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臓器移植の情報公開に関する質問主意書
衆議院 第145回 第50号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
臓器の移植に関する法律(以下、法という。)に基づく臓器移植が本年になって四例行われた。その提供から移植までのプロセスにおいて、情報公開に関して様々な問題が提起され議論されている。
臓器移植に関する情報公開を進め、国民にわかりやすい透明度の高い移植システムの整備に資するため、以下質問する。
一 高知県での第一例めの事例で、法に基づく脳死判定の際に、厚生省の指針で最後に行うとされる無呼吸テストが、脳波測定より先に行われたという事実が、後刻判明するという事態が起きた。
(一) 無呼吸テストが脳死判定の最後に行われなかった事実を厚生省が把握したのはいつで、どのような方法であったか。
(二) 厚生省は把握した事実を、当時頻繁に行われていた記者会見で発表しなかったのはなぜか。重大な手続き違反という認識ではなかったのか。発表を控えた事情を詳しく説明されたい。
(三) (二)のように、厚生省の指針違反を把握しておきながら、発表しないという判断は誤りであると考える。認識を伺う。
(四) 重大な手続き違反を恣意的に発表しないという事態が今後起きないという担保はどのようにとっていくのか。再発防止のための方策を示されたい。
(五) この事実は、三月十五日に大阪で行われた記者会見の会場で、臓器提供病院の病院長により唐突に発表された。その背景には、マスメディアがこの事実の有無の確認を病院長に迫っていたとの話を耳にするが、それは事実か。
(六) (五)が仮に事実であるとして、マスメディアの追及等がなく、病院長が自発的にこの事実を発表しなければ、この事実は明らかにならなかったという理解で良いか。
二 過去四例の臓器移植事例について、臓器・組織提供医療機関から臓器・組織移植医療機関までの、ドナーから摘出された全ての臓器・組織別に、臓器・組織の搬送費用金額、搬送費用の負担者、搬送金額の請求明細、搬送費用の支出根拠、搬送を担当した者(国、地方公共団体、民間会社等の区分)のそれぞれの詳細を明らかにされたい。
三 公衆衛生審議会臓器移植専門委員会は、これまでに二十回開催されているが、インターネットの厚生省ホームページでは、会議録は十四回までが現在公開されているに過ぎない。国民に開かれた臓器移植の実現のためには、この状態ははなはだ遺憾である。
この問題に関連して、七月二十七日の参議院国民福祉委員会で保健医療局長は「できるだけ迅速に公開したい、可能な限り早急に公開できるよう努力する」と答弁している。
(一) 専門委員会開催後一、二週間程度で公開することが、国民に開かれた移植医療のためには必要と考えるが、認識を伺う。
(二) 仮に迅速な公開ができないとすると、その理由は何か。詳しく解説されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の(一)について
御質問に係る第一例目の脳死下での臓器提供事例においては、平成十一年二月二十五日に臓器の移植に関する法律(平成九年法律第百四号。以下「臓器移植法」という。)第六条第二項の判定(以下「法的脳死判定」という。)が行われたが、その際、自発呼吸の消失を確認するための無呼吸テストが、臓器の移植に関する法律施行規則(平成九年厚生省令第七十八号)第二条第三項の規定に反し、平坦脳波の確認の前に実施された。このような事実関係を厚生省が把握したのは、同月二十六日午前二時ごろ、臓器提供施設(脳死した者の身体からの臓器の摘出が行われる医療機関をいう。以下同じ。)の長からの電話による連絡を通じてである。
一の(二)から(四)までについて
平成十一年二月二十五日の法的脳死判定においては、最終的に平坦脳波の確認ができなかったため、脳死とは判定されず、その後、再度行われた法的脳死判定において、脳死と判定されたものであり、後者の法的脳死判定については瑕疵はなかったものである。このため、厚生省においては、一の(一)についてで述べた事実関係を臓器提供施設が公表するのに先んじて、厚生省から公表することまで必要であるとは考えていなかったところである。
なお、厚生省においては、その後、第四例目の脳死下での臓器提供事例における脳波測定の過誤を臓器提供施設に先んじて公表するなど積極的な情報開示を行ってきたところであり、今後とも、臓器移植に係る透明性の確保の観点からの情報開示に努めてまいりたい。
また、これまでの脳死下における臓器提供事例については、公衆衛生審議会疾病対策部会臓器移植専門委員会(以下「専門委員会」という。)の下に設置された脳死判定等に係る医学的評価に関する作業班において、臓器提供者に対して行われた救命治療、法的脳死判定等に関する検証が行われるとともに、専門委員会の下に設置された日本臓器移植ネットワークのあっせん業務に係る評価に関する作業班において、臓器あっせんの手続についての検証が行われ、これらの結果は、専門委員会に報告されるとともに、一般に公表されている。
さらに、専門委員会の意見を踏まえ、少なくとも臓器移植が一般の医療として国民の間に定着するまでの間、臓器提供者に対する救命治療、法的脳死判定及び臓器あっせんの手続についての検証を行う第三者機関の設置を検討しているところである。
一の(五)及び(六)について
一の(一)についてで述べた事実関係については、平成十一年三月十五日に臓器提供施設が総合的な状況を勘案して自発的に公表したものであるが、仮に臓器提供施設から自発的に公表されなかった場合は、厚生省から公表することも念頭に置いていたところである。
二について
過去四例の脳死下での臓器提供事例における摘出された臓器の搬送については、臓器あっせん機関において、臓器あっせん機関保有の緊急自動車、公共交通機関等を利用することにより対応することとしている。また、臓器の種別及び搬送経路ごとの搬送手段、搬送費用の金額、搬送費用の負担者及び搬送費用の支出根拠については、臓器あっせん機関の協力を得て、移植実施施設を対象とした調査を行ったが、平成十一年九月十五日現在におけるその実態は、別表第一から別表第四までのとおりである。
なお、これまでの脳死下での臓器提供事例において摘出された組織については、同日現在摘出を担当した医療機関において保存されている。
三について
専門委員会の議事録については、公開に至るまでに、速記及び録音に基づく議事録案の作成、専門委員会の委員全員による当該議事録案の確認等の手続が必要であるので、専門委員会開催後一週間ないし二週間程度で公開することは困難である。
しかしながら、厚生省においても、できる限り迅速に公開することが適切であると認識しており、今後とも、可能な限り早急に公開するよう努めてまいりたい。
別表第一(第一例目関係)
(注) 搬送費用を当初負担した者から当該搬送費用に係る請求が行われなかった場合には、搬送費用の金額及び搬送費用の支出根拠は不明としている。
別表第二(第二例目関係)
(注) 搬送費用を当初負担した者から当該搬送費用に係る請求が行われなかった場合には、搬送費用の金額及び搬送費用の支出根拠は不明としている。
別表第三(第三例目関係)
(注) 搬送費用を当初負担した者において搬送費用の金額の確定か行われていないこと等により、いまだ搬送費用に係る請求か行われていない場合には、搬送費用の金額及び搬送費用の負担者は未確定としている。
搬送費用を当初負担した者から当該搬送費用に係る請求が行われなかった場合には、搬送費用の金額及び搬送費用の支出根拠は不明としている。
別表第四(第四例目関係)
(注) 搬送費用を当初負担した者において搬送費用の金額の確定が行われていないこと等により、いまだ搬送費用に係る請求が行われていない場合には、搬送費用の金額及び搬送費用の負担者は未確定としている。
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