Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第142回

環境ホルモン(ダイオキシン・ビスフェノールA等)の問題に関する質問主意書

衆議院 第142回 第36号承知していない ×2

提出者
衆議院
提出日
1998年5月21日
内閣転送 1998年5月25日
答弁書受領日
1998年6月12日
提出から22日
答弁の項目数
6
質問 1,319字/答弁 2,035字

質問本文

我が国は、過去に水俣水銀中毒、砒素ミルク中毒等の公害事件がおこり、多くの被害者を出しました。これら公害事件の反省として、被害者を出さないために、事態掌握のための調査、調査結果に基づく迅速な対応が提起されたことは、記憶に新しいところです。最近では、産業廃棄物の不法投棄が全国各地で発生し、廃棄物に含まれるPCB、ダイオキシン等の環境ホルモンによる水質、土壌汚染の人体への影響を指摘するマスコミ報道が盛んに行われ、国民は環境ホルモンの人体への影響について非常に高い関心を寄せるようになり、関係行政機関による対策が急がれています。大阪府豊能町のゴミ焼却施設「豊能美化センター」周辺土壌から高濃度のダイオキシンが検出されるという問題が発生し、地域住民の健康不安に対応して、やっと関係行政機関が水質、土壌の緊急調査に着手しました。しかし一方で、同施設の焼却炉製造企業と施設管理者によるダイオキシンのデーターの低減工作、設備改善報告の遅滞等が露見したことで、住民は不安を一層募らせています。今後は中央、地方の関係行政機関が一体となった具体的な対応が求められています。環境ホルモンへの関心の高まりとともに、缶詰、カップ麺容器、洗剤等の日常の身近な物にも環境ホルモンが含まれており、人間の生殖機能等にも影響を及ぼしかねないとの衝撃的なマスコミ報道が頻繁になされております。環境ホルモンの人体への影響は、軽視されてはならないものであり、十分な調査、研究と対応、とりわけ真相を一刻も早く明らかにすることが重要なことはいうまでもありません。しかし、一部の週刊誌、テレビ番組では、歯の治療に用いる材料に環境ホルモンが含まれているとの報道がなされ、臨床現場における歯科医師と患者の信頼関係を破壊し、歯科医療に混乱を及ぼしかねないと懸念しているところです。

従って、次の事項について質問します。

一 環境ホルモンに対する国民不安の解消に関する政府の任務。併せて環境ホルモンが人体に及ぼす影響に関する政府の認識。

二 過去の公害問題の反省として、実態調査を始め迅速な対応が要求されたにもかかわらず、データーの低減工作や設備改善報告の遅滞が露見したことについての見解。

三 被害地域等が被る風評被害による精神的苦痛、不利益についての認識。併せて環境や医療問題等のマスコミ報道の在り方に対する見解。

四 環境ホルモンに対しては精子の減少等が報じられているが政府としての調査実施の有無。

五 厚生省の定める歯科材料価格基準に収載されている歯科材料(コンポジットレジン及びシーラント)におけるビスフェノールAの存在の有無。併せて一部マスコミ報道では歯の治療においてシーラント、レジンの充填を受けた際に環境ホルモンであるビスフェノールAが溶出し、その影響を受けかねないとの印象を与えているが医学的根拠を把握しているのか。

六 人の生命に深く関わりのある環境問題にとって国民の日常不安の払拭に最も重要なのが的確な情報公開だと認識しているが政府の見解。併せて非加熱血液製剤投与によるHIV感染等の社会的混乱を再び引き起こさない為のこれら環境ホルモンに対する今後の対策。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の環境ホルモン(体外から生物の体内に取り込まれて正常な内分泌を阻害し、生殖や発育等に影響を及ぼす可能性があると指摘されている化学物質をいう。以下同じ。)の問題については、現在、政府として、これによる人の健康や生態系への影響を未然に防止する観点から、国際的な連携を図りつつ、関係省庁において環境ホルモンによる環境汚染の状況、人の健康影響等に係る実態把握、作用メカニズムの解明、試験法の開発等に取り組んでいるところであり、これらの調査研究の結果を踏まえ、国民に対する環境ホルモンに関連する情報の必要かつ適切な提供を行うとともに、必要に応じ、適切な措置を講ずることとしており、これらにより国民の不安の解消に努めてまいりたい。

また、環境ホルモンが人体に及ぼす影響については、国際機関等においても調査研究や情報交換が進められているが、現時点では、人体に及ぼす影響の有無、種類、程度等が科学的に未解明であるものと認識している。

二について

市町村(一部事務組合を含む。以下同じ。)の設置するごみ焼却施設排ガス中のダイオキシン類の濃度の測定については、「ごみ焼却施設からのダイオキシン類排出実態等総点検調査の実施について」(平成八年七月十二日衛環第二百四十四号厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知)において、年間の平均的な運転状況に近い条件の日を設定して試料を採取し、測定を行うよう依頼したところであるが、御指摘の豊能郡環境施設組合の設置する豊能郡美化センターにおいては測定日に限ってその濃度を低減するための操作がなされ、調査の実施要領において定めた条件と異なる条件で試料の採取が行われたことが確認されている。このような操作により調査結果の信頼性が損なわれたことは、誠に遺憾であると考えている。排ガス中のダイオキシン類の濃度測定については、平成九年十二月一日から廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号)第四条の五第一項第二号カに基づいて実施することとされており、当該測定にあたり、このような操作が今後行われることのないよう、厚生省において当該組合を始め市町村に対する指導を強化してまいりたい。

なお、当該施設について設備の改善は行われておらず、御指摘の設備改善報告の遅滞があったことは、承知していない。

三について

御指摘のいわゆる風評被害により、御指摘の地域の住民が精神的苦痛や不利益を被っていることは承知しており、このような風評被害の沈静化を図るため、政府において、ダイオキシン類による汚染状況等に関する正確な情報を国民に提供することが重要であると考えている。

また、御指摘の報道の在り方については、個々の報道に対する見解を述べる立場にないが、政府としては、引き続き国民に正確な情報を提供し、混乱が生じないように努めてまいりたい。

四について

御指摘の調査については、厚生省においては、平成八年度から厚生科学研究として内分泌かく乱化学物質の人への健康影響に関する調査研究を実施しており、当該調査研究の課題の一つとして平成九年度から我が国の健常男子の精子の数、運動能等についての基礎的調査等を実施しているところである。

また、環境庁においては、平成九年度から死亡者の精巣を用いた精子形成と体内の化学物質量との関係等に関する調査を実施しているところである。

五について

御指摘の歯科材料であるコンポジット・レジン及びフィッシャー・シーラントにビスフェノールAが存在するか否かについては、そのような分析を行った結果を承知していないが、当該歯科材料のいずれの品目にも成分としてビスフェノールAそのものは用いられておらず、多くの品目においてビスフェノールAを原料として合成されたビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリレート(Bis ― GMA)が用いられていると承知している。

御指摘のビスフェノールAの溶出に関しては、千九百九十六年にスペイン及び米国の研究者によりフィッシャー・シーラントからビスフェノールAが溶出した旨の報告がなされたが、その後に実施された米国、ドイツ及び我が国における複数の研究においては、コンポジット・レジン及びフィッシャー・シーラントのいずれからもビスフェノールAの溶出は認められない旨の報告がなされていると承知している。

六について

御指摘のような環境問題に関し必要かつ適切な情報公開を行うことは、国民にいたずらな不安を与えないためにも重要と認識している。

政府としては、環境ホルモンの問題について、国際的な連携を図りつつ、環境ホルモンによる環境汚染の状況や人の健康影響等に係る実態把握、作用メカニズムの解明、試験法の開発等に積極的に取り組み、新たな科学的知見や調査結果等の情報については、これを国民に適切に提供していくとともに、調査研究の結果を踏まえ、必要に応じ、適切な措置を講じてまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1990年11月7日 藤田スミ 答弁 1990年11月27日
衆議院 第119回 第10号検討してまいりたい ×1
提出 2003年5月13日 長妻 昭(民主党・無所属クラブ) 答弁 2003年6月13日
衆議院 第156回 第72号承知していない ×1
提出 2001年3月13日 原陽子(社会民主党・市民連合) 答弁 2001年4月20日

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる