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在日ビルマ人襲撃事件と人権政策に関する質問主意書
衆議院 第145回 第55号承知していない ×2
質問本文
五月二十三日、東京・日本教育会館で行われたコンサートの席上、在日ビルマ人のマイケルミョーミントゥッさん、キンマンウーさんの二名が、ビルマ語で「民主主義を返せ」と叫んだとたんに会場にいたビルマ人らに囲まれて暴行を受けて、重傷を負うという事件が発生した。法務委員会、外務委員会で指摘したとおり、その暴行に大使館職員及びその家族が加わっていたのではないかという疑いがあり捜査は難航していると聞いている。
「外交官の身体の不可侵」にかかわる問題でもあり、解決が難しいのは理解するが、放置される問題ではない。以下、質問する。
一 日本政府は、ビルマ軍事政権と、NLDに代表される民主化勢力に対して、どのような基本姿勢をとっているか。
二 ミャンマー駐日大使は、七月下旬に一時帰国したまま「辞任」したが、その理由を確認したか。「暴行事件」に家族が関与していたことの責任をとってという報道もあるが、日本政府はどのような報告を受けているか。
三 事件当日、外務省職員が「ビルマ語の通訳」として現場に向かったのはなぜか。しかも「私人」として赴いたという説明があるが、プライベートで外務省職員が暴行事件が発生し警察が捜査を要請する場面でボランティアを果たすということはありえるのか。外務省職員の部署名と、緊急の連絡が誰からあったのかを明らかにされたい。
四 ウィーン条約四十一条で外交官及びその家族も、「接受国の法令遵守義務」を課せられている。二十九条の「外交特権」があるからといって、白昼堂々の暴行をくりかえすようでは、不法行為を抑止するための措置をとらざるをえない。法務・警察当局は、どのように認識しているか。
五 事件の容疑者に「外交官の家族」や「大使館職員」が含まれていた場合に、捜査はどのような壁にあたるのか。具体的に明らかにされたい。
六 警察の捜査が「外交特権」の壁に乗り上げた時、外務省に引き継ぎをする措置をとることになるだろう。過去にこうした事例はあったか。
七 外務省は、この事件の捜査状況などを把握しているか。また、現場にいた職員から事情を聴取しているか。
八 警察の捜査は「外交特権」に阻まれ、外務省は「捜査の進展」を待つことで、この事件は未解決に終わるのではないかとの危惧がある。政府の見解はいかに。
九 祖国の民主化を求める在日ビルマ人青年たちは、ふたたびこのような暴行事件が起きるのではないかという不安と心配におびえている。その点からも、すみやかな調査と措置を求めるものだが、どうか。
十 ビルマの軍政によって奪われた自由と民主主義が、日本には存在するからこそビルマ青年たちは日本において民主化活動を続けている。ビルマ軍事政権が圧政であるとしてきた日本政府はこうした青年たちを擁護し、また彼らの活動や身体の安全にも配慮する必要があると考えるが、政府の見解を問いたい。
十一 国際社会は、日本社会においてこの事件のような「白昼堂々の暴行」が許されるかどうか注目している。警察の捜査と外務省が鋭意協議して、「自由と民主主義」を守る国としての気概を見せてほしいとの声も大きい。世界の人権団体や各国のNLD各支部も、日本政府の対応に注目している。その点に配意しているかどうか。
右質問する。
政府答弁書
一について
我が国は、ミャンマー連邦(以下「ミャンマー」という。)における人権状況及び民主化の進展状況を懸念しており、状況の改善には、同国政府とアウン・サン・スー・チー女史を含む国民民主連盟との対話が重要であると認識している。このような観点から、我が国は、国際社会と協調しつつ、ミャンマーに民主化と人権状況の改善を求め、対話の実施を粘り強く働き掛けていく所存である。
二について
本年八月十六日付け在京ミャンマー大使館口上書により、キン・マウン・テイン在京ミャンマー大使が同年七月三十日に離任した旨の通報を受けているところであるが、その理由に関する詳細な事実関係については承知していない。
三について
本年五月二十三日(日曜日)午後六時ごろ、在京ミャンマー大使館員から、外務省アジア局南東アジア第一課所属のミャンマー担当事務官所有の携帯電話に連絡が入り、「現在、日本教育会館において警察当局とのやり取りを行っているが、コミュニケーションがうまくとれないので通訳をしてほしい。」との申出があり、これを受けた同事務官が電話で通訳を行ったがうまくいかず、同館員及び警視庁神田警察署員から、現場において通訳を行ってもらえないかとの申出が更にあったため、同事務官は、同日午後六時三十分過ぎ、日本教育会館に赴き、ミャンマー語を解する一個人としての立場で、在京ミャンマー大使館関係者と警視庁神田警察署関係者との間の通訳を行ったものである。
外務省の職員がその語学力を活用し、一個人としての立場でボランティアで通訳を行うことは一般的にあり得るものであり、そのような場合の一つとして、捜査当局が外国人と何らかのやり取りを行う場面で通訳を行うことも一般的には排除されないのであって、同事務官が公務外に右のような行動をとったことは不適切なものではなかったと考える。
四について
外交関係に関するウィーン条約(昭和三十九年条約第十四号。以下「外交関係ウィーン条約」という。)に規定する特権及び免除を享有する外交官及びその家族には、外交関係ウィーン条約第四十一条により、接受国の法令を尊重する義務が課されている。
右義務にもかかわらず、これらの者が、我が国の刑罰法令に触れる行為を行った場合には、特権及び免除を害しない範囲で、任意の事情聴取に応じるよう求める等の措置をとることとしている。
また、必要に応じ、派遣国に対して、事案の重大性に応じた適切な対応がとられるよう外交ルートを通じて申入れを行うこととしている。
五について
外交関係ウィーン条約に規定する身体の不可侵、住居の不可侵等の特権及び免除を享有する外交使節団の構成員及びその家族については、仮にこれらの者が我が国の刑罰法令に触れる行為を行った場合であっても、これらの者を逮捕し、その住居を捜索する等の刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)上の強制処分を行うことはできない。
六について
外務省が、警察庁の要請に基づき、派遣国に対して、外交関係ウィーン条約に規定する特権及び免除を享有する大使館の職員に対する任意の事情聴取についての協力を求めたことや、外交関係ウィーン条約を踏まえたその他の適切な対応を求めたことはある。
七について
外務省としては、御指摘の事件の捜査状況については、現在のところ把握しておらず、捜査当局の捜査の結果を待って、対応を検討していくこととなる。
なお、現場において通訳を行った事務官からは、現場の大まかな状況についての報告を受けているが、その内容は捜査にかかわるものであることから、答弁は差し控えたい。
八及び九について
御指摘の事件については、現在、捜査当局において、真相解明のため、法令の定めるところに従い、鋭意捜査しているところであると承知している。
十について
我が国は、ミャンマーにおける人権状況及び民主化の進展状況を懸念しており、ミャンマーに民主化と人権状況の改善を粘り強く求めているところであるが、このような外交的立場のいかんにかかわりなく、政府としては、在日ミャンマー人を含む在日外国人の人権擁護に努め、また、その身体の保護については、その人種、信条、社会的身分等にかかわらず公平中正に行っているところである。
十一について
御指摘の事件の捜査は、捜査当局において、法令の定めるところに従い、公平中正に行われているものと承知している。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。