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喫煙防止対策促進に関する質問主意書

衆議院 第120回 第9号

提出者
衆議院
提出日
1991年4月1日
内閣転送 1991年4月3日
答弁書受領日
1991年4月23日
提出から22日
答弁の項目数
10
質問 1,287字/答弁 2,172字

質問本文

衆議院議長 櫻内義雄 殿

喫煙防止対策促進に関する質問主意書

一九七九年、WHO(世界保健機関)の喫煙規制に関する専門委員会は、「喫煙がきわめて危険であることの認識を喫煙者にもたせるとともに、必要な場合は、立法措置を含む特別な対策を講ずるべきである。」 ― などとする五項目の勧告を出しているが、この勧告に呼応して諸外国では喫煙規制の様々な努力がなされている。ところが我が国は、専売公社の民営化に伴い外国たばこの輸入自由化、たばこ会社による過度な宣伝販売競争と市場開拓が無制限に行われている。「生活習慣と健康に関する研究会」の調査によると、成人男子の六割から七割が喫煙しており先進諸国の中では、非常に高い喫煙率を示している。高校三年男子の66%は喫煙経験があり、その半分は常習化への道を歩み始めている。高校三年女子では42%が喫煙を経験、しかも妊娠出産適齢期の若い年齢層や未成年者の喫煙が増加の一途をたどっている。母体環境としての面からも無視できない深刻な問題となってきている。たばこによる不健康や疾病を次世代に遺産として残さないために以下の質問をする。

一 WHOの勧告や提唱に対して、政府はどう受けとめ、どの様な施策を講じてこられたのか。また、今後の計画があるのかを示されたい。

二 世界各国ではWHOの提案に対して、たばこのテレビCM及び広告を禁止するなどの措置をとっている。我が国は業界の自主規制のみであるが、今後禁止するという立法措置をとる考えはないか。

三 青少年をひきつけるスポーツや文化行事にたばこ会社がスポンサーになることを禁止するよう要望するが、見解を示されたい。

四 青少年の多くが自動販売機から自由にたばこを入手することが多いが、たばこ事業法第四十条及び未成年者喫煙禁止法による販売者の責任はどう問われるのか。また、自動販売機の作動に時間制限を設け、早朝及び夜間の販売を停止し、将来的には設置台数の削減措置を講ずるべきだと考えるが見解を求める。

五 すべての公共の場及び輸送機関に分煙対策をさらに推進する考えはないか。

六 小・中・高校において喫煙防止教育を行う必要があると考える。そこで喫煙防止教育のプログラムや教材の研究開発が急務だと思うが、関係各省でどんな計画がなされているのか。

七 教師の新任研修及び教員養成課程に禁煙教育を組み入れるべきだと考えるが、計画はないか。

八 たばこ添加物の公表とパッケージにその添加物の表示を義務づけるべきであると思うがどうか。また、たばこのパッケージに印刷されている「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」という表示を具体的な有害警告表示に変更し、さらに、紙巻きたばこに含まれる成分に上限を設けるべきであると思うがどうか。

九 輸入された製造たばこ・葉たばこの品質及び除草剤や農薬汚染についてのチェック体制は、どのように行われているのか。

十 喫煙防止対策の予算の財源は、たばこ税の中から求め、なお一層の防止対策に力をいれるべきであると思うが、政府の決意を伺いたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

一般的に喫煙は健康に様々な影響を及ぼすものであると認識している。このため、政府としては、国民の疾病予防の観点から、従来から保健所等における健康教育の展開やパンフレットの作成などを通じて喫煙による健康への影響に関する正しい知識の普及を始めとする喫煙対策を進めてきたところであるが、WHO総会の決議により定められた毎年五月三十一日の世界禁煙デーを、日本国民が喫煙と健康問題について理解を深めるための日とし、幅広く啓発普及活動を行っている。

今後とも、政府としてWHOの勧告や提唱の趣旨を踏まえ、適切に喫煙対策を進めてまいりたい。

二について

平成元年五月三十日に大蔵大臣に提出されたたばこ事業等審議会の答申(「喫煙と健康の問題に関連するたばこ事業のあり方について」。八についてにおいて同じ。)では、たばこの広告の在り方について、他の商品との関係、国民の広告に対する受け止め方、営業の自由等との関係を勘案し、当面は、自主規制が強化されることが望まれるとしている。

これを受けて、業界団体である社団法人日本たばこ協会では、たばこのテレビ広告について、平成二年四月から、広告時間帯を毎年度段階的に繰り下げる等自主規制規準を強化する措置を講じてきており、現時点において、立法措置による広告の禁止を行う考えはない。

三について

スポーツの大会や文化行事に際して、たばこ会社から資金の援助等を受けることについては、当該大会等の趣旨などを踏まえ、主催者が判断すべき事柄であると考える。

四について

未成年者喫煙禁止法(明治三十三年法律第三十三号)第四条の「販売」には、自動販売機による販売も含まれ、未成年者に対し、その自用に供することを知って自動販売機によりたばこを販売する行為は、同条の罪に当たる。

ただし、自動販売機による販売の場合には、販売者においてたばこを購入する者が当該たばこを自用に供する未成年者であるか否かを知ることが困難な場合が多いことと考えられる。

また、管理の十分行き届かない自動販売機については店舗に併設させるとともに、地域の状況を踏まえた深夜稼働の自粛が図られるよう、小売販売業者に対し、小売販売組合等を通じて要請してきており、今後とも、その周知徹底に努めてまいりたい。

五について

直接喫煙しない人であっても、他人の吸うたばこの煙によって健康に影響を受ける可能性が

あることが種々示されていることから、政府としては、非喫煙者の健康を守るため、病院等の医療機関における喫煙コーナーの設置等分煙対策を進めているところである。また、平成三年の世界禁煙デーのテーマは「公共の場所や交通機関は禁煙に」であり、政府として、啓発普及を行っていくこととしている。

今後とも、政府として分煙対策の推進に努めてまいりたい。

六について

小学校、中学校及び高等学校においては、従来から教科「保健体育」及び特別活動において喫煙防止に関する指導を行うよう指導してきたが、その充実を図るため、昭和六十年度から昭和六十二年度にかけて、財団法人日本学校保健会に依頼し、専門家の協力を得て喫煙防止に関する教師用指導資料を作成してきたところである。

また、平成元年三月に改訂した中学校及び高等学校学習指導要領においては、生活行動と健康のかかわりを重視する観点から、喫煙と健康に関する内容を充実し、喫煙防止に関する指導の一層の推進を図っているところである。

七について

教員に対して喫煙防止に関する指導について理解を深めさせることは重要なことと考えているが、その具体的な取組については、教員養成を行う大学及び教員の研修を行う都道府県教育委員会等が、それぞれの判断により適切に対応すべきものと考えている。

八について

たばこの添加物については、その内容は、各メーカーの企業秘密に属することから、一般に、外国においても公表及び表示はなされておらず、我が国においてもこれを義務付ける必要はないと考えている。

現行のたばこの包装に表示されている注意文言は、喫煙の健康に及ぼす影響についての医学的知見が蓄積され、喫煙について一層注意を喚起する必要があるとのたばこ事業等審議会の答申に基づいて、たばこ事業法施行規則(昭和六十年大蔵省令第五号)で定めたものであり、適切な表示であると考えている。

紙巻たばこに含まれる成分については、喫煙者に対し喫煙と健康との関係に関して注意を促すための客観的な情報を提供する必要があるとの前記答申に基づいて、たばこ事業法施行規則によりタール・ニコチン量の表示を義務付けたところであり、成分自体に上限を設けることは考えていない。

九について

輸入製造たばこについては外国たばこメーカーにおいて、輸入された葉たばこについては日本たばこ産業株式会社において、品質等の厳重なチェックが行われているものと承知している。

なお、一般に、外国においても、政府により輸入製造たばこの品質等のチェックは行われていないものと承知している。

十について

一般的に、税に基づく財源については、特定の使途、目的に拘束すべきものではなく、政策の優先順位に従って歳出に計上していくべきものであり、喫煙防止対策という特定の政策の財源としてたばこ税を充てることは適当ではない。

衆議院の原文

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