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動物保護に関する質問主意書

衆議院 第120回 第11号承知していない ×1

提出者
衆議院
提出日
1991年4月30日
内閣転送 1991年5月8日
答弁書受領日
1991年5月28日
提出から28日
答弁の項目数
12
質問 2,322字/答弁 2,335字

質問本文

衆議院議長 櫻内義雄 殿

動物保護に関する質問主意書

動物の虐待の防止、動物の適正な扱いなど動物の保護を目的とした「動物保護及び管理に関する法律」(以下「動管法」という。)が昭和四十九年に施行されてから既に十七年を経過しているが、訓示法的性格の故、必ずしも法の実効性が上がっているとは言えない。特に動管法の第一の目的である動物の虐待の防止においては、虐待の定義の不明確さや虐待防止の具体的担保に欠けるなどのために、著しく効力を欠いていると言わざるを得ない。

欧米諸国のみならず、我が国においても動物に対する新しい視点に立った動物保護あるいは動物福祉の機運が著しく高まっている昨今、我が国においてもこれまでの動物保護行政を全般にわたって点検し、新しい観点からの動物保護行政を確立する必要がある。

そうした観点から、動物保護及び動物福祉の推進を図る立場から以下の質問をする。

一 動物保護行政の実績等について

1 政府においては、動物保護週間における啓蒙行事の実施等、法の目的に沿って各種の動物保護対策を推進してきているが、近年(過去五年間)、どのような対策と措置を講じてこられたのか、その予算とともに明らかにされたい。

2 各都道府県等に設置されている「動物愛護センター」の施設数、職員数、施設維持・運営費の内訳及び現在の収容動物の種類と数はどの程度になるか明らかにされたい。

3 各都道府県における犬、猫の引取り件数、譲渡数、殺処分及び動物実験払下げ数について過去五年間の実績について明らかにされたい。

4 各都道府県における動物の殺処分には、これまで焼殺、真空殺、薬殺等があったが、現在、それらの殺処分方法についてどのように把握しているか。また、動物の処分のうち殺処分数が圧倒的に多い現状にあるが、この原因をどのように考えるか。また、動物愛護の法の目的に照らし、これを減らしていくことが必要と思われるが、どのような具体策を考えているのか。

5 殺処分数を減らすためには、犬、猫の“里親探し”等を積極的に進めていく必要があるが、譲渡についての公示期間・時間の延長、場所の増設を行うべきであり、また、譲渡対象を成犬・成猫にまで増やすべきであると考えるが、どう考えるか。

6 政府は、平成元年十一月二十八日の答弁で、引き取られた犬及び猫について、飼養を希望するものを見いだし難い場合は動物実験に回すことも止むを得ないとしているが、現実は、行政は成犬・成猫については契約した大学や企業などの研究機関に優先的に払下げを行い、一般譲渡を拒否しているのが実情であるが、今までどのように積極的な譲渡の努力を行ってきたのか、伺いたい。

7 現在、地方自治体で動物問題を担当する部署は、すべて保健衛生や厚生に関するところであり、動物の保護や福祉のために働いたり、動物の虐待を取り締まることのできる機能も権限も有していない。鳥獣保護法における「鳥獣保護員」のように、民間のボランティア等による動物保護監視委員の設置が必要であると考えるが、どうか。

二 動管法の改正について

1 動物保護の実効はそれぞれの国民の自覚に待つところが多いことも事実であるが、動管法第七条に規定する「犬及びねこの引取り条項」が安易な引取りを誘発していると思われるが、これの何らかの改正が必要と考えるが、どうか。また、安易な引取りを行わないよう各都道府県に行政指導を行うべきと考えるが、政府のご見解を示されたい。

2 諸外国の法律には、動物虐待の詳細な定義がなされているが、動管法には「動物の虐待」についての具体的定義がなく、このことが多くの動物の虐待を見過ごしにしていると思われるが、政省令その他何らかの形でこれを定義し、動物の虐待防止に資するべきであると考えるが、政府のご見解を伺いたい。

3 現在の動管法には、商業目的において繁殖、移送、飼育、屠殺等を行う場合の動物の福祉に関する配慮及び監督制度が欠落しており、政府として政省令等により、依るべき基準を定める必要があると考えるが、どうか。

三 動物実験の改善について

1 現在、飼い主に捨てられた動物の多くが、地方自治体から大学や公立・民間の研究機関及び私企業等に動物実験用として払い下げられている現状にあるが、動物愛護及び実験の科学性・正確性確保の観点から、すでにイギリス、スウェーデン、デンマーク、オランダ、スイス、イタリア及びアメリカなどの諸外国では、これを法律で禁止している現状にあり、我が国においてもこれを中止すべきであると考えるが、政府のご見解を明らかにされたい。

2 動物実験における動物の虐待防止のため、我が国においてもガイドラインの設定など一応の措置が採られつつあるが、現在、我が国の研究機関においてどのような措置が採られているか現状について示されたい。また、これらが大学等各研究機関においてどのように守られているのかについて国民は知る術がない現状にある。西欧先進国における動物実験の規制の進展から見て、我が国においても公開と監視のための措置が必要と思うが、政府のご見解を示されたい。

3 動物保護の観点から、動物実験における供試動物の苦痛を除去し、かつその数を確実に減らしあるいは動物に代わる他の方法への代替を図っていく、いわゆる3R(Refinement,Reduction,Replacement)に示される動物実験代替法の開発・普及が強く要請されているが、政府においては現在、これについてどのような対策(予算も含め)を講じているのか、今後の予定・計画及び予算措置も含め政府のお考えを示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

動物の保護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号。以下「法」という。)に基づき、動物愛護思想の普及啓発を図るため、ポスター、パンフレット等の作成、配布等の事業を実施するとともに、動物愛護週間には、地方公共団体と連携して、その趣旨にふさわしい各種の行事を実施している。また、昭和六十二年十月には、産業動物の飼養及び保管に関する基準(昭和六十二年総理府告示第二十二号)を定め、さらに、昭和六十三年二月からは、法第十条の「動物を殺す場合の方法」について、基準の検討を行っている。動物保護管理関係の予算としては、昭和六十一年度二千三百三十五万円、昭和六十二年度二千七百三十八万七千円、昭和六十三年度二千七百八十六万九千円、平成元年度三千九百十万三千円、平成二年度四千三十四万六千円が計上された。

一の2について

法第七条の規定に基づき都道府県又は政令で定める市(以下「都道府県等」という。)が実施している犬及び猫の引取り業務は、保健所又はいわゆる動物愛護センター等の専用の施設において行われており、そのうち動物愛護センター等の専用の施設は、おおよそ八十箇所であると承知している。

また、前記施設の職員数、施設維持・運営費の内訳については承知していない。

なお、平成元年度における都道府県等の引取り数については、犬は四十万九千五百五十一頭、猫は三十四万九百二匹と承知している。

一の3について

都道府県等における過去五年間の犬及び猫の引取り数等は、表一及び表二のとおりである。

表一 犬の引取り数等

(注一)捕獲犬を含む。

(注二)捕獲犬及び前年度に引き取ったものを含む。

表二 猫の引取り数等

(注)前年度に引き取ったものを含む。

一の4について

都道府県等に対し、やむを得ず動物を殺さなければならない場合でも、法第十条の趣旨にのっとり、できる限り苦痛を与えないようにするため、炭酸ガスによる方法で処分を行うよう指導しているところである。

また、都道府県等において引き取った犬及び猫等の動物については、犬及びねこの引取り並びに負傷動物の収容に関する措置要領(昭和五十年四月五日内閣総理大臣決定。以下「措置要領」という。)において、飼養を希望する者へ譲渡するなどできるだけ生存の機会を与えるように努めることとしており、都道府県等に対し、この趣旨を更に徹底してまいりたい。

一の5及び6について

都道府県等において引き取った犬及び猫については、措置要領において、できるだけ生存の機会を与えるため、飼養を希望する者を見いだすことに努めることとしており、都道府県等に対し、この趣旨を更に徹底してまいりたい。

なお、成犬及び成猫については、飼養を希望する者がほとんどいないのが実情である。

一の7について

都道府県等の動物の保護及び管理に関する行政の担当者には、動物に関する専門知識を有する職員が配置されていると承知しており、御指摘の動物保護監視委員の設置が必要かどうかについては、幅広い観点からの検討を要するものと考える。

二の1について

犬及びねこの飼養及び保管に関する基準(昭和五十年総理府告示第二十八号)においては、犬又は猫の所有者は終生飼養するよう努めることとし、やむを得ず犬又は猫を継続して飼養することができなくなった場合には、まず適正に飼養することのできる者に当該犬又は猫を譲渡するように努め、新たな飼養者を見いだすことができない場合においてのみ都道府県知事等に引取りを求めることとしており、この趣旨を更に周知徹底してまいりたい。

二の2について

動物に対する虐待の意義については、法第二条では、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならないとされており、国民の社会通念をもって理解されるものと考える。

二の3について

動物の保護又は管理については、法第四条及び犬及びねこの飼養及び保管に関する基準等に基づき、動物の所有者及び占有者に対し、動物の生理、生態、習性等を理解し、かつ、愛情を持って飼養又は保管するように指導しているところであり、この趣旨を更に周知徹底してまいりたい。

三の1について

都道府県等において引き取った犬及び猫については、飼養を希望する者を見いだし難い場合には、科学上の利用に供することもやむを得ないものと考えるが、措置要領において、都道府県等は、できるだけ生存の機会を与えるため、飼養を希望する者を見いだすよう努めることとしているところである。

三の2について

各大学等においては、法第十一条等、実験動物の飼養及び保管等に関する基準(昭和五十五年総理府告示第六号)及び昭和六十二年一月の学術審議会の報告を踏まえ、動物実験を実施する際に遵守すべき事項を示した動物実験指針等を定めるとともに、その適正な運用を図るため

当該大学等の実験動物の専門家、実験者、その他当該大学長等が必要と認める者で構成する動物実験委員会の設置を進めるなど、動物愛護の観点からも適正な動物実験の実施が図られているところである。

三の3について

実験動物の適正な使用の確保のため、効率的な利用法の確立、代替動物の開発や微生物の利用等による模擬技術及び代替実験系の確立並びにシミュレーション技術等の代替手法の開発について、長期的な視点から研究開発が必要であると認識している。

このような観点から、動物実験代替システムの開発の重要性にかんがみ、平成三年度から科学技術振興調整費を活用し、培養細胞を用いた実験系の開発、循環器系のシミュレーターの開発等を行うこととしている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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