ケ崎税務署においては、災害地については、その状況に応じて、一般の所得に比し、低い所得により課税したのであるが、万一調査不備等のものがあれば、実情を調査して是正の途を講ずるつもりである。

三(1)境税務署における昭和二十三年分田所得の標準率は、収穫予想高の二割減程度の収穫量によつて作成しているので、収穫が予想高の三割減以下と認められる農家について、減収の的確な証明がつかないため、所得標準率により所得を計算する場合は、この一般標準率によることとしたのである。

減収高の被害証明は、農業保険の資料によるのがもつとも的確であると考えられるので、所得標準率により所得を計算する場合は、農業保険における被害証明の区分(三割乃至五割、五割乃至七割並びに七割以上)により、所得が減少するか又は所得がなくなるかを定めたのである。

(2)境税務署においては、田所得の一般標準率を、収穫予想高に対し、二割減程度の収穫高によつて作成しているので、収穫が予想高に比し五割減少していても、一般標準率における収穫に比すれば、その減少割合は少なくなることにその原因の一がある等、具体的の負担を定めるものとしては、実情に即応するよう考えられたものである。

四 質問事項の三及び四については、前回の答弁の外、再質問事項に対する答弁によつて了承せられたい。

参議院の原文

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