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ウイルス肝炎総合施策に関する質問主意書
衆議院 第155回 第35号お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×2承知していない ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
昭和五四年に設置された「肝炎研究連絡協議会」の研究成果により、昭和六〇年度から新生児にB型肝炎ワクチンを接種する「母子感染防止事業」が開始された。また昭和六三年にはC型肝炎ウイルス遺伝子が解明され、六年後の平成六年にはウイルスそのものが見つかり、本年からは、難病対策が開始された昭和四七年以来三〇年ぶりにB型・C型肝炎ウイルス検診が開始される等緊急対策が実施されている。しかしながら、ウイルス肝炎・肝臓病の根本的な治療法はいまだ未確立であり、長い年月にわたり入退院を繰り返しながら肝炎患者は苦難の日々を過ごしている。
また、病気による苦しみに加え、肝障害は福祉法の適用外であり、法律上の「障害者」ではないために『障害者手帳』が未交付である。そのため、各行政レベルの施策の多くに取り残され、外見上健常者と変わらないため、職場の理解を得にくく無理をして悪化させ、退職を余儀なくされる等、二重の苦難を背負いながら、構造不況下、医療と福祉の谷間でますます厳しい状況に置かれている。
ウイルス肝炎患者の医療・福祉のより一層の施策の充実を求めて、以下質問する。
1 肝炎緊急対策として、老人保健法に基づく基本検診と政府管掌健康保険の生活習慣病予防検診への肝炎検査が、今年度から導入されているが、実施保留の自治体を実施予定を含め、調査して示せ。
全国の健康保険組合に対し、C型肝炎検査導入促進を働きかけ、組合管掌健康保険の今年度の実施を図るために、行政としてどのような施策を講じているか示せ。
2 止血剤として使用された血液製剤クリスマシン、フィブリノゲン等により、新生児、妊婦が大量にC型肝炎感染し、薬害肝炎として改めて問題となっている。
目の負傷の止血用に投与されたクリスマシンにより、昭和五六年小学校六年の時、C型肝炎に感染した三〇代男性が、平成六年医薬品副作用被害救済機構に医療手当の支給を請求したが、「クリスマシンは対象除外医薬品」であるとして不支給となっている。本救済制度又は新たな補償制度により感染被害者に対し司法判断を待たずに早急に医療手当支給等の施策を講じるべきであると考えるが、政府の見解を示せ。
3 肝炎緊急対策強化のためにも、ウイルス肝炎・肝臓病の正しい知識の普及のためのパンフレット、小冊子、ビデオ作成を国民の目に見える形でより積極的にすすめる必要がある。政府の見解を示せ。
4 ウイルス肝炎の感染原因の大半は、予防接種、輸血、特定地域での多発など、医療行為による「医原病」であると考える。従来から特定地域での肝炎多発が指摘されていた。都道府県、区市町別に多発地域を調査して示せ。
5 一九九二年以前の輸血等医療行為による慢性肝炎・肝硬変患者、感染者等治療が必要な人に対し早期に専門医への受診、医療費の一部公費負担等抜本的かつ具体的な対策を講ずべきと考えるが政府の見解を示せ。
6 肝炎研究を推進し、根本的な治療法を早期に確立することは急務である。現在までの、「肝炎研究連絡協議会」の構成と治療研究の結果を示せ。
7 肝がんは肝硬変に高率に発生する。早期に超音波による肝がん検診を国として実施することが、結果として医療費の増大も防ぐことが可能と考える。政府の見解を示せ。
8 脳死者からの肝移植よりも、一三年間で約二〇〇〇例となった『生体肝移植』の一層の普及、脾臓へ肝細胞を移植し第二の肝臓として活用する『肝細胞移植』の研究促進、早期実用化のための研究費の増額が必要と考える。
生体肝移植の保険適用の現状と、研究費の額と今後の肝細胞移植の実用化のめどについて示せ。
9 脳死移植に道を開く臓器移植法は、提供者の意志が文書で確認される場合に限定することとし、九七年六月の国会で成立した。参議院では、移植の場合に限り脳死で亡くなったこととする厳格な内容の修正が加えられた。九九年二月、法施行後一年四カ月ぶりに国内初の脳死移植が行われ、これまで二〇数例が実施されたが、患者を死亡させる可能性がある無呼吸テストがされたこと等に対する検証は不十分であると考える。十分な医療情報の公開を図り、受容者が安心して移植をうけられるようにすべきである。政府の見解を示せ。
10 一九八一年国際障害者年の「障害者の権利宣言」を踏まえ、「身体障害者福祉法」の政令を拡大し、福祉法への適用を図り、肝障害を「障害者」と認定し『障害者手帳』を交付すべきと考える。政府の見解を示せ。
11 障害年金は、肝疾患の中で、慢性肝炎に支給されにくくなっている。肝硬変になる可能性のある慢性肝炎にも障害年金を支給すべきと考える。現在の肝臓病への支給基準を示せ。
12 「障害者の雇用の促進等に関する法律」の対象に肝臓病を加え、肝障害者の援護施策を制度化し、雇用促進と職場確保の途を開くための政府の施策を示せ。
13 C型、B型肝炎は、感染性故にともすれば職場の理解が不足しがちで、差別と偏見にさらされる場合が少なくない。肝障害者への雇用差別をなくすための事業主への啓発活動を調査して示せ。
右質問する。
政府答弁書
1について
老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)に基づき市町村が行う肝炎ウイルス検診である節目検診(四十歳、四十五歳、五十歳、五十五歳、六十歳、六十五歳及び七十歳の者を対象とする肝炎ウイルス検診をいう。)及び節目外検診(右のような節目の年齢の者に着目するのでなく、四十歳以上の者で、過去に肝機能の異常を指摘されたことのあるもの等を対象とする肝炎ウイルス検診をいう。)の実施状況について、平成十四年七月に全国三千二百四十一市町村を対象として調査を行った結果、平成十四年度において節目検診のみを実施する旨回答した市町村は別表一のとおりであり、節目外検診のみを実施する旨回答した市町村は別表二のとおりであり、節目検診及び節目外検診のいずれも実施しない旨回答した市町村は別表三のとおりである。また、これらの市町村に係る未実施の肝炎ウイルス検診の平成十五年度以降の実施予定は、把握していない。
政府管掌健康保険の生活習慣病予防健診の一環として行っている肝炎ウイルス検査については、平成十四年度からすべての地方社会保険事務局において実施している。
健康保険組合が行う健康診査については、従来から、健康保険組合事業運営基準(昭和三十五年十一月七日付け保発第七十号厚生省保険局長通知)により、中高年齢者を健康診査の対象とする場合は少なくとも老人保健法に基づき行う健康診査と同程度又はそれ以上の内容で実施するよう各健康保険組合を指導しているところであり、平成十四年一月には、同基準を改正し、肝炎ウイルス検査を健康診査の項目の例示として追加した。
2について
従前から、医薬品の副作用による健康被害については、民事上の損害賠償による救済とは別に、副作用被害救済制度(医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法(昭和五十四年法律第五十五号。以下「機構法」という。)第二十八条第一項各号に規定する給付に関する制度をいう。)を通じて、将来発生し得る副作用に備えて医薬品製造業者等が共同で拠出し、一定程度以上の健康被害について定型的な給付を行うことにより、簡易迅速な救済を実現しているところである。しかしながら、血液製剤等の生物由来製品の原材料に混入し、又は付着した感染症の病原体に感染すること等により生じる健康被害(以下「感染等被害」という。)については、医薬品の有する薬理作用によって生じるものではなく、医薬品の副作用による健康被害には当たらないことから、副作用被害救済制度の対象とはならない。このため、感染等被害の簡易迅速な救済を図ることを目的として、今般成立した独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成十四年法律第百九十二号。以下「新機構法」という。)において、感染等被害救済制度(新機構法第二十条第一項各号に規定する給付に関する制度をいう。)が新たに設けられ、平成十六年四月一日(以下「施行日」という。)から実施されるところであるが、感染等被害救済制度の対象は、新機構法附則第二条の規定により、施行日以後に使用された生物由来製品が原因となって感染等被害を受けた者とされている。
お尋ねの三十代男性については、右に述べたように、C型肝炎ウイルスにより汚染された血液を原料とする製剤の使用に伴う健康被害は副作用被害救済制度の対象である医薬品の副作用による健康被害ではないこと、また、お尋ねのクリスマシンは血液凝固第�\因子製剤に属するものであるが、昭和五十六年当時、当該製剤は、副作用被害救済制度からの除外医薬品(重篤な疾病等の治療のためにその使用が避けられらず、かつ、代替する治療方法がないため、その使用に伴い予想される副作用の発生を受忍せざるを得ないと認められる医薬品として、機構法第二条第二項第一号の規定に基づき、救済の対象とならない医薬品に指定されているものをいう。)とされていたことから、副作用被害救済制度を適用することは困難である。また、感染等被害救済制度の適用についても、右に述べたとおり、感染等被害救済制度の救済の対象が施行日以後に使用された生物由来製品が原因となって感染等被害を受けた者とされていることから、その適用は困難である。
3について
ウイルス肝炎について、正しい知識の普及啓発を図ることは、極めて重要であると考えている。
このため、厚生労働省において作成した国民向けのC型肝炎の基礎知識に関する問答集を、厚生労働省等のホームページに掲載しているほか、各種の機会を通じて配布し、都道府県等による関連資料の作成等への補助を行うなど正しい知識の普及啓発に努めているところである。
4について
平成十三年度に厚生科学研究費補助金の交付を受けて実施された「C型肝炎の自然経過および介入による影響等の評価を含む疫学的研究」の結果を取りまとめた報告書においては、全国を八地区に分類して、初回供血者のHCV抗体陽性率及びHBs抗原陽性率を算出すると、HCV抗体陽性率及びHBs抗原陽性率は共に近畿以西の西日本地区において他の地区に比べやや高い値を示す傾向が認められた旨が報告されている。
より細分化した地域区分に基づくウイルス肝炎の多発地域の調査については、実施の有無を含め、今後、検討してまいりたい。
5について
ウイルス肝炎の患者等については、平成四年以前の輸血等の医療行為により感染した者も含め、当該患者等が早期に発見され、医師の適切な治療等を受けられるようにすることが重要であると考えている。このため、老人保健法に基づき市町村が行う健康診査等における肝炎ウイルス検診の実施等検診機会の確保、厚生労働科学研究費補助金による治療指針の作成等肝炎分野の研究活動の推進、国立病院長崎医療センターを中心とする国立病院及び療養所における診断及び治療法の開発並びに高度な診療の実施等に取り組んでいるところである。
また、ウイルス肝炎の患者等については、疾患の原因が明らかであり、治療によって疾患の治癒又は軽快が期待され、また、まん延防止のために強力な措置を要しないなど、各種の公費負担医療制度等の対象者とは事情が異なることなどから、医療費の一部公費負担等の措置を講ずることは困難である。
6について
お尋ねの「肝炎研究連絡協議会」の構成とは、肝炎研究連絡協議会の下で実施された研究に係る研究実施体制を指すものと考えるが、平成十三年度までの当該実施体制は別紙一のとおりである。また、実施された研究のうち、治療研究に係る研究の内容は別表四のとおりであるが、当該治療研究の結果を取りまとめた報告書については、厚生労働省健康局結核感染症課に保管しており、希望者は閲覧をすることが可能である。
7について
平成十二年度に財団法人日本公衆衛生協会が老人保健事業推進費等補助金の交付を受けて実施した「がん検診の適正化に関する調査研究事業」の結果を取りまとめた報告書によると、超音波検査による肝がん検診については、その有効性を証明する科学的根拠が現時点では十分でないことから、導入を推進する状況にはないと考えている。また、超音波検査による肝がん検診を実施することにより、結果として医療費の増大を防ぐことが可能かどうかは必ずしも明らかではないと考えている。
8について
生体肝移植に対する医療保険制度の適用については、平成十年度に生体部分肝移植術及び移植用部分肝採取術に係る診療報酬点数を設定して医療保険の対象とした後、順次診療報酬点数の引上げを行っている。
お尋ねの「肝細胞移植」の内容が必ずしも明らかではないが、現在重度の肝疾患に対して一般的に用いられる治療法は肝移植のみであることから、その他の治療法の確立に向け、平成十四年度は厚生労働科学研究費補助金を一億千九百万円確保して、肝幹細胞を用いた治療法等に関する研究を行っている。なお、これらの研究は動物実験の段階にあり、現時点でその実用化のめどをお示しすることは困難である。
9について
法的脳死判定が行われた事例については、現在、厚生労働大臣の下に設置した「脳死下での臓器提供事例に係る検証会議」において、救命治療、法的脳死判定及び社団法人日本臓器移植ネットワークによる臓器あっせん業務等の状況について個別に検証が行われており、検証の結果については、臓器提供者の家族の了承を得た上で公開している。
政府としては、国民の信頼を得ながら、我が国における臓器移植の定着を図っていくためには、臓器提供者やその家族のプライバシーを保護しつつ、移植医療の透明性を確保していくことが重要であると考えており、今後とも適切な情報公開が図られるよう努めてまいりたい。
10について
身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第十五条第四項及び別表においては、都道府県知事は、日常生活に著しい制限を受ける程度であると認められ、かつ永続する障害を有する者に対して、身体障害者手帳を交付することとされている。ウイルス肝炎等の肝臓の疾患については、継続的に治療が行われ、治療により改善の可能性があることから、障害が永続しているとはいえず、身体障害者として認定することは困難であると考える。
11について
お尋ねの支給基準とは、「国民年金・厚生年金保険障害認定基準について」(昭和六十一年三月三十一日付け庁保発第十五号社会保険庁年金保険部長通知)に定める障害の程度の認定基準を指すものと考えるが、同認定基準のうち、肝疾患に係る障害の程度の認定に関するものは、別紙二のとおりである。
12について
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第二条第一号においては、障害の原因や種類を限定せず、障害者が「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者」と定義されている。肝疾患を有する者についても、この定義に該当する場合は、同法上の障害者として、障害者の職業能力、適性等を評価することなどを目的とする職業評価、障害者がその能力に適合する職業に就くことを支援するための職業指導、障害者が基本的な労働習慣を体得するための職業準備訓練、障害者の能力に適合する職業を紹介する職業紹介等の職業リハビリテーションのための措置を受けることができる。
13について
お尋ねの啓発活動に係る主要な取組は、次のとおりである。
結果としてウイルス肝炎の患者等に対する就職差別につながるおそれがある採用選考時の健康診断における血液検査については、職務内容との関連で合理的及び客観的な必要性を慎重に検討することを各事業者に求めるため、パンフレット等の啓発資料の作成及び配布を行うとともに、従業員の数が百人以上であるなど一定の基準に該当する事業所において選任すべきことを指導している公正採用選考人権啓発推進員等を対象とする研修会の開催等を通じ、啓発に努めている。また、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第六十六条の規定に基づく健康診断における労働者に対する肝炎ウイルス検査の受診勧奨を行うとともに、当該肝炎ウイルス検査については、労働者の個別の同意に基づいて実施し、また、検査結果について労働者のプライバシー保護の観点から十分な配慮をするよう、平成十四年六月に各業界団体を通じ、傘下の事業者に要請した。さらに、同法第十二条及び第十三条の規定に基づき事業者が選任する衛生管理者及び産業医、人事労務担当者等を対象として、ウイルス肝炎対策に関する講習会を実施し、職場におけるウイルス肝炎に関する正しい知識の普及に努めている。
なお、現在、疾病等を理由とする職場における不当な差別的取扱いを禁止することなどを内容とする人権擁護法案を国会に提出しているところである。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×2承知していない ×1検討してまいりたい ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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