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我が国株式市場の透明性・公正性についての批判に関する質問主意書

衆議院 第141回 第11号

提出者
衆議院
提出日
1997年11月12日
内閣転送 1997年11月17日
答弁書受領日
1997年11月21日
提出から9日
答弁の項目数
8
質問 1,513字/答弁 1,086字

質問本文

最近の我が国株式市場の不振の原因には様々な要因がある。大きな理由の一つとして、株式市場の不透明性・不公正な点があげられる。

かねてから、諸外国専門家より我が国市場がインサイダー取引や、株価操縦取引等で、日常的に成り立っているという厳しい指摘があるが、この批判を払拭しなくては二一世紀のビッグバン時代のグローバル化した世界市場の中で、我が国市場の存在意義はなくなる恐れがあると考える。

その為に政府として、日頃、株式市場を利用した不公正な取引に厳重に対応し、透明な市場の確立を図るべく具体的な事案の処理が求められるものと考えられる。

そこで、以下の点を質問する。

一 現在の我が国の株式市場は低迷し、更に先行きの見通しは暗い、と評されている。その中で、公的年金資金を使った株価維持政策(いわゆるPKO)が行われていると公然と言われている。

PKOは誰の指示で、どこが決めて、どのような手段方法で実行されるのか。具体的に明らかにせよ。

二 永年続けられているPKOは、将来の年金財政にとって見通しのない莫大なリスクを負うことになる可能性はないのか。

三 世界市場のグローバル化の中で、我が国のPKOは市場の透明性、公正性とは矛盾が生じないのか。

四 我が国市場の透明性、公正性について、昔から欧米先進国からは強い批判があり、今日も不透明、不公正な取引が横行しているのが実情だ。その大きな要因の一つに取締り当局の怠慢な姿勢があげられる。一例をあげると、今年一月一〇日午後一二時三一分、発行済株数に対して一三%もTDF株が某仕手筋によって一挙に一瞬のうちに売買された。また、これと連動して同じ仕手筋が東邦金属株を一月一四日一日間の商い、しかも特に後場に集中して発行済株数に対して一〇%強の売買がなされた。両銘柄とも結果として、買い注文代金を意図的に決済しない鉄砲行為となった。

これらの疑惑取引について証券取引法及び刑法上の捜査はなされているのか。

五 鉄砲によって得た資金の殆どは暴力団に流れ、残った約四〇億の資金で仕手筋は今年の八月まで株式取引を継続していた。鉄砲で得た資金を鉄砲売買に直接関係した証券会社で継続取引が出来たのは、当局が事件関係者を野放しにしていたからではないのか。

六 品薄株であり仕手株として長期間市場で話題になっていた両銘柄の取引に登場する人物、仲介した証券会社は共通している。この取引の仲介に立った野村證券、雙龍証券、三田証券、岡三証券のかかる取引の取扱いに関係する部分の社内規程を調査し、その内容を明らかにせよ。

七 今回の大型鉄砲事件で明らかになったことであるが、その売買を取引所非会員の証券会社が取引所正会員を通じて行うことから、悪徳仕手筋の売買手口の隠匿行為を助長し、結果として種々の犯罪の温床となっている事実がある。今回登場する非会員会社をはじめ、他にも売買手口隠しを売り物にして仕手筋と結託している非会員会社が幾つか実在する。市場の透明性、公正性からは極めて問題であり、早期是正の為の行政指導を行うべきと考えるが如何か。

八 両大型鉄砲事件は、私の調査によると担当営業マンレベルの単独決済で実行出来る行為でなく、関係する証券会社の組織的且つ積極的な加担なくしては実現し得ない売買行為と断定する。かかる視点から証取法上の問題点を早期に解明すべきと考えるが如何か。

九 鉄砲を引き起こした仕手筋にパリバ投資顧問株式会社、当時の代表取締役A氏が加担し、客から別の目的で受けた三〇億円を勝手に仕手筋と流用している事実がある。本件に関するパリバ銀行グループの管理責任は如何なものとなるのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

公的年金資金の運用に当たっては、年金福祉事業団において、資金運用部から借り入れた資金を民間の金融機関に委託して証券市場で運用する事業を行っているが、同事業団は、長期的に安全かつ効率的な運用を行う観点から、あらかじめ定めた基本的な資産構成割合に沿って各種の資産に分散して運用を行っており、御指摘のような株価維持政策は行われていないと承知している。

三について

国際的な市場を確立していく上では、公正で信頼感のある市場の整備を図る必要があり、そのため、投資判断の材料を提供するための適切なディスクロージャーの整備、公正な取引ルールの整備等の施策を進めているところである。

なお、公的資金の運用に当たっては、御指摘のような株価維持政策は行われていないと承知している。

四について

捜査当局が、いかなる事項について捜査をしているかについては、答弁を差し控えたい。

一般論として言えば、捜査当局においては、刑罰法令に触れる行為を認めた場合には、法と証拠に基づき適切に対処するものと考える。

五について

関係当局においては、法令に触れる行為を認めた場合には、法令に基づき適切に対処するものと考える。

六について

各証券会社の社内規程においては、不公正取引の未然防止等の観点から、顧客からの注文の受託に際し、その銘柄、数量、金額、取引状況等に照らし、当該注文が著しく過大又は異常であると認められるときには適切な対応を行うべき旨が規定されている。

七について

証券行政については、先の証券不祥事を契機に、それまでの事前予防的行政から事後的監視行政への転換を図るべく、平成四年に証券取引等監視委員会を設立しており、取引の公正を損なう法令違反行為については、同委員会が独立して事実認定を行い、行政処分等を大蔵大臣に勧告することとされている。

今後とも、不正があれば摘発され厳正に処分されることが、証券市場に対する投資家の信頼の確保のために極めて重要であると考える。

八について

御質問の事件については、関係する証券会社と顧客との間において、双方が損害賠償請求の訴訟を提起しており、現在係争中であると聞いているが、関係当局においては、当該訴訟の動向をも踏まえつつ、法令に触れる行為を認めた場合には、法令に基づき適切に対処するものと考える。

九について

パリバ投資顧問株式会社は、代表取締役であったA氏に対して損害賠償請求の訴訟を提起しており、現在係争中であると聞いているが、当該訴訟の動向をも踏まえつつ、法令に触れる行為を認めた場合には、法令に基づき適切に対処してまいりたい。

衆議院の原文

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