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改正動物愛護管理法に基づく犬猫の適正な飼養管理基準の具体化に関する質問主意書
衆議院 第203回 第7号趣旨が明らかではない ×1
質問本文
環境省の中央環境審議会動物愛護部会は、本年十月七日、昨年六月に公布された「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」(令和元年法律第三十九号)の飼養管理基準の具体化に関する改正部分の施行に当たって、同基準の具体化に関する動物愛護管理法に係る省令案(以下「省令案」という。)を取りまとめた。
同省令案は、現在、国民からの意見募集が実施されているところであるが、犬猫の適正な飼養管理基準の具体化については、劣悪な環境で飼育する悪質業者を地方自治体が指導するのに明確で分かりやすいとの評価がある反面、事業者に対する過度に厳格な飼養管理基準の規制適用が廃業等を引き起こし多数の犬猫が行き場を失う問題が生じるとの指摘もあると承知している。
そこで、今回の飼養管理基準の具体化に伴う影響等に対する政府の対応の方向性等について、以下質問する。
一 適正な飼養管理基準の具体化について、省令案には、飼養に用いるケージのサイズを始め、繁殖業者や販売業者の従業員一人当たりの飼養頭数や繁殖回数等に関する数値基準が具体的に示されている。ただ、繁殖回数等に関する数値基準に関しては、犬種・猫種による個体差が十分に考慮されていない。個体により、平均寿命や繁殖回数等の違いがあることから、基準はこうした個体差を適切に反映したものとするべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
二 新たな飼養管理基準の設定に当たっては、悪質な事業者を排除するために、地方自治体が不適切な事業者に対してレッドカードを出しやすい明確な基準とすることが重要とされ、去る八月十二日に開催された動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会においても、小泉環境大臣が、「自治体の取組を支える仕組みづくりの一環として、環境省に新たに相談窓口を設置して、命令や取消処分などの事業者への対応のノウハウを蓄積して自治体にフィードバックするなど、具体的な対応を今後進めていく」と発言している。
こうした観点からすれば、新たな基準の実際の運用を行う地方自治体が、立入検査等により事業者の実態を適確に把握し、必要に応じて勧告、命令、取消処分や罰則の適用を行いやすい環境を整備して基準の実効性を確保するために、地方自治体の取組に対して一層の支援が不可欠となると考える。今後、「基準の解説書(仮称)」の策定や相談窓口の設置に加えて、どのような具体的支援策を検討しているか示されたい。
三 事業者に対する飼養管理基準等の遵守の確認、指導監督体制の確保など、新たな飼養管理基準の適切な運用のための地方自治体をはじめとする行政コストの大幅な増大も予想される。今回の省令案の運用に伴い見込まれる行政上の経費はどの程度と想定しているか示されたい。
四 省令案における数値基準が設定されることで、規制の適用によって事業者に過度な経営負担が課されて経営破綻や廃業等を招き、結果として、多数の犬猫が行き場を無くしたり、不適正飼養の助長につながってしまう可能性があることが指摘されている。行き場を無くした犬猫を受け入れる保護団体や保健所等の体制も、新型コロナウイルス感染症の影響で、受け入れる余裕がほとんど無い状況にある。及ぼす影響の大きいものであるからこそ、そうした事態が生じないよう、予防策や対応策を講ずる必要があると考えるが、政府の今後の具体的な対応策等を明らかにされたい。
五 今回の省令案では、事業者が基準の適用に向けて犬猫の飼養環境の改善を図るとともに、繁殖を引退した犬猫、保護犬や保護猫の譲渡が促進される環境づくりを進めるための期間も考慮し、飼養する設備の規模、従業者の員数、繁殖に係る基準については、経過措置を検討するとされている。
そこで、経過措置期間はどのくらいの期間を想定し、事業者による犬猫の飼養環境の改善とともに譲渡が促進される環境づくりに向けてどのような取組が必要であると考えているか、政府の見解を示されたい。
六 今回の省令案では、犬猫以外の哺乳類、鳥類及び爬虫類に係る基準についても、今後検討を進める、としている。今後の基準策定の具体的なスケジュールについて、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「犬種・猫種による個体差」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「繁殖回数等に関する数値基準」については、本年十月十六日からパブリックコメントを実施している「動物の愛護及び管理に関する法律に係る省令案(飼養管理基準に係るもの)」(以下「省令案」という。)において、「犬を繁殖させる場合には、生涯出産回数を六回までとするとともに、雌の交配時の年齢を六歳以下とすること。ただし、七歳に達した時点で生涯出産回数が六回未満であることを証明できる場合においては、当該雌の交配時の年齢は七歳以下とする。」及び「猫を繁殖させる場合には、雌の交配時の年齢を六歳以下とすること。ただし、七歳に達した時点で生涯出産回数が十回未満であることを証明できる場合においては、当該雌の交配時の年齢は七歳以下とする。」としているとおり、犬及び猫の種類に着目したものではなく、個体に着目したものとなっている。
二について
お尋ねの「具体的支援策」については、今後、地方自治体に対して、説明会や研修を開催し、省令案に基づく新たな飼養管理基準(以下「飼養管理基準」という。)の運用の徹底を図るとともに、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号。以下「法」という。)第二十三条第一項の規定による勧告、同条第四項の規定による命令等の行政処分に関しては、地方自治体が実施しやすいよう、例えば、行政処分を行うに当たっての対応の手順や一定の様式を示すこと等を考えている。
三について
お尋ねの「今回の省令案の運用に伴い見込まれる行政上の経費」については、政府として具体的に想定しているものはないが、御指摘の「事業者に対する飼養管理基準等の遵守の確認」は、これまでも、法第二十四条第一項の規定による都道府県知事が行う報告徴収及び立入検査を通じて、御指摘の「指導監督体制の確保など」を行いながら実施されてきているところである。このため、飼養管理基準の運用に当たって、御指摘の「行政コスト」が大幅に増大するものではないと考えている。
四について
お尋ねの「今後の具体的な対応策等」については、省令案において示しているとおり、「基準の適用に伴う遺棄、殺処分、不適正飼養等を生じさせないよう、繁殖を引退した犬猫や保護犬猫の譲渡が促進される環境づくりを進める」ことが必要と考えており、「事業者が基準の適用に向けて犬猫の飼養環境の改善を図るとともに、これらの環境づくりを進めるための期間も考慮し、飼養設備の規模、従業者の員数、繁殖に係る基準については、経過措置について検討する」ことを考えている。
五について
お尋ねの「経過措置期間」については、今後検討していくこととしている。また、お尋ねの「取組」については、省令案において示しているとおり、例えば、「譲渡促進の観点から、できる限り早い段階で譲渡されるための効果的な施策を推進するための議論の場を設置することが必要である」と考えている。
六について
お尋ねの「犬猫以外の哺乳類、鳥類及び爬虫類に係る基準」の検討を行う具体的なスケジュールについては、現時点では未定である。
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