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在日ビルマ人襲撃事件のその後に関する質問主意書

衆議院 第146回 第15号

提出者
衆議院
提出日
1999年12月14日
内閣転送 1999年12月15日
答弁書受領日
2000年1月18日
提出から35日
答弁の項目数
8
質問 1,757字/答弁 1,313字

質問本文

第一四五国会で私が内閣に提出した「在日ビルマ人襲撃事件と人権政策に関する質問主意書」(質問第五五号)に対して、小渕総理より答弁書が届いたのはまだ残暑厳しい九月十日だった。今日にいたるまで、私は注意深くその捜査の進展を見守ってきたが、警察庁と外務省から特筆すべき報告はなく、まるで何事もなかったかのように年末を迎えようとしている。この事件が放置されることがあってはならない、と私は重ねて指摘をするものである。前回の質問主意書を踏まえて、誠意ある答弁を求めたい。以下、質問する。

一 政府は「在日ビルマ人襲撃事件」の重要性を認識しているのか。それとも、軽微な事件でわが国の外交・人権政策に影響をもたらすものではないと判断しているのか。

二 政府は、本年八月十六日付け在京ミャンマー大使館口上書より、キン・マウン・テイン在京ミャンマー大使が同年七月三十日に離任した旨の通報を受けたそうだが、その後に詳しい報告を求めたか。ヤンゴンに駐在する日本大使館は、キン・マウン・テン前大使、ならびにミャンマー政府に対して事態の説明と報告を求めたか。

三 五月二十三日、「在日ビルマ人襲撃事件」の現場には、外務省アジア局東アジア第一課所属のミャンマー担当事務官は、ミャンマー大使館ならびに神田署員に携帯電話で呼びだされ現場に駆けつけて「通訳」を行った。「一個人としての立場でボランティア」をしたまでだと政府は説明するが、なぜ公務として駆けつけたと言わないのか。小学校の校長が休日に学校が火事となって現場に急行し消火活動にあたることは「一個人としての立場のボランティア」に相当するか。外務省の担当官が、休日に突然の職務を行うことに何の不思議もない。どうしても「ボランティア」と説明しなければならない事情があるのか。

四 外務省担当官は、事件後に捜査機関に事情聴取を受けているか。その際、職業は明記したか。さらに、証言にあたっては「外務省職員」との立場を捨てて、あくまでも「一個人のボランティア」であることをどのように説明し、かつ証明したか。捜査内容に関わる事項ではないので誠実に答弁されたい。

五 政府は、ウィーン条約四十一条により「接受国の法令を尊重する義務」にもとづいて「在日ビルマ人襲撃事件」にかかわる大使館関係者の事情聴取を求めたか。また、ミャンマー政府に対して遺憾の意の申し入れを行ったか。また、申し入れを行っていないのであれば、その理由を示されたい。

六 「在日ビルマ人襲撃事件」の容疑者で事情聴取が必要だった者の中で、すでに帰国したか第三国に出国してしまった者は何名いるか。

七 外務省は捜査の現段階をどのように認識しているか。「鋭意捜査中」というものの警察は外交特権に阻まれて、捜査の前提となる事情聴取すら困難な状況にあったのではないのか。国際的な人権侵害事件としての注目が集まる中、外務省は「捜査の限界」をふまえて相手国と真剣に交渉すべきではないのか。事件発生からすでに七か月が経過し、「鋭意捜査中」を理由に、不作為の作為に終始することで関係者の忘却を待つということになってはいないか。かかる政府の姿勢は、ミャンマー軍政関係者にとって、日本国内における白昼堂々の「違法」行為も、黙認するというサインだと読み取られる心配はないのか。

八 本国の軍政の圧迫からわが国に逃れてきたビルマ青年を、あろうことか「本国並み」に「白昼堂々の暴行」を加え、意識を失わせるほどに負傷させるおそるべき事件を放置する国は、民主主義は形ばかりで法治国家として態もなしていないと国際社会から非難されても仕方があるまい。この事件発生後に、世界の人権団体や各国のNLD支部が発表した声明を政府はどの程度、把握しているか。その概要を列挙し、ひとつひとつの声明に対して簡潔なコメントを求めたい。

九 国際社会、ならびに世界の人権団体に対して、「在日ビルマ人襲撃事件」に対する政府の見解を明らかにされたい。「捜査当局において法令の定めるところに従い、公平中正に行われているものと承知している」というのは、霞が関内部の定型文であって日本政府の姿勢を内外に示すにはきわめて不十分である。国際社会に通用する十分意味と内容をもつ見解をうかがいたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び九について

お尋ねの事件については、現在、捜査当局において、鋭意捜査しているところであると承知しており、現時点で政府の見解を述べることは差し控えたい。

いずれにせよ、衆議院議員保坂展人君提出在日ビルマ人襲撃事件と人権政策に関する質問に対する答弁書(平成十一年九月十日内閣衆質一四五第五五号。以下「前回答弁書」という。)一についてでお答えしたとおり、我が国は、ミャンマー連邦(以下「ミャンマー」という。)における人権状況及び民主化の進展状況を懸念しており、状況の改善には、同国政府とアウン・サン・スー・チー女史を含む国民民主連盟との対話が重要であると認識している。このような観点から、我が国は、国際社会と協調しつつ、ミャンマーに民主化と人権状況の改善を求め、対話の実施を粘り強く働き掛けていく所存である。

二について

ミャンマー側に対し、キン・マウン・テイン前在京ミャンマー大使の離任に関して説明や報告を求めたことはない。

三について

前回答弁書三についてでお答えしたとおり、外務省の事務官は、一個人としての立場で、通訳を行ったものである。

なお、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第二十八条第三項により校務をつかさどることとされている小学校の校長が休日に自らの所属する学校が火事となった場合にその消火活動に当たることは、一般的には、当該学校の施設及び設備の管理業務に従事するものとして、校長の職務に当たると解される。

四について

特定の個人が捜査当局による事情聴取を受けているかどうかは、捜査の具体的内容にかかわる事柄であるので、答弁を差し控えたい。

五について

お尋ねの事件に関し、在京ミャンマー大使館関係者の事情聴取を求めたかどうかは、捜査の具体的内容にかかわる事柄であるので、答弁を差し控えたい。

なお、お尋ねの事件に係る外交的対応については、前回答弁書七についてでお答えしたとおり、捜査当局の捜査の結果を待って、検討していくこととなる。

六について

お尋ねの事件の被疑者に関する御質問については、捜査の具体的内容にかかわる事柄であるので、答弁を差し控えたい。

七について

外務省としては、お尋ねの事件については、現在、捜査当局において、真相解明のため、鋭意捜査しているところであると承知しており、その推移を見守っているところである。

八について

お尋ねの事件に関しては、例えば、ロンドンにあるミャンマーの民主化を支援する団体から、在京ミャンマー大使館関係者が二人の平和的民主活動家に暴行を加えた上で外交特権を主張しているが、そのような暴力行為は、日本の法律に違反するのみならず、国家平和開発評議会によるミャンマー国民に対する野蛮な統治を示すものであり、日本政府に対し、暴力行為を行った者を処罰するよう求める旨の声明が出されていると承知している。

このような声明に対する政府の見解については、お尋ねの事件は現在捜査中であると承知しており、また、一般論として申し上げれば、世界の各地において人権に関する活動を行っている非政府組織の声明等の一つ一つにつき政府として論評する立場にないことから、答弁を差し控えたい。

衆議院の原文

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