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沖縄県の地籍問題等に関する質問
参議院 第80回 第24号検討してまいりたい ×2
質問本文
沖繩県の地籍問題等に関する質問主意書
沖繩県における軍用地は、米軍の圧倒的な軍事力による銃剣とブルドーザーによつて強制的に接収されたものがほとんどである。沖繩県民は、祖国復帰の際に、核も基地もない完全復帰を強く要求して来た。しかし国はいわゆる公用地暫定使用法の制定を強行し、基地の継続使用をはかつた。この公用地暫定使用法は、当時の琉球政府をはじめ多くの国民が違憲性の強い法律であるとして反対して来たことは周知の通りである。それにも拘らず今国会において更に五年間の長期にわたつて本法が延長されたことは極めて遺憾である。この延長を定めた「沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法」の各条についても審議が尽くされたとはいえず、その内容について解釈上の疑問点、不備な点が多い。
そこで以下の諸点について質問する。
一 目的について
この法律は、位置境界の明確化のための措置等の実施を図り、もつて沖繩県の住民の生活の安定と向上に資することを目的として掲げている(第一条)。この目的を達成するためには、地籍の明確化は勿論のことであるが、広大な軍事基地を整理統合するのみならず土地所有者に返還していくことが必要である。国は沖繩県に所在する軍事基地を返還するために、いかなる具体的返還計画を持つて米国と交渉する方針か示されたい。
二 所管について
(1) この法律において「実施機関の長」は、駐留軍用地等以外の土地については沖繩開発庁長官、駐留軍用地等については防衛施設庁長官とされている(第二条第二項)。かように所管が統一されていない結果として、調査地域の競合を生ずるおそれがある。かような競合を生じさせないための対策を示されたい。
(2) 防衛施設庁の任務は自衛隊施設の取得等であり(防衛庁設置法第四十一条)、地籍の確定にはなじまない。土地の権利関係の調査は沖繩開発庁の所管であるべきにも拘らず、(沖繩開発庁設置法附則第三条)、防衛施設庁にも担当させる理由は何か。
三 位置境界明確化のための計画等について
(1) 計画は実施機関の長が作成するとしているが(第三条第一項)、土地利用計画等との関係から、沖繩県側の意向が反映できるように事前に県知事及び関係市町村長と協議すべきであると思うがどうか。
(2) 昭和五十二年度からおおむね五年間で地籍確定をするとしているが(同条第二項)、その計画達成のための年次計画及び必要とされる予算の内訳を示されたい。
(3) 五年間で地籍確定ができなかつた場合、国はいわゆる公用地暫定使用法を更に延長する考えであるか。
四 関係所有者による位置境界の確認等について
(1) 位置境界が確認されたときの規定はあるが(第十二条)、確認されないときの規定がない。確認されなかつたときいかなる措置をとるのか示されたい。
(2) 第十二条で定める現地に即して確認するために立ち会うべき場所には基地内も含まれるか示されたい。
五 実施機関の長の勧告について
第十三条は勧告制度について定めているが勧告が効を奏しなかつたときの措置を示されたい。また関係所有者が勧告を申し出る場合はどのような場合を想定し、その申し出の条件はどういうものであるか。
六 返還地の利用促進のための措置について
第十九条に定める事業の推進は、沖繩県及び関係市町村の土地利用計画と関連するので、県知事、関係市町村と事前に協議する必要があると思うがどうか。
七 土地の交換等のあつせんについて
与那原地区における割当土地からはじき出されている土地については、国有地との交換が必要と思われる。第二十一条のあつせんは、私人間の土地の交換あつせんのみならず、国有地との交換あつせんも含まれるかどうか。
八 財政措置等について
(1) 国は、計画に係る境界不明地域内の公共施設の整備について必要な財政措置を講ずるとするが、公共用施設の取得費も含めて予算措置を講ずるべきであると思うがどうか。
(2) 道路法の適用がない道(里道)についても適用すべきであると思うがどうか。
九 返還地の原状回復について
(1) 第二十三条は合意により供された土地に限定され、契約拒否地主の土地を排除しているが、その理由を示されたい。
(2) 返還後の土地利用と両立しうる範囲で本条の措置がなされるべきであり、本条の措置を講じようとする場合は、県知事及び関係市町村長を関与させるべきものと思うがどうか。
十 駐留軍等が使用している土地の買入れについて
第二十四条により国が土地を買入れるときは、沖繩県の土地利用計画を阻害しないよう十分な配慮をすべきだと思うがどうか。
十一 事務の委任について
第二十五条にいう委任事務の範囲を示されたい。
十二 本法が実情にそぐわないことが明らかになつたとき、国はその改正をする意思があるか。
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電話:03-3581-3111(大代表)
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政府答弁書
一について
政府としては、沖繩県における米軍施設及び区域の占める割合が大きいことにかんがみ、県民の要望及び地元振興開発計画等と日米安全保障条約の目的達成との調和を図りながら、従来から米軍施設及び区域の整理統合を推し進めてきたところである。その結果、第十四回、第十五回及び第十六回日米安全保障協議委員会において米軍施設及び区域の整理統合計画が了承された次第である。
政府としては、今後ともこれらの計画の実施の推進を図るとともに、地元振興開発計画等と日米安全保障条約の目的達成との調和を図りつつ、沖繩の米軍施設及び区域の整理統合の推進に努めていく考えである。
二について
沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法(以下「法」という。)第二条第二項の規定により沖繩開発庁長官又は防衛施設庁長官のいずれが法に基づく実施機関の長としての権限を行使するかは、それに係る土地が駐留軍用地等であるかどうかによつて定まることとされているが、同条第三項において、駐留軍用地等の範囲が明定されているので、それぞれが権限を行使する地域が競合することは、あり得ないものと考えている。
また、これに伴い、法附則第四項及び第五項の規定により、防衛庁設置法及び沖繩開発庁設置法が改正され、沖繩県における土地の位置境界の明確化のための措置に係る防衛施設庁及び沖繩開発庁のそれぞれの所掌事務につき明らかにされたところである。
なお、法の運用に当たつては、沖繩開発庁及び防衛施設庁の間において、十分協議してまいりたい。
三について
(1) 土地の位置境界明確化のための計画の策定に当たつては、必要に応じ、沖繩県知事及び関係市町村長の意見を聴き、計画に反映させる考えである。
(2) 土地の位置境界の明確化のための措置に関する計画及びこの措置に要する経費については、現在、関係機関において鋭意検討を進めているところである。
(3) 土地の位置境界の明確化は、五年以内に行われるよう努力する所存である。
四(1)及び五について
この法律は、関係土地所有者全員の協力と自主的な協議による土地の位置境界の確認により、土地の位置境界の明確化を図ることを基本としているものと考えており、政府としても、法の運用に当たつては、法第十条、第十一条、第十三条等の規定を十分活用し、関係土地所有者の位置境界の明確化を積極的に援助することによつて十分成果が得られるよう努める考えである。
また、関係土地所有者が、実施機関の長に対し、勧告の申出をすることができるのは、法第十三条第一項に規定するとおり、土地の位置境界を確認しようとする場合において、必要があると認めるときである。
四(2)について
土地の位置境界の確認に当たつて、現地立会は必須の条件であることにかんがみ、米軍施設及び区域内の土地の位置境界を現地に即して確認する場合に米軍施設及び区域内の場所を「立ち会うべき場所」とすることについては、日米合同委員会において基本的合意が行われているところである。
したがつて、法第十二条第二項の「立ち会うべき場所及び期日」は、現地米軍と調整の上、実施機関の長が通知することとなる。
六について
法第十九条に定める返還地の利用促進のための措置を行うに当たつては、沖繩県知事及び関係市町村長とも十分協議をしてまいりたい。
七について
法第二十一条の交換又は買換えのあつせんには、国有地との交換又は買換えのあつせんも含まれるものと承知している。
なお、国有地の交換等管理処分は、国有財産法等関係法令の規定により行われるものである。
八について
法第二十二条の規定による財政措置等の内容については、目下検討中であり、最終的には、位置境界不明地域の指定後、ある程度公共施設の実態を調査した上で定めることといたしたい。
九について
(1) 沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律により使用している土地が駐留軍等から返還された場合の原状回復については、同法第四条により措置される。
(2) 法第二十三条の規定による土地を原状に回復しないで行う返還は、その所有者の同意を得て行うものであるが、返還後の当該土地利用に関し、必要な場合には、土地所有者と関係地方公共団体との間で十分話し合いが行われるよう助言することといたしたい。
十について
法第二十四条に基づく土地の買入れは、現に駐留軍等の用に供されている土地の関係所有者からの買入れの申出に基づき、予算の範囲内において措置するものであるが、必要に応じ、沖繩県等の土地利用計画にも配慮することといたしたい。
十一について
沖繩開発庁長官の権限に属する事務の一部は、沖繩総合事務局長及び沖繩県知事に委任する考えであるが、その範囲については現在検討中である。
なお、沖繩県知事に委任する事務の範囲については、沖繩県知事と具体的に協議した上で取り決めたいと考えている。
また、防衛施設庁長官の権限に属する事務の一部は、那覇防衛施設局長に委任する考えであるが、その範囲については、現在検討中である。
十二について
政府としては、法の運用につき十分な配慮を払いながら、所期の目的を達成するよう努力する所存である。
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