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低用量ピルに関する質問主意書
衆議院 第128回 第1号お答えすることは困難 ×1承知していない ×1
質問本文
昨年の始めに、わが国でも認可が確実視されていた経口避妊薬(ピル)に対して承認するとコンドームの使用が減りエイズの蔓延を招きかねないとの恐れから、中央薬事審議会は「継続審議」の名のもとに未承認のまま一年以上が経過し、未だ承認の目処もたっていないと漏れ聞くに及んでいる。このままでは女性の保健向上を妨げるものなど幾多の問題を残すことになるので対策は緊急を要すると考える。
従って次の事項について質問する。
一 中央薬事審議会に関する件
1 確実性と安全性の高い「低用量ピル」としての臨床的評価は既に三年を経過し終わっていると聞くがその審議状況はどうなっているのか。また、その承認の見通し時期はいつ頃か。
2 未だ審議中ならばその問題点はなにか。
冒頭に述べたごとく、エイズに関連したものなのか。
3 ピルの早期認可を求めて、本年五月十二日に日本産科婦人科学会、日本母性保護医協会、日本家族計画協会、日本家族計画連盟の四団体が厚生大臣に要望書を提出しているがどのように対応されているのか。
二 エイズと避妊に関する件
1 エイズと避妊は別問題ではないのか。
2 エイズ予防にコンドームは最適であるが、避妊法として最適なものといえるのか。
3 避妊法としてピルを主に用いている国では、コンドームはエイズ予防としてすでに理解されているが、コンドームが避妊の主流となっている日本でも、コンドームのエイズ予防としての認識に基づく「正しい使用法」の啓蒙が先決ではないか。
4 日本以外でエイズ問題によりピルを中止するなど制限した国はあるか。
5 エイズは全人的問題として取り上げ、「ノーセックス」または「ステディセックス」「セーフセックス」の徹底が重要である。避妊としてコンドームの避妊効果はピルに劣る。勿論コンドームは男性の協力が不可欠である。
女性自ら選択しうる信頼性の高い避妊法が望まれるが、そのようなものがわが国において現存していると思われるか。
三 人工妊娠中絶に関する件
1 既婚女性で三〇%が中絶経験を持ち、その内四〇%は二回以上の経験者である。また、平成三年に四三万六千人の新たな生命が摘まれている事実がある。
日本人女性は「望まない妊娠」を回避する最良の選択肢を持ち合わせていないのではないか。
また、二〇歳以下の中絶件数増加傾向を把握されていると思われるがどうか。
2 人工妊娠中絶は女性が一方的に心身両面のダメージを受けることとなるが、この点をどう考えるか。
四 避妊としてのピルに関する件
1 低用量ピルの治験に参加した女性は、その後どのような避妊法を行っているのか把握されているのか。
2 中高用量のホルモン配合剤をピルとして約二〇万人以上の女性が服用しているが、安全性の点からこの事実を放置しておいて良いのか。
3 ピルを服用することによってエイズの母子感染を予防することができる。日本ではすでに母子感染の報告が二件ある。この点どのように考えるか。
4 国際交流がさかんな状況下で世界で広く使用されているピルに対し、昔のような鎖国施策を取ることは諸外国から日本独特の「閉鎖性」と映るがこの点をどう考えるか。
5 ピルは医師の処方によるもので、その際エイズの問題とコンドームの意義を直接服用者に説明出来るものと考えるがどうか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
経口避妊薬(以下「ピル」という。)については、開発を行っている数社の製薬会社から承認申請が出されているが、それらの承認の可否については中央薬事審議会(以下「審議会」という。)に諮問し、現在審議が行われているところである。
承認の可否は、審議会の答申を待って判断することになるが、その時期を特定することは困難である。
一の2について
審議会においては、承認申請が出されたピルの個々の品目について、有効性、安全性等に関する審議が行われており、いまだ結論が出ていない。
なお、関連する問題として、ピルの使用が後天性免疫不全症候群(以下「エイズ」という。)の病原体(ヒト免疫不全ウイルス。以下「HIV」という。)の感染の拡大に与える影響などについて、公衆衛生上の観点からの議論も行われている。
一の3について
御指摘の要望書については、その趣旨を審議会に伝達している。
二の1について
避妊については、家族計画の手段として、エイズの予防の問題とは別に、母性の保護や児童の健全育成等を図るために行うものである。
なお、避妊は、性行為に関し行われるものであり、その方法が性行為感染症としての性格を持つエイズの予防と関連する面があると考えられる。
二の2について
コンドームによる避妊は、実行が容易でその費用も安価であること、使用者にとって安全であること等の利点を有しており、また、その避妊効果も使用法が適切であれば、十分高いものと考えている。
二の3について
エイズに関する正しい知識の啓発普及のため、国においては、ポスター、パンフレット、テレビ等による広報のほか、都道府県等を通じ広く広報活動を実施しているところであり、その中で、HIV感染の予防に関しコンドームの有効性及び正しい使用法について、啓発を行っている。
二の4について
入手している情報の範囲では、そのような国はないと承知している。
二の5について
女性自ら選択し得る避妊法として、IUD、ペッサリー等の方法がある。
なお、コンドームは使用法が適切であれば避妊効果も十分高く、また、使用に当たって不可欠な男性の協力については、保健所等における新婚家庭等に対する指導を通じてその確保に努めている。
三の1について
我が国においては、避妊法として、コンドーム、IUD、ペッサリー等が使用されているが、これらは適切に使用すれば、十分な避妊効果が得られるものと考えている。また、その使用法等については、保健所等における新婚家庭等に対する指導や保健婦による訪問指導等を通じて指導を行っている。
二十歳未満の人工妊娠中絶件数は、昭和五十年代から増加していたが、平成四年には、三万千九百六十九件と報告されており、前年と比べ千三百件余り減少している。
三の2について
人工妊娠中絶は、母性の保護等を目的として、限られた要件に合致した場合にのみ行われるものであり、今後とも、その趣旨にのっとり、適正な実施が図られるよう努めてまいりたい。
四の1について
低用量のピルの治験は、その有効性、安全性等を評価する目的で行われたものであり、治験に参加した女性が治験後にどのような避妊法を行っているのかについては把握していない。
四の2について
中高用量のホルモン配合剤については、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に基づく承認に当たり、避妊の効能又は効果は認められていない。なお、中高用量のホルモン配合剤は、医師から処方せんの交付又は指示を受けた者以外の者に対して販売又は授与してはならない要指示薬に指定されている。
四の3について
我が国における母子感染によりHIVに感染した者の数は、平成五年八月末現在で七名と報告されている。
HIVの母子感染の予防に関しては、「HIV母子感染予防のガイドライン」等を作成し、母子感染の確率をできる限り少なくするための方法について、医療機関等への周知徹底を図っているところであり、今後とも適切に対処してまいりたい。
四の4について
ピルの承認の可否については、我が国における臨床試験の試験成績に関する資料等に基づき、その有効性、安全性等について審議会において慎重な審議を行っているものであり、「日本独特の鎖国施策」を採っているとの指摘は当たらないものと考える。
四の5について
ピルは、審議会において、その有効性、安全性等について慎重な審議が行われている段階であり、その承認の可否、また仮に承認された場合に医師の処方又は指示によるとの指定を行うか否か等についての結論は出ていない。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。