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昭和二十一年一月一日から同二十四年四月三十日までの間において、日本に在住した台湾省民に対する刑事裁判権に関する質問主意書

衆議院 第114回 第25号

提出者
衆議院
提出日
1989年5月19日
内閣転送 1989年5月24日
答弁書受領日
1989年6月20日
提出から32日
答弁の項目数
4
質問 984字/答弁 929字

質問本文

衆議院議長 原 健三郎 殿

昭和二十一年一月一日から同二十四年四月三十日までの間において、日本に在住した台湾省民に対する刑事裁判権に関する質問主意書

昭和二十一年、香川県において発生したピストル殺人事件の犯人として有罪判決を受け、すでに所定の刑期を終了した者が、いま、自分は無罪であったとして再審請求を提起しようとしている。本件につき、当時日本に在住していた台湾省民某が重要参考人と考えられるので、以下の七項目について質問する。

一 昭和二十一年一月一日から同二十四年四月三十日までの間において、日本に在住する台湾省民に対する刑事裁判権は日本の裁判所にあったかどうか。あったとすれば、その法律上の根拠を示して頂きたい。

二 右の刑事裁判権が日本の裁判所になかったとすれば、その裁判権はどこにあったか。その法律上又は条約上あるいは連合国総司令部の指令等の根拠を示して頂きたい。

三 昭和二十一年一月一日から同二十四年四月三十日までの間において、日本人に係る刑事被疑事件について、日本の警察官又は検察官に、日本に在住する台湾省民を参考人として取調べる権限があったかどうか。あったとすれば、その法律上の根拠を示して頂きたい。

四 昭和二十一年一月一日から同二十四年四月三十日までの間において、日本人に係る刑事被疑事件について、日本の警察官又は検察官に、日本に在住する台湾省民を参考人として取調べる権限がなかったとすれば、その法律上又は条約上あるいは連合国総司令部の指令等の根拠を示して頂きたい。

五 昭和二十一年一月一日から同二十四年四月三十日までの間において、日本人に係る刑事被疑事件又は被告事件について、日本の予審判事又は日本の裁判所に、日本に在住する台湾省民を証人として取調べる権限があったかどうか。あったとすれば、その法律上の根拠を示して頂きたい。

六 右の取調べる権限がなかったとすれば、その法律上又は条約上あるいは連合国総司令部の指令等の根拠を示して頂きたい。

七 右の取調べる権限がなかったとすれば、その台湾省民を証人として取調べる必要性が生じた場合、日本の予審判事又は日本の裁判所が連合国総司令部又は中国政府あるいは中国外交使節団にその証人尋問の嘱託を求める訴訟共助制度があったかどうか。あったとすれば、その条約等の名称、内容を示して頂きたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

我が国は、原則として国内に在住する外国人に対しても刑事裁判権を行使することができるが、連合国人に対しては、連合国最高司令官の昭和二十一年二月十九日付け「刑事裁判権の行使に関する覚書」が発せられた後、昭和二十五年十月三十一日までは、刑事裁判権を行使できない状態にあった。

我が国に在住していた台湾人(連合国最高司令官の覚書にいう台湾人をいう。以下同じ。)については、刑事裁判権の行使に当たっては、当初は右連合国人ではないものとして取り扱われていたが、連合国最高司令官の昭和二十二年二月二十五日付け「中国人の登録に関する覚書」により、在日本国中国使節団が発給した中国国籍を有する旨の登録証明書を適法に所持する場合には、連合国人たる中国人として取り扱われることになった。

右の連合国人たる中国人として取り扱われた者に対しては、前記の「刑事裁判権の行使に関する覚書」第四項にいう軍事占領裁判所が刑事裁判権を行使していたものと承知している。

三及び四について

警察官及び検察官は、我が国に在住していた台湾人を任意に取り調べることができた。その法律上の根拠は、昭和二十三年十二月三十一日までは、刑事訴訟法(大正十一年法律第七十五号。以下「旧刑事訴訟法」という。)第二百五十四条第一項であり、昭和二十四年一月一日以降は、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百九十七条第一項である。

五及び六について

予審判事(昭和二十二年五月二日までに限る。)及び裁判所は、我が国に在住していた台湾人を証人として取り調べる権限を有していた。その法律上の根拠は、予審判事については、旧刑事訴訟法第二百九十五条であり、裁判所については、昭和二十三年十二月三十一日までは、同法第百八十四条であり、昭和二十四年一月一日以降は、刑事訴訟法第百四十三条である。

ただし、昭和二十二年二月二十五日以降は、前記の登録証明書を適法に所持している台湾人については、前記のように連合国人として取り扱われることになったため、任意に証人として証言するときに限られていた。

七について

お尋ねのような場合において我が国の裁判所又は予審判事からなされる証人尋問の嘱託に関する条約等はなかった。

衆議院の原文

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