Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第140回

国民に対してなすべき財政状況報告に関する質問主意書

衆議院 第140回 第8号

提出者
衆議院
提出日
1997年3月4日
内閣転送 1997年3月5日
答弁書受領日
1997年3月25日
提出から21日
答弁の項目数
5
質問 1,510字/答弁 1,234字

質問本文

わが国の財政は、国の長期債務残高三四四兆円、地方の借入金残高一四七兆円、国・地方の重複分を除く債務残高が約四七六兆円に達し、その対GDP比は九二%に及ぶ。これにいわゆる「隠し借金」四五兆円を加えれば、GDP総額を超える巨額な借金となる。

こうした財政赤字の累積に加えて、今後の高齢社会の展開にともなう財政需要を考慮に入れれば、財政がいっそう深刻な事態を迎えることは必至である。

本格的な高齢社会の展開を前にして、不要不急の経費を思い切って削減し、財政赤字を合理的な水準へ縮小させ、今後の財政需要に対応していかなければならないと考える。このような財政の抜本的改革を実行するには、国民の歳出削減への理解と合意を欠かせない。政府は国民に財政状況を積極的に知らせ、国民の理解の上で、財政構造改革を進める必要がある。

財政の状況についての国民の理解を得るために、憲法第九一条は「内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない」と規定している。これを受けて、財政法第四六条は、

�@内閣は、予算が成立したときは、直ちに予算、前前年度の歳入歳出決算並びに公債、借入金及び国有財産の現在高その他財政に関する一般の事項について、印刷物、講演その他適当な方法で国民に報告しなければならない。

�A前項に規定するものの外、内閣は、少くとも毎四半期ごとに、予算使用の状況、国庫の状況その他財政の状況について、国会及び国民に報告しなければならない。

としている。

これらの条文は内閣に対し国民に直接報告する義務を課しており、最近注目されているアカウンタビリティ(説明責任)を戦後初期の段階で明確にしている点で、高く評価できるものである。しかし、これらの条文をこれまでの内閣がきちんと実行してきたのかについては、大いに疑問がある。

従って、次の事項について質問する。

一 財政法第四六条第一項において「印刷物、講演その他適当な方法」とあるが、印刷物とは何を指しているのか。過去五年間の実績及びその自己評価を具体的に明らかにされたい。

二 講演は、いつ、どこで行ったのか、どのような方法で告知し聴衆は何人参加したのかなどを具体的に明らかにされたい。

三 「その他適当な方法」とあるが、これはどのような方法を意味するのか。いつ、どこで、どのように行ったのか、過去五年間の実績及びその自己評価を具体的にお示しいただきたい。

四 財政法第四六条第一項に「その他財政に関する一般の事項について」とある。この一般の事項には、財政投融資の運用状況及び公庫公団などの経営状況も含めるべきであると考えるが、内閣の見解を伺う。

五 大蔵省主計局法規課の財政法の解説(『時の法令』一三九一号)は、「国民に対しては官報に掲載することによって報告をしている」としている。しかし、これについては、次のような有力な批判がある。

「現在は官報にきわめて簡単にこれを掲載している程度であり、政府の熱意においてやや欠けるところがあるといえよう。(中略)国民に対しては第二項の活用が特に好ましいわけである。もっとも現在も官報によって財政状況の報告は或る程度なされているが、決して十分とはいえない状態である。」(杉村章三郎他著『財政・会計・国有財産法』)

財政構造改革は、国民の理解と合意、広い意味での参加なしには進まない。内閣は、憲法第九一条、財政法第四六条の趣旨を積極的にとらえ、改めて広く国民に分かりやすい方法で報告し、説明責任を果たすべきであると考える。内閣の見解と今後の具体的な取り組みについて、明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の「印刷物」については、毎年度、予算成立後、官報に掲載する「財政法第四十六条に基づく国民への財政報告」がこれに該当するものであり、過去五年間においても、毎年度、官報に掲載してきているところである。同報告においては、予算編成の前提となった経済情勢及び予算編成の基本方針、予算の規模、予算に織り込まれた社会保障、公共事業等の各般の施策について詳細な説明を行い、財政の果たす役割、機能に関し、国民の理解を得るよう努めており、国民への報告が適切になされているものと考える。

さらに、国の財政状況に対する国民の理解に資するため、各種の印刷物により、国民への広報に努めているところである。

二について

財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四十六条第一項の「講演」として位置付けてはいないが、国民の理解に資するため、国の財政状況、予算の概要等を幅広く紹介、説明することを目的とした講演を各年度全国各地において行っている。

三について

御指摘の「その他適当な方法」については、国民に報告するに当たり、テレビ等の媒体を活用する等の方法を意味するものと考えられる。なお、このような「その他適当な方法」として位置付けてはいないが、国民の理解に資するため、国の財政状況、予算の概要等を幅広く紹介、説明することを目的として、テレビ等の媒体を通じた広報活動を行ってきているところである。

四について

毎年度の財政投融資計画については、財政法第四十六条第一項にいう「予算」の一部として、同項の規定に基づき、毎年度、予算成立後「財政法第四十六条に基づく国民への財政報告」の官報掲載により、国民に報告しているところである。

さらに、財政投融資の運用状況については、各種の媒体を通じて、国民への広報に努めているところである。

また、公庫、公団を始め、特殊法人の財務内容については、財務諸表等の事務所備え付け、決算等の官報掲載、特殊法人資料閲覧室の整備等により公開に努めているところである。

五について

財政法第四十六条第一項に基づいて、財政状況の報告(官報掲載)を行うとともに、同条第二項に基づき、四半期ごとの予算使用の状況について、税目別の租税収納状況、一般会計の所管、組織、項別の支出済歳出状況、特別会計及び政府関係機関別の収支状況を、また、四半期ごとの国庫の状況について、財政資金対民間収支、国庫対日銀収支及び政府預金の残高等を報告(官報掲載)しているところである。

さらに、財政法第四十六条第二項の趣旨を踏まえ、毎月の税目別の租税収納状況、一般会計の所管別支出済歳出状況、特別会計及び政府関係機関別の収支状況を報告(官報掲載)しているところである。

御指摘のように、国民の理解と合意に基づいて、財政構造改革を進めていく必要があると考えている。今後とも、財政法第四十六条の規定に基づく報告を行うとともに、様々な方法により財政状況に対する国民の理解を求めるべく努力してまいりたい。

衆議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1974年6月3日 北山愛郎 答弁 1974年6月18日
衆議院 第72回 第36号お答えすることは困難 ×1
提出 2004年8月5日 伴野 豊(民主党・無所属クラブ) 答弁 2004年8月11日
衆議院 第160回 第61号
提出 2016年8月1日 本村 賢太郎(民進党・無所属クラブ) 答弁 2016年8月8日
衆議院 第191回 第47号
提出 2025年6月13日 落合 貴之(立憲民主党・無所属) 答弁 2025年6月24日
衆議院 第217回 第270号趣旨が明らかではない ×2
提出 2023年12月7日 たがや 亮(れいわ新選組) 答弁 2023年12月19日
提出 1998年6月3日 笹木 竜三 答弁 1998年7月7日
衆議院 第142回 第42号お答えすることは困難 ×2
提出 2008年10月8日 滝 実(無所属) 答弁 2008年10月17日
衆議院 第170回 第87号
提出 2023年6月16日 たがや 亮(れいわ新選組) 答弁 2023年6月30日

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる