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血液行政の見直しに関する質問主意書

衆議院 第139回 第8号検討してまいりたい ×2

提出者
衆議院
提出日
1996年12月17日
内閣転送 1996年12月18日
答弁書受領日
1997年1月28日
提出から42日
答弁の項目数
13
質問 2,222字/答弁 3,293字

質問本文

血液事業行政のあり方については、昭和五〇年の「血液問題研究会」(厚生大臣の私的諮問機関)以来有識者による研究会等が意見具申や答申を何度も重ねてきた。それにもかかわらず、血液製剤による薬害エイズが起こり、多くの人命が失われる事態となった。この現実は、ヒトの臓器組織の一部である血液に由来する医薬品を商品として取引きし、薬価差益が生じるという構造に根本的な破綻の原因があることを明白に示した。

血液事業行政のあり方に関し、以下質問する。

一 血漿分画製剤の国内自給について

�@ 血漿分画製剤について、国内自給の目標を設定したにもかかわらず、アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤において達成できない理由とその背景は何だと認識しているか。

�A 全ての血液製剤の国内自給という目標を達成するには、まず血液製剤の使用量の削減が必要であることは当然だが、使用の適正化の目標値をどのように設定し、その直近の達成状況はどのくらいであるか答えよ。

�B また、今後の国内自給達成の時期までの計画を、血漿分画製剤の製品種類ごとに答えよ。

二 法整備について

�@ 総務庁行政監察「血液事業に関する調査」においても、「血液事業における国、地方公共団体、日本赤十字社の役割と責任を法的に明確化することについて検討すること」と平成三年に勧告されているが、どのような検討を加えたのか、具体的に答えよ。

�A 現状として、いまだ法整備が行われず放置されていることをどう考えるか。また、その理由はなぜか。

�B 昭和三一年に制定された「採血及び供血あつせん業取締法」は、売血・預血時代の産物であり、現在の我が国と世界の血漿分画製剤を取り巻く状況に合致しているとは言いづらい。血液事業の理念と責任を明確に定めた法律の制定の必要性があると考えるが、その認識を伺う。

三 閣議決定の事実関係について

昭和三九年の閣議決定では、保存血液についてのみ献血により確保する体制の確立の推進が決定されたが、血漿分画製剤がなぜその中に含まれなかったのか答えよ。

四 薬価差益について

�@ 血液問題研究会の意見具申では「全血製剤や血液成分輸血は、臓器移植である。血漿分画製剤となると、(中略)その源となる血液はあくまでも人体のみから得られる生体臓器である。しかも、これらの生体臓器の提供は、献血という人間尊重と相互連帯の基本精神に基づく国民の善意によってなされるものであることを深く認識し、些かたりとも粗末に扱われるようなことは決して許されるものではない。」との認識が明確に示された。

しかし、血漿分画製剤は医薬品として売買の対象となり、自由な価格競争が行われている。これは臓器売買にも等しい行為であると考えるが、その認識を伺う。

�A 大きな薬価差益が存在することが、医療機関での血漿分画製剤の使用の適正化推進の阻害要因となっていることは明白である。私の調査によれば、現に薬価の七割程度で医療機関に提供されている免疫グロブリン製剤が確認されている。また、その他の多くの製剤も八割程度の薬価率で医療機関に提供されているのが現実である。

このような状況と製剤がヒトの臓器を原料としている点を踏まえて、他の医薬品とは切り離して、血漿分画製剤の大幅な薬価引き下げが必要と考えるが、その認識を伺う。

�B また、薬価改定のために調査した直近の全国の医療機関の平均購入価格の全国平均と、最も値引きされていた製品の価格を、アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤、血液凝固因子製剤につき、全てのメーカーの品名について答えよ。

�C 使用の適正化の一層の徹底には、血液製剤の供給によって薬価差益を生じさせないシステムの確立が必要だが、その認識を伺う。

�D また、血液製剤の供給を一元化させ、定められた薬価で値引きをせずに医療機関に販売を行うことが不可欠と考えるが、その認識を伺う。

五 血漿の売却価格について

日本赤十字社が献血で集めた血漿を民間会社に売却して血漿分画製剤を製造し、献血由来の民間ブランド製剤として販売している。この血漿の民間への売却価格は一リットル一万一千円であるが、この価格では採算割れを起こしているとの指摘が日本赤十字社の内部でもあると聞く。この売却価格が適正であるのか、その認識を伺う。製薬会社の製造コストや利益率をどのように計算してこの売却価格を決定しているのか、具体的に答えよ。

六 献血申込書の保存期間について

献血申込書などの記録の保存期間は、五年となっている。安全な血液製剤を供給するという観点からルックバックのために保存期間をより長くすべきと考えるが、その認識を伺う。

七 教育での取り組みについて

献血思想の国民的普及のためには、人を援助するための行動規範や倫理を学校教育の中で学ぶことが必要だが、現状の措置では不十分である。献血可能年齢の者及び将来の献血者のための教育として何をどのように教えることが、国内自給達成の悲願成就に資するものであるか、学習指導要領へ盛り込むことも含めて、具体的施策策定への認識を伺う。

八 公務員の特別休暇措置について

骨髄移植のための骨髄提供者となる場合においては、公務員の特別休暇措置が行われている。国内自給達成のため、特に成分献血に際して公務員等への同様の休暇措置を講じ、献血者の確保に資するべきと考えるが、その認識を伺う。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の�@について

御指摘のアルブミン製剤、免疫グロブリン製剤等の血液製剤については、国内献血により自給するいわゆる国内自給を達成することを最終目標として、献血血液量の確保、献血血液の有効利用及び血液製剤の使用の適正化に努めており、アルブミン製剤及び免疫グロブリン製剤についても段階的に自給を拡大してきたところであるが、現時点においても、アルブミン製剤の使用量が諸外国と比較して多いこと等の事情が見られることから、国内自給は達成されていない。

一の�A及び�Bについて

諸外国と比較して使用量の多いアルブミン製剤その他使用の適正化が必要と認められた血液製剤については、厚生省薬務局に設置した「血液事業検討委員会」が昭和六十一年七月に作成した適正使用のためのガイドラインを医療機関等に対し周知徹底することにより、その使用の適正化に努めているところであるが、現時点において、その使用の適正化に関する定量的な目標値は設定していない。

また、アルブミン製剤等現時点において国内自給が達成されていない血漿分画製剤について、その国

内自給の達成に向けた具体的な計画は策定していない。

なお、現在、アルブミン製剤の使用の適正化を始め、血漿分画製剤の国内自給に向けた具体的な取組の在り方について、平成八年十月に厚生省薬務局に設置した「血液行政の在り方に関する懇談会」(以下「血液行政懇談会」という。)において、検討を進めているところであり、今後、その検討結果等を踏まえ、一層積極的な取組を進めてまいりたい。

二の�@から�Bまでについて

御指摘の内容に係る総務庁の「血液事業に関する調査結果に基づく勧告(平成三年八月)」については、厚生省として重要な指摘と受け止めており、こうした指摘等も踏まえ、平成八年には、医薬品による健康被害の再発防止を図るために厚生省内に設置したプロジェクトチームにおいて検討を行い、同年七月に取りまとめた報告において、「血液事業の新たな展開に向けてのあり方を検討し、できるだけ速やかに成案を得て必要な立法措置を講ずるとともに政策全般にわたる総合的な見直しを行う」こととしたところである。

さらに、この報告を踏まえ、血液行政懇談会において、法制面を含め血液行政の新たな展開に向けての在り方について、検討を進めているところである。

三について

御指摘の閣議決定(昭和三十九年八月二十一日)「献血の推進について」は、当時、血液製剤の約九割を占めていた保存血液について、その約九割が買血に依存し、その安全性等の面で問題があったことを踏まえ、当該保存血液について可及的速やかに献血により確保する体制を確立することが重要であるとの認識に基づいてなされたものであり、閣議決定時点では、血漿分画製剤の原料血液を含めて献血により確保する体制を確立するとの方針は採られていなかった。

四の�@について

血漿分画製剤は、血液という生体の一部から得られる製剤であり、また、国民の善意によりなされる献血に由来するものであることから、その医療機関への供給に当たっては、国民の理解の得られる形で効率的かつ適正に行われなければならないと考えられ、血漿分画製剤が医療機関に対し薬価基準を大幅に下回った価格で販売されることにより不適正な使用が助長されるような事態が生じることは適切ではないと考えている。

四の�Aについて

薬価基準における薬価の具体的な決定は、原則として二年に一回行う薬価調査により得られる市場における当該医薬品に係る実勢価格の加重平均値を基に行っている。血漿分画製剤についても、平成八年九月の薬価調査により市場における実勢価格の加重平均値が現行の薬価基準における薬価よりも大幅に下回っていることが明らかになったものについては、平成九年四月に予定されている薬価改定時に、実勢価格に対応して引き下げることとしたいと考えている。

四の�Bについて

平成八年九月の薬価調査によれば、アルブミン製剤(三十二品目)については、平均の値引率が百分の十三であり、最も値引きされていた品目の値引率は百分の十六である。免疫グロブリン製剤(五十二品目)については、平均の値引率が百分の十四であり、最も値引きされていた品目の値引率は百分の二十八である。血液凝固第VIII因子製剤(十一品目)については、平均の値引率が百分の十であり、最も値引きされていた品目の値引率は百分の十二である。血液凝固第IX因子製剤(八品目)については、平均の値引率が百分の十であり、最も値引きされていた品目の値引率は百分の十一である。

なお、血漿分画製剤の品目ごとの調査結果については、血漿分画製剤製造事業者の個別の営業活動の内容に触れるものであり、商取引に影響を及ぼすおそれがあること等の観点から、答弁を差し控えたい。

四の�Cについて

血液製剤が医療機関に対し薬価基準を大幅に下回った価格で販売されることにより不適正な使用が助長されるような事態が生じることは適切ではないと考えている。

血液製剤を含む医薬品の薬価差については、逐次縮小を図ってきたところであるが、薬価差問題の解消を図るため、現行薬価制度の抜本的見直しに向けて、関係する審議会等において検討を進めてまいりたい。

四の�Dについて

血漿分画製剤を含む血液製剤の医療機関への供給については、国民の理解の得られる形で効率的かつ適正に行われる必要があると考えており、その具体的な在り方については、血液行政懇談会における論議の結果等を踏まえ、今後、検討を進めてまいりたい。

五について

日本赤十字社から民間の血漿分画製剤製造事業者に対する献血由来の原料血漿の提供については、平成二年三月及び平成三年十二月における厚生省、日本赤十字社及び社団法人日本血液製剤協会の三者間の合意に基づいて実施されており、その価格についても、当該合意に基づき原料血漿の種類に応じ定められている。当該価格の設定に当たっては、日本赤十字社の原料血漿の提供に係るコストの外、原料血漿に係る国際取引価格等を勘案しているところである。

六について

献血申込書等日本赤十字社における献血者及び献血血液に関する記録の保存期間については、現在、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第二十四条第二項に規定する診療録の保存期間を考慮して五年間とされているが、今後、御指摘の血液製剤に係る遡及調査(ルックバック)の在り方、事務処理の体制の在り方等も勘案しつつ検討を要する課題であると認識している。

七について

児童及び生徒が、他人を援助し、助け合う態度を身に付けることは人間として重要なことであり、学校教育についても現行の学習指導要領の中に、道徳及び特別活動の領域並びに社会等の教科において、人間尊重の精神を生活の中に生かすこと、助け合いや社会への奉仕の気持ちを深めること等について示し、各学校において、児童及び生徒の発達段階に応じた指導が行われているところである。

献血に係る教育での取組としては、文部省が作成している「高等学校学習指導要領解説(保健体育編)」において、日本赤十字社の諸活動について授業で触れるよう明記し、保健の授業の中で、献血の意義や重要性についても取り上げられている。また、献血を通じた他人への援助等については、学校教育の中で保健の授業以外にも特別活動等の領域において取り組まれているところである。

今後とも、学校教育において、これらの指導が一層充実されるよう配慮してまいりたい。

八について

特別休暇は、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号)第十九条の規定等に基づいて、特別の事由により職員が勤務しないことが相当である場合に認められる休暇である。成分献血については、任意の時間に、かつ、比較的短時間で行い得るものであり、骨髄液提供の場合のように入院等で一定の時期に一定期間のまとまった日数を要する等の事情にはなく、特別休暇の対象となる特別の事由に該当するものとは考えていない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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