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福井県若狭湾地帯における原子力発電所の重大な危険から住民を守るための施策に関する質問

参議院 第80回 第32号

提出者
参議院
提出日
1977年6月8日
内閣転送 1977年6月9日
答弁書受領日
1977年6月14日
提出から6日
答弁の項目数
4
質問 1,228字/答弁 1,216字

質問本文

福井県若狭湾地帯における原子力発電所の重大な危険から住民を守るための施策に関する質問主意書

福井県若狭湾地帯は、日本原子力発電株式会社敦賀発電所、関西電力株式会社美浜発電所、同高浜発電所などの原子力発電所が集中して立地されており、これらの発電所では運転開始以来事故が続発している。そのため、設備利用率は低下しており、全国的にも三月度はたつた二十一・九パーセントと電力採算ベースを大きくおちこんでいる。

原子力発電には、誤操作、不注意による事故はもとより、原子炉圧力容器、第一次配管蒸気発生器などのわずかな事故でも重大災害につながる危険性がつねにあり、現実に事故が続発していること自体、原子力発電所が住民にとつて重大な危険性をもつていることをものがたつている。

従つて、運転中の原子力発電所の総点検を行う必要があるが、同時に、事業者や政府が、地方公共団体はもとより、地元住民の理解と協力をえて充分な防災体制を確立しておくことがきわめて重要であると考える。よつて、福井県若狭湾地帯における原子力防災体制の整備に関して以下の質問を行う。

一 大型商業用発電炉が集中して立地しているこの地域の住民に対し、原子力災害の特殊性を正しく広報し、防災訓練を実施することは、住民の理解と協力をうる上で重要なことと考えるが如何か。

二 原子力災害の特殊性についての地元住民への広報活動について

(一) 原子力施設の概要について地元住民に広報されているか。

(二) 放射能の特性や原子力災害の特異性は広報されているか。

(三) 原子力災害発生時の留意事項についてはどのような事項があげられているか。また、その留意事項は広報されているか。

三 原子力災害に対する防災訓練について

(一) 災害の予防及び対策に責任をもつ防災関係機関の職員、従業員等の防災訓練は実施されているか。

(二) 防災関係機関と地元住民とが一体となつた防災訓練は実施されているか。

四 避難対策について

(一) どういう時に、どのような放射性物質がどの程度外にもれることを想定しているのか。

(二) 災害発生時の避難に即応する見地からの気象、海象等の地域的自然状況の常時把握を行つている機関はどこか。また、どのような項目を把握しているか。

(三) 避難訓練は実施されているか。

(四) 避難用道路はあるか。

(五) 避難場所、経路は地元全住民に徹底されているか。

(六) 避難時の指示、誘導等は誰があたるかは地元全住民に徹底されているか。

(七) 災害発生時の避難命令や避難上の指示はどのような方法で伝達されるのか。また全地元住民に常時緊急に伝達される体制はできているか。

(八) 前項の伝達が全地元住民に徹底されるまでに何分ぐらいかかるか。また、伝達についての訓練はされたことがあるか。

(九) 避難地域内の住民以外の通行者や釣り客等への避難等の指示、伝達はどのように行うことになつているか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

国民の理解と協力を得つつ、原子力開発利用を進めていくためには、原子力に関する広報活動が極めて重要である。

原子力発電所は、事前にその安全性が十分審査された後に、設置が許可され、また、建設中及び運転開始後も、国の厳重な監督によつて安全の確保が図られている。更に、原子力発電所の安全性、放射能の特性等についても積極的な広報が実施されるとともに、関係機関における所要の防災訓練が実施されることによつて、地元住民の一層の理解と協力が得られるものと考えている。

二について

(一) 原子力施設の概要については、原子炉設置許可申請書等の縦覧及び原子炉設置者、地方公共団体等が行う原子力施設のモデルの展示、パンフレットによる説明等を通じて、広く地元住民への周知が図られている。

(二) 原子力発電所の安全性についての説明の中で、放射能の特性、原子力の潜在的な危険性等についても十分述べられている。

(三) 原子力災害発生時の留意事項としては、災害状況のは握及び伝達、汚染状況の調査、一般住民の退避及び立入制限、汚染飲食物の摂取制限等が挙げられる。これらは、福井県及び市町村が作成している地域防災計画に織り込まれており、一般にも周知が図られている。

三について

関係機関による通信連絡訓練が実施されているが、地元住民と一体となつた防災訓練は、実施されていない。

四について

(一) 原子力発電所については、まず異常を起こさせないように、また、事故が起こつても、その影響を最小限に食い止め、周辺住民に被害を及ぼさないように設計上の配慮がなされており、安全審査の結果においても、周辺住民に対して放射線障害を及ぼすような放射性物質の放出は考えられないし、現在に至るまで原子力発電所において周辺住民に被害を及ぼした例はない。

なお、原子炉の安全審査においては、念には念を入れた安全対策を講じるという観点から、実際には起きると考えられない事故を想定し、その場合にあつても、安全防護施設の機能を評価して、周辺住民との間の離隔距離が十分であることを確認している。

(二) 各原子力発電所において、平常運転時に放出される放射性物質の影響を評価することを主目的として、風向、風速、降雨量等の気象の観測が行われている。また、気象庁の敦賀測候所及び福井県において、風向、風速等の気象について観測が行われるとともに、気象庁の舞鶴海洋気象台等において潮流等の海象について、定例的に観測が行われている。

(三)から(九)まで 避難用道路、避難場所、避難経路、避難時の指示、誘導その他の避難体制については、地域防災計画に織り込まれ、その徹底が図られている。

万一、災害の発生について通報があつた場合には、直ちに、テレビ、ラジオ、有線放送、広報車等により、地元住民その他の一般人に対し避難命令等を徹底することとされているが、避難についての実地の訓練は、行われていない。

参議院の原文

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