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「国際障害者の十年」に相応しい身体障害者対策に関する質問主意書

衆議院 第112回 第24号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1

提出者
衆議院
提出日
1988年4月15日
内閣転送 1988年4月20日
答弁書受領日
1988年5月13日
提出から28日
答弁の項目数
7
質問 2,039字/答弁 1,304字

質問本文

衆議院議長 原 健三郎 殿

「国際障害者の十年」に相応しい身体障害者対策に関する質問主意書

今年は国連が定めた「国際障害者の十年」(一九八三年〜九二年)の折り返しの年に当たるが、我が国の障害者対策は世界のトップクラスの経済力にもかかわらず、予算的にも内容的にも極めて貧弱である。「国際障害者の十年」に相応しい、障害者の二ーズにこたえた障害者対策の強化が緊急に必要となつているので、以下、具体的に質問する。

一 障害者対策予算の増額について

1 「国際障害者の十年」が始まつた一九八三年から今日までの日本の障害者予算の推移は、八十三年度に一兆三千六百二十億円だつたものが、八十八年度は一兆九千六百五億円、四三・九%増となつている。しかし、そのうち年金対策費が八十三年度六千五百二十億円、八十八年度一兆二千五百二十一億円となつているので、これを差し引いた障害者対策予算となると八十三年度は七千百億円、八十八年度が七千八十億円と〇・二%の減少となつている。年金対策が必要であることはいうまでもないが、対象者数の増加などに伴い年金が増えるのは当然であつて、これをもつて障害者対策がいきとどいているとはいえない。問題は実際の障害者対策予算が、「国際障害者の十年」の折り返しの時点で減少傾向を示していることである。政府は「国際障害者の十年」に相応しく、年金対策費の増額を維持するとともに実際の障害者対策予算を、増額していくべきではないのか。

2 とくに身体障害者対策予算が大きく減少していることは重大である。八十三年度=千百十四億円、八十四年度=千百八十七億円、八十五年度=千四十二億円、八十六年度=千億円、八十七年度=八百九十八億円、八十八年度=八百九十九億円、八十八年度は八十三年度比で実に一九・三%も減つている。それも対象となる十八歳以上の身体障害者の数が、厚生省の調査によつても八十年には百九十八万人だつたものが八十七年は二百四十一万人へと大幅に増え、また切実な要求が多々ある中での減少である。これでは身体障害者の切実な要求が実現できないのも当然である。予算を増額し、身体障害者対策の強化を図ることが、いま緊急に求められていると思うがどうか。

二 若干の要求について

1 政府は「国際障害者の十年」の計画実施のため、八十二年に「障害者対策に関する長期計画」を策定しているのであるが、駅舎や道路の利用計画では障害者が本当に利用しやすい方途を示すものとはなつていない。

�@ 駅舎についていえば、車イスを使わざるを得ない身体障害者にとつて本当に必要なことはまずエレベーターであるが、長期計画の中にこの問題を明記し、その実現のために努力すべきではないか。

また、既存の階段でも条件が許すところからゆるやかなスロープ化を実現して、少しでも身体障害者の駅舎利用の便を図るべきではないか。その検討に着手する考えはないか。

�A 道路構造においても、いま、地域運動によつて一部の歩道橋にみられるようになつたスロープ化を長期計画の中で、具体的計画目標として加え、実現を図つていくべきではないか。

2 八十年の十九万七千人が八十七年には二十九万二千人と激増している内部障害者に対する対策も極めて重要になつてきている。その中でも、鉄道・航空運賃割引制度の適用を早期に実現する必要がある。竹下首相は内部障害者にこの制度を適用することについて、「他の乗客がそれを負担するという建前になるわけでございます。したがいまして、ただ福祉政策だけでそれをさらに拡充していくということについてはいろんな問題がある」(六三・三・一八 参議院予算委員会)と述べたが、これは行政の責任を放棄するがごとき態度といわなければならない。

�@ 内部障害者に対して割引制度を適用した場合、どの程度の費用を要するとみられるのか。

�A 身体障害者手帳をもつている三十万近い内部障害者が、他の身体障害者同様、鉄道・航空運賃の割引を受けるべきだとの見地にたつかどうか、要は国の責任で実施できることではないのか。その場合政府の補助あるいは政府と企業の分担という方法もあるのではないか。

�B 国会は昨年の第百九回国会及び第百十一回国会の二回にわたつて、「鉄道・航空運賃の身体障害者割引制度の適用拡大に関する請願」を衆・参両院とも採択した。国会の意思は内部障害者に対する運賃割引制度の適用を図ることを政府に求めたわけだが、政府はこの国会の意思を尊重し、「国際障害者の十年」の早いうちに実現すべきではないか。

3 身体障害者自身が運転している場合は高速道路料金の割引があるが、それ以外は対象とされない。しかし、自身では運転ができない障害者は移動するときには必ずボランティアにたのむか、あるいはタクシーを使わざるを得ないわけだから、こうした障害者の高速道路利用にも料金割引があつてしかるべきだと思うが、具体的に検討する考えはないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

障害者対策については、国際障害者年(一九八一年)を大きな契機として、政府としては、障害者対策に関する長期計画(昭和五十七年三月二十三日国際障害者年推進本部決定)に沿つて積極的に推進してきているところであり、中央心身障害者対策協議会においても「画期的な進展を遂げ、着実な成果を挙げた」と評価しているところである。

年金対策を除く障害者対策関係予算については、社会福祉施設運営費の国と地方の費用負担割合の変更等により減少しているが、障害者対策としてはその充実強化に努めているところである。

今後とも、障害者対策については、昭和六十二年六月に策定した「障害者対策に関する長期計画」後期重点施策(昭和六十二年六月二十五日障害者対策推進本部決定)に沿つて、教育、福祉、雇用等の対策を総合的に推進し、「完全参加と平等」を促進してまいりたい。

一の2について

身体障害者福祉対策予算の減額は、身体障害者更生援護施設運営費等の国と地方の費用負担割合の変更、障害基礎年金制度の創設に伴う福祉手当制度の再編等によるものであり、身体障害者福祉対策の充実強化に必要な予算は確保されているところである。

二の1の�@について

駅舎等の公共交通施設におけるエレベーター及びエスカレーターの設置、階段のスロープ化等の身体障害者等のための施設の整備については、従来から運輸省において交通事業者に対して指導を行うとともに、特に昭和五十八年には「公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備ガイドライン」を策定して整備の指針を定めているところであるが、今後とも引き続き、当該指針を踏まえ、身体障害者等にとつて公共交通施設がより利用しやすいものとなるようその整備について指導してまいりたい。

二の1の�Aについて

斜路式立体横断施設の整備については、交通安全基本計画(昭和六十一年三月二十八日中央交通安全対策会議決定)にその大綱を定め、第四次特定交通安全施設等整備事業五箇年計画(昭和六十一年十二月一日閣議決定)に基づき整備を行つてきたところであるが、今後とも引き続きその整備を推進してまいりたい。

二の2の�@について

内部障害者に対して運賃割引制度を適用した場合に要する費用の算定は、内部障害者による交通機関の利用状況等の把握が難しいため、困難である。

二の2の�A及び�Bについて

現在、身体障害者に対する鉄道・航空運賃の割引制度は、割引による減収を一般的に他の利用者の負担によつて賄うことにより実施されている。

当該割引制度の対象を現状以上に拡大することについては、これによる減収分の負担の在り方、身体障害者対策全般との関係等の問題があり、慎重に検討する必要があると考える。

二の3について

昭和五十四年度から実施している身体障害者に対する有料道路通行料金の優遇措置は、肢体不自由者が自ら自動車を運転する場合に身体的苦痛が著しいため、走行条件の良い有料道路の利用を相当程度余儀なくされている実情にかんがみ、その社会的自立を阻むことのないよう特に講じてきたものであり、御指摘の点については引き続き慎重に検討してまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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