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シ-レ-ン問題の基本的認識に関する質問
参議院 第98回 第13号
質問本文
シーレーン問題の基本的認識に関する質問主意書
今国会での防衛論議においてシーレーン問題は、さまざまな角度から検討されたところではあるが、ここに改めてシーレーン問題についての政府の基本的認識についてただしておきたい。
一 シーレーンとはそもそも何であるのか。政府の認識と理解を伺いたい。
二 シーレーン防衛とは何か、またその目的とは何か、政府による概念を伺いたい。
三 米国側のシーレーン防衛についての基本的見解は、「日本周辺一千海里のシーレーン防衛は中東・韓国など西側にとつてきわめて重要な戦略地域に紛争が発生した際に、アメリカ本土からの大規模な軍事力投入とその長い補給路確保のために不可欠な要素だ。何も日本自身の防衛のためだけではない。世界的拡がりを持つた重要問題だ。」(米統合参謀本部ビグリー第五部長の発言)によつても明らかだが、これに対して政府は、どのように考えるか。
四 レーガン政権は、対ソ世界戦略を踏まえ同盟国との適切な役割分担を強く求めているが、千海里防衛も日本に対する一つの役割分担要請ではないのか。
五 政府の在来の考え方は、「一千海里防衛はわが国の輸入資源確保のため」であり、米国側のいわば戦略的なとらえ方とは明らかに次元が違つているのではないのか。
六 一千海里以内の防衛は、日本が主体であり、日米共同で対処する局面はあり得ないのではないか。
七 シーレーン防衛が必要となるのは、日本への単独侵攻ではなく、欧州や中東などの有事が波及するケースであるというのが、米国の描くシナリオの一つであるが、これは政府の認識とも共通しているのか。
八 有事におけるシーレーン防衛の第一義的な目的は何か。
九 鈴木前総理のいわゆる「はりねずみ防衛論」は、一種の国土防衛優先論であり、一千海里防衛論とはなじまない発想であろう。中曽根内閣においては、「はりねずみ防衛論」なるものは現在どのように整理され、位置づけられているのか。
十 政府は今後シーレーン防衛を重要な国家戦略、防衛構想の一環として重点をおいてゆくのか。
十一 シーレーン防衛は、それだけでは自己完結しない総合の中の一部門であり、広くわが国の対米・対ソ政策、対ASEAN政策、西側との協力関係、有事に備えた備蓄持久政策など総合政策の中に正しく位置づけるべきであると考えるが、政府の見解を伺いたい。
右質問する。
政府答弁書
一、二及び八について
シーレーンという言葉は、いわゆるシーレーン防衛との関連で用いているものであり、シーレーン防衛は、有事の際国民の生存を維持し、あるいは継戦能力を保持する観点から、港湾・海峡の防備、哨戒、護衛等各種作戦の組合せによる累積効果によつて、海上交通の安全を確保することを目的とするものである。
三から七までについて
我が国は、有事において、我が国周辺数百海里、航路帯を設ける場合にはおおむね千海里程度の海域において、自衛の範囲内で海上交通の安全を確保し得ることを目標に、防衛力の整備を進めてきている。また、我が国が憲法上認められていない集団的自衛権の行使を前提として行動することが許されないことはいうまでもない。
我が国に対する武力攻撃がいかなる状況下で発生するかについては、一概にいえないが、日米安保体制の下で我が国を防衛する立場にある米国は、かかる我が国の基本的な考え方を十分理解した上で、我が国が我が国防衛のためになお一層努力することを期待している。
なお、シーレーン防衛のための作戦は、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に、自衛隊と米軍が共同して実施することとなつており、このことは、「日米防衛協力のための指針」にも示されているとおりである。
九について
周囲を海に囲まれ、また、専守防衛に徹する我が国としては、シーレーン防衛のみならず、国土の防衛を有効に実施し得る縦深性のある質の高い防衛力の保持が当然重要であると考えている。
十及び十一について
我が国の海上交通の安全が脅かされるような事態に有効に対処するためには、シーレーン防衛能力を整備することは、もとより重要である。他方、総合的な観点から我が国の安全を確保するためには、経済、外交等を含めた広い立場からの努力が必要であり、これら各般の施策については、政府として、整合性を保ちつつ推進すべきものであることほいうまでもない。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。