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証券市場をめぐる諸問題に関する質問主意書

衆議院 第162回 第32号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2005年3月11日
内閣転送 2005年3月16日
答弁書受領日
2005年3月22日
提出から11日
答弁の項目数
4
質問 988字/答弁 1,255字

質問本文

ニッポン放送株の取得をめぐるライブドア・フジテレビの問題や西武鉄道株の問題など、証券市場での問題が高い関心を集めている。

政府は今国会で急遽、こうした問題に対処するために証券取引法の改正案を提出する考えであると聞くが、問題が起こってから直ちに法改正を必要とするような取引が漫然と放置されてきたということは、これまでの市場に対する行政に問題があったと言わざるをえない。政府に対し、以下質問する。

一 ライブドアによるニッポン放送株取得の手法である立会外取引について、金融庁は現行の証券取引法上適法ではあるが、法改正の必要があるとしている。ライブドアのケースが起こる以前に、立会外取引の問題点が認識され、この法改正について政府で検討されていたのか。それとも今回のケースで初めて、立会外取引の問題点を認識したのか。

二 政府は今国会で急遽、立会外取引を規制するための証券取引法の改正案を国会に提出する一方で、数年にわたり検討されてきた有価証券報告書虚偽記載への課徴金導入は見送ることになったと聞く。投資家の保護のためには、有価証券報告書虚偽記載への対応の方がより重要であると考える。政府はどのような理由で、立会外取引規制を優先させて法改正を行うことが必要と考えたのか、お示しいただきたい。

三 政府は、上場会社の親会社が株式を公開していない場合、親会社の株主や役員の状況などを子会社の有価証券報告書で開示することを義務づける証券取引法改正案を今国会に提出するお考えと聞く。親会社の情報開示についても、罰則を設けるとのことであるが、これまでこのような規制を設けてこなかったのは何故か。

四 資金力や情報量で劣る一般株主や個人投資家が、弱者ゆえに不利益を被ることがないように権利を尊重されなければ、安心して市場に参加できない。情報開示と機会均等がそのための最低条件で、公正な競争条件を整えるために、公正なルールが不可欠である。しかし、発生する問題に対し、後追い的に法改正を行う現在の金融行政では、十分な投資家保護はできない。現状は市場の隅々まで監視を行う能力を持っていないと言わざるをえない。事後的な法改正だけでなく、目前で起きている問題をチェックするのも行政の役割とすれば、日本にも米国の証券取引委員会のような市場の監視機関が必要になると考えるが、政府の考えはいかがか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

個別事案についてコメントすることは差し控えさせていただきたい。

なお、立会外取引は、平成九年に、機関投資家のポートフォリオの入替え等に使用することを目的として導入されたものであり、会社支配に影響を与えるような大口の買付けに用いられることを想定して導入されたものではない。

しかしながら、証券取引所の立会外取引は、その使い方によっては、取引所有価証券市場外における相対取引による大口の買付けと類似した形態の取引になり得る。株主に平等に売却の機会を与えるという公開買付制度の趣旨にかんがみ、立会外取引のうち、相対取引に類似した取引で、買付け等後の株券等所有割合が三分の一を超える取引については、公開買付規制の対象とすることが適当であるので、今国会に証券取引法の一部を改正する法律案を提出したところである。

二について

金融審議会の報告書を受けて、金融庁において、有価証券報告書などの継続開示書類の虚偽記載に対する課徴金制度を導入することについて検討してきたことは事実であるが、課徴金制度の導入の基礎となる違反行為により得られる経済的利得の内容及び算定方法、課徴金と刑罰規定との関係など引き続き慎重に検討すべき課題が少なくないことから、今国会に提出した証券取引法の一部を改正する法律案に、継続開示書類の虚偽記載に対する課徴金制度の導入は盛り込むにいたらなかったものであり、公開買付規制の見直しを継続開示書類の虚偽記載に対する課徴金の導入に優先させたということではない。

なお、発行開示書類であると継続開示書類であるとを問わずその虚偽記載については、刑罰(五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又はその併科。法人に対しては、五億円以下の罰金)の対象となっている。

三について

上場会社の発行する有価証券の投資者にとって、当該上場会社の親会社の株主、役員、財務等に関する情報は投資判断上重要な情報であると言える。

こうした観点から、現行の開示制度の下、上場会社の有価証券報告書等において、当該上場会社とその親会社との取引に関する情報等が開示されている。

また、証券取引所においては、自主規制規則で、上場会社の親会社の財務等に係る情報を当該上場会社が開示することを求めてきたところである。

今回、上場会社の親会社に係る情報の開示を一層充実させるため、以上の取組に加え、証券取引法上の制度として、上場会社の親会社に対し、株主、役員、財務等に関する情報の開示を義務付けることを内容とする証券取引法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところである。

四について

市場監視機能については、これまでも、証券取引等監視委員会の体制強化等を着実に実施してきたところである。しかしながら、証券行政を担当する部門と銀行行政及び保険行政を担当する部門とを切り離し、米国の証券取引委員会に類する機関を創設することは、金融コングロマリットの出現や金融商品の一体化といった金融を取り巻く環境の変化を踏まえれば適当ではないと考える。

衆議院の原文

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