ことばで探す › 参議院 第96回
防衛庁のシーレーン防衛構想に関する質問
参議院 第96回 第24号
質問本文
防衛庁のシーレーン防衛構想に関する質問主意書
去る五月二十日、伊藤宗一郎防衛庁長官が、総合安全保障関係閣僚会議で明らかにしたシーレーン防衛構想について、幾つかの点をただしておきたい。
一 航路帯の一千カイリ以内は、日米共同対処としているが、この場合、日米が共同で対処する部門、範囲とはいかなるものか。
二 その場合における日米の任務分担については、当面どのように考えているのか。
三 防衛庁のこの構想によれば、対潜哨戒活動の範囲は「グアム以西、フィリピン以北」の海域にきわめて近いのではないか。
四 構想の第一項にいう「一千カイリ程度の海域で海上交通保護を行い得る能力を保有し、これを効果的に運用し得る防衛体制を整備しておく……」の表現と、これまで防衛庁が述べていた「防衛計画の大綱の水準をめざし……」とは具体的にどのような差異と変化があるのか。
五 海上交通保護を行い得る能力とは、つまりは防衛計画の大綱水準を超えた能力を意味しているのではないのか。
六 自衛隊機の行動半径を超える洋上防空は、米第七艦隊に依存するとしているが、現実に生起するであろうケースは、米ソの軍事衝突に伴うシーレーン攻撃への対処であり、米第七艦隊の空母打撃力が北西太平洋に止まつている公算はきわめて小さい。したがつてこの「依存構想」そのものが非現実ではないのか。
七 検討を伝えられるエイジス・システム搭載の大型護衛艦とは、米海軍のDDG-47級の排水量と性能を備えた艦艇を考えているのか。それともより大型高性能、基準排水量九千トンクラスの艦種を想定しているのか。
八 具体的にこれらの大型護衛艦を五六中業の中に組み込む考えか。その場合一護衛隊群に少なくとも一隻程度の計画にするのか。
九 六千トン級DDG、また九千トン級DDGの推定建造費はどれほどか。一千億円を優に超えるのではないか。
十 防衛庁は、海上自衛隊の現有勢力でのシーレーン防衛能力をどのように考えているのか。
十一 構想の第一項にいう能力とは、有事の際の最低必要輸入量二億トンをふまえたものなのか。また、それは大綱水準内の編成・装備で可能との見解か。
十二 大綱水準を達成した場合のシーレーン防衛能力をどのように想定しているのか。
右質問する。
政府答弁書
一から六まで及び十から十二までについて
我が国は、我が国周辺数百海里、航路帯を設ける場合は、おおむね千海里程度の海域において、自衛の範囲内において海上交通保護を行い得ることを目標に、逐次海上防衛力の整備を行つているところであるが、二億トン程度の輸入量を確保するというような具体的なことを防衛力整備上の目標としている訳ではない。
「日米防衛協力のための指針」において述べているとおり、自衛隊と米軍は、海上交通保護を含む海上作戦を共同して実施することとしており、この場合、海上自衛隊は、日本の重要な港湾及び海峡の防備のための作戦並びに周辺海域における対潜作戦、船舶の保護のための作戦その他の作戦を主体となつて実施し、米海軍部隊は、海上自衛隊の行う作戦を支援し、及び機動打撃力を有する任務部隊の使用を伴うような作戦を含め、侵攻兵力を撃退するための作戦を実施することとしている。
現実に海上交通保護をどの程度行い得るかについては、脅威の具体的様相を始めとする多くの要因に左右されるものであるため、一概に申し上げることはできないが、いずれにしても、右に述べたような従来からの考え方により対潜水上艦艇、潜水艦、対潜哨戒機、関連後方支援態勢等の整備を進めることとしており、「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準が達成されれば、その能力は現在に比べ相当向上するものと考えるので、今後とも同大綱の水準をできるだけ早く達成するよう努力してまいりたい。
七から九までについて
海上自衛隊の艦艇の性能向上については、経空脅威の増大にかんがみ、AEGISシステムを含め、今後調査・検討していくこととしているが、その結論を得るにはなお相当の期間を要すると考えており、現在、具体的な艦種のイメージを持つている訳ではない。
したがつて、現時点において性能、排水量、整備隻数及び建造費について答弁することはできない。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。